「うつ病を転職で隠すことは可能？」
「うつ病隠すと転職しやすい？」そんな疑問に答えます。
うつ病は多くの人が経験する心の病として知られ、現代社会では増加傾向にあります。
職場でのストレスや人間関係の問題、業務内容とのミスマッチなど、多くの原因が考えられるでしょう。
転職をするときに、うつ病のことを新しい職場に伝えるべきか、隠すべきか迷いますよね。
この記事では、うつ病を転職で隠すリスクや、メリットとデメリットを詳しく説明します。
うつ病でも転職エージェントを利用できる！おすすめサービスと転職対策を徹底解説
目次
うつ病は転職先に隠しきれる？
転職を考える際、うつ病を新しい会社に伝えるべきか迷う人は多いです。
では、隠すことは本当に可能なのか、具体的なポイントを考えてみましょう。
隠すこと自体は不可能ではない
結論から言うと、転職活動中に自分の健康状態を明かす必要はありません。
そして、多くの企業が健康診断の結果を元に採用を判断することは少ないのが実情です。
ただし、うつ病隠して入社し、後から症状が悪化した場合は大きなリスクがあります。
会社との信頼関係に亀裂が入る可能性があることは頭に入れておくべきです。
企業によっては健康状態を尋ねられるので注意
入社時の健康診断や書類での健康状態の申告を求められる場合があります。
その際、虚偽の申告をしてしまうと、後にトラブルの原因となるでしょう。
自分から話す必要はありませんが、聞かれた場合は正確に答えてください。
事前に求人情報や企業の方針を確認しておくことが大切です。
前職調査でばれることはない
前職の職場が、情報や病歴を新しい会社に伝えることはありません。
基本的にはプライバシーの観点から、個人情報が共有されることはないでしょう。
そのため、前職での病歴が新しい会社に漏れることは考えにくいです。
前職調査を行う企業もほとんどないので、必要以上に気にすることはありません。
うつ病を転職で隠すメリット
うつ病の病状を隠して転職することには、一定のメリットも存在します。
転職の際に病状を隠すことで得られる利点を確認しましょう。
どのようなポジティブな面があるのか説明します。
体調が理由で不利になることがない
採用の際、健康状態を理由に不利な扱いを受けることがなくなります。
過去の職場での経験やスキルを、正当に評価してもらえる可能性が高いでしょう。
実績によっては、自身の能力を存分に発揮できるチャンスが増えます。
病状に関わらず個人の能力を評価してもらえることはうれしいですね。
仕事を休みがちになる原因って？メンタルからのSOSへの対処法と仕事とうまく付き合う方法を解説
うつ病への先入観・配慮によるマイナス要素が低い
病状を公開しないことで、業務上の配慮や特別扱いを受けることがなくなります。
うつ病に対してマイナスなイメージを持つ人もいるでしょう。
そういった人から先入観なしできちんと対応してもらえます。
これにより、職場での立場や評価において、他の社員と平等になるメリットがあります。
うつ病を転職で隠すデメリット
転職の際、うつ病の症状を隠すことは一見魅力的に感じるかもしれません。
しかし、その背後に潜むデメリットは大きなものがあります。
健康状態をオープンにしないことで、転職でどのような問題が生じるのか確認しましょう。
仕事でありえないミスを連発！メンタルを維持する方法を徹底解説します
発覚すると内定取り消しの可能性もある
内定後に隠していたうつ病が明らかになった場合は、採用が取り消しになる可能性もあります。
入社できても、仕事の評価や信頼関係に影響を及ぼす危険性が高いでしょう。
この結果、最悪の場合は退職を余儀なくされるケースも考えられますね。
転職では慎重に行動を選ぶ必要があります。
人間関係での配慮が受けられない
症状を隠して入社すれば、同僚や上司があなたの健康状態を知らないままとなります。
これは日々のコミュニケーションや仕事の進行において良い状況ではありません。
配慮やサポートが受けられない上に、うつ病が悪化する事態を引き起こす可能性が高まります。
例えば、仕事の進行が遅れたり、コミュニケーションの障壁が生じた場合、責められることもあるでしょう。
その背景を理解するのは難しく、人間関係に亀裂が入ることも考えられます。
ミスや遅刻などの理解がされにくい
うつ病の症状によってミスや遅刻を引き起こすこともあるでしょう。
その場合、体調を知らない同僚や上司からの理解を得るのは困難です。
これにより、あなたが負っている疲れやストレスが増大し、更なる症状の悪化を招く可能性も考えられます。
信頼関係の損失や職場の雰囲気の悪化といった問題が浮上することがあるでしょう。
うつ病の人が転職するときの注意点5選
うつ病を持ちながら転職を考える場合、注意しなければならないポイントが存在します。
症状を隠すことのリスクやその対策について、具体的な内容をまとめました。
- 一人だけで大きな決断はしない
- まずは症状を安定させる
- 精神障がい者保健福祉手帳の取得を考える
- 前向きな退職理由を用意する
- 休職中の転職はばれるとトラブルになりやすい
一人だけで大きな決断はしない
転職は人生の大きな節目と言える決断の一つです。
健康上の問題を背負いながらの転職は、家族や信頼できる友人、専門家との相談を積極的に行いましょう。
多角的な意見やアドバイスを取り入れることで、最適な選択ができます。
場合によっては「転職する必要がない」といったこともあるでしょう。
まずは症状を安定させる
転職を考える前に、まずは現在の症状を安定させることが必要です。
新しい環境でのスタートは、予想以上のストレスがかかります。
そのためには体調の基盤をしっかりと築くことが重要です。
適切な治療やカウンセリングを受け、日常生活の見直しをしましょう。
自身の体調としっかり向き合うことが、新たな職場での成功への第一歩となります。
精神障がい者保健福祉手帳の取得を考える
うつ病の人は、精神障がい者保健福祉手帳の取得が可能です。
手帳を持つことで、転職支援や幅広い福祉サービスの利用が有利になる場合があります。
キャリアチェンジを考える前に、まずはこの手帳の取得を検討しましょう。
自身の権利を守り、公的なサポートを受ける手立てを増やすことも一つの方法です。
会社へ行こうとすると吐き気・動悸がする…！考えられる原因と対処法
前向きな退職理由を用意する
転職の面接で、前職の退職理由を問われることは受けられません。
このとき、うつ病を隠す場合でも、納得のいく退職理由を明確にしておく必要があります。
スキルアップやキャリアチェンジ、職場環境の変化など、ポジティブなものを用意してください。
人間関係や業務内容に問題があった場合でも、マイナスな理由を話すことは避けましょう。
前向きな理由を用意しておくことで、スムーズなやり取りが実現できます。
休職中の転職がバレるとトラブルになりやすい
休職中の転職を考えている場合は、慎重に動きましょう。
転職活動がバレることで、休職している職場で大きなトラブルになる可能性が高いです。
転職できなかった場合も、仕事が続けにくくなることがあるでしょう。
信頼関係のマイナス面や、法的トラブルも前提に動かなければなりません。
適切なタイミングや方法を見計らって、休職中の転職を考えましょう。
うつ病の人は働く環境をチェックしよう
転職を考える上で、新しい職場の環境をしっかりとチェックすることはとても重要です。
特にうつ病を抱える人は、職場の雰囲気や業務内容をきちんと確認してください。
働き方によっては精神面を悪化させるリスクもあります。
以下のポイントをしっかりと確認し、自分にとって最も適した環境を見つけることをおすすめします。
ノルマやプレッシャーのある仕事ではないか
ノルマや強いプレッシャーが伴う仕事は、うつ病の症状を悪化させる原因となる可能性が高いです。
転職活動の際は、求人や面接での質問を通じて情報を多く集めましょう。
ノルマ設定がある仕事はそもそもおすすめできません。
業務内容や働く環境のプレッシャーを確認し、負担になるような職場は避けてください。
30代で仕事を辞めたい・飛びたいと思う人向け！原因と解消するための対処法を解説
一人で進められる業務が多いか
一人で進められる業務の方が、うつ病の影響を最小限に抑えられる可能性があります。
チームでの仕事に比べると、高いコミュニケーション能力も求められません。
独自のペースで業務を進められる環境を選びましょう。
働きやすい環境は、日常的なストレスの軽減につながります。
チームワークは重視されないか
チームワークを重視する職場では、より高いコミュニケーション能力が求められます。
うつ病の症状による、コミュニケーションのトラブルが浮き彫りになるリスクもあるでしょう。
そのため、自身の状態を考えて、働きやすい環境を選ぶことが大切です。
マニュアルが決まっているか
マニュアルがしっかりと整備されている職場は、働きやすいと言えるでしょう。
新しく入社した場合でも、やることが決まっていれば不安や迷いを軽減してくれます。
特にうつ病を持つ人は、業務の手順や対応が明確に示されていると、プレッシャーを感じにくくなります。
仕事のストレスや過度な負担が避けられるでしょう。
新しい職場を選ぶときには、教育体制やマニュアルの存在をしっかり確認しておくことがおすすめです。
次の仕事が決まってないけどやめるのはアリ？やめる前に注意すべきポイントとメリットを解説
残業や休日出勤がないか
うつ病を持つ人にとって、過度な労働時間や休息不足は体調を悪化させる要因となり得ます。
そのため、転職先を選ぶ際には、働く時間や休日をしっかりと確認してください 。
求人情報に詳しく記載されていない場合は、面接などでしっかり尋ねてみましょう。
働きやすく、過労のリスクを減らせる環境を選ぶことが重要です。
柔軟な働き方が可能か
テレワークやフレックス制度など、柔軟な働き方が導入されている職場は働きやすいですね。
うつ病を持つ人にとってもメリットが大きいです。
突然の体調不良や通院の必要にも対応しやすく、自己管理がしやすいでしょう。
長期的に安定して働くための環境が整っている可能性が高いです。
うつ病の人におすすめの転職先
うつ病を持つ人が転職をする時は、自分に合った仕事を見つけることが重要です。
どんな仕事が自分に合っているのか確認しましょう。
ここからは、ストレスを最小限に抑えられる職種をまとめました。
勤務しやすい業種を選ぶことで、長期的に安定して働くことが可能となるでしょう。
事務職
事務職は、ルーチンワークが多く、業務内容が比較的固定されている仕事です。
新しいことを覚えるプレッシャーも少ないでしょう。
働きやすい環境は、うつ病を持つ人にとってキャリアが積みやすい職場です。
ただし、事務職は求人倍率が高い仕事と考えましょう。
うつ病を隠さずに障がい者向けの雇用枠を狙うことも、転職成功のポイントです。
未経験でもできる仕事9選！知識はなくてもチャレンジできる職種とは
在宅ワークができる仕事
コロナ禍を経て、在宅ワークができる職場が増えてきました。
通勤のストレスやオフィスでの人間関係のトラブルを避けられることは、在宅ワークのメリットですね。
業務内容もうつ病を持つ人には向いている職種が多いです。
デザインやライティングなど、自宅で完結できる業務は特におすすめです。
データ入力
データ入力は、一人で黙々と業務を進めることが多い仕事です。
人間関係のトラブルや、無理なプレッシャーが少ない職種と言えるでしょう。
データ入力は企業で在宅ワークが導入されていることが多いため、働きやすさが期待できますね。
企業によっては、自宅での勤務も可能です。
商品管理
商品の管理や在庫管理など、裏方的な業務は、一人で集中して進められます。
人間関係のトラブルや、業務のプレッシャーを最小限に抑えることも可能でしょう。
特に、大手企業や専門の業者での商品管理は、システムが整っているのでおすすめです。
うつ病を持つ人も安心して働けるでしょう。
うつ病の転職を支援してもらえる機関を紹介
うつ病を持つとが転職を考える時に気になるのは、病状を新しい職場に伝えるべきかといった問題ではないでしょうか。
これについては、最終的には個人の判断に委ねられます。
最良の環境で働くことを求めるならば、専門的な支援が非常に役立つでしょう。
以下は、転職をサポートしてくれる機関の詳細と、それぞれの特徴について解説します。
仕事を休みたい！精神的に疲れて会社に行きたくないときの対処法を紹介
就労移行支援事業所
これは、障害を持つ方が社会に出るための一時的なトレーニングを提供する場所です。
専門家の指導のもと、社会生活能力を高める練習や、就業に向けたスキルの獲得を目指します。
具体的には、一般的な事務業務のトレーニングや、人間関係の構築方法、ストレス管理法などを学べるでしょう。
このようなサポートを受けることで、自信を持って新しい職場に挑戦できますね。
地域障がい者職業センター
各都道府県に存在するこのセンターは、障害を持つ人々の就職を支援するための情報提供やカウンセリングを行っています。
転職を希望する方に対して、適切な求人情報の紹介を行う機関です。
障害に配慮した職場環境の提案など、幅広いサポートが行われています。
面接対策や履歴書の書き方など、具体的なアドバイスも受けられることがメリットです。
ハローワーク
ハローワークは、一般的な求職者に向けたサービスだけではありません。
障がい者専用の窓口やプログラムも充実しています。
安心して働ける職場を見つけるためのサポートをしてもらえるでしょう。
障がい者の雇用促進を目指す企業との連携が進められていることがポイントです。
障がい者向け転職エージェント
障がい者専用の転職エージェントは、うつ病を含む障害を持つ方の転職をサポートしています。
専門のカウンセラーがマンツーマンでサポートを行ってくれることがポイントですね。
自分のスキルや経験を活かした転職先を提案してくれます。
転職活動における心の負担や不安を理解してくれるため、安心して相談できるサービスです。
うつ病で悩む人におすすめの転職エージェント
うつ病を隠さずに転職する方法として、障がい者向け転職エージェントがあります。
病状に悩んでいる人も、適切なサポートが受けられるでしょう。
転職成功のためには、プロの力を借りることも大切です。
障害者雇用バンク
障害者雇用バンクは、障がいがある人の就労をサポートするための情報提供サービスです。
就労支援施設の紹介に対応していることも、障害者雇用バンクの特徴ですね。
ハローワークの情報や人材紹介の求人情報など、障がい者に適した情報が多数掲載されています。
このサービスを利用することで、自分にピッタリの仕事を見つけることが可能でしょう。
転職活動に役立つ情報も豊富に提供されています。
ラルゴ高田馬場
ラルゴ高田馬場は、きめ細やかなサポートで評価の高い転職エージェントです。
選考の段階から実際に就労するまで、しっかりとしたサポート体制が整っています。
人材紹介というシステムで、障がいを持つ人の就職成功を真摯にサポートしてもらえるでしょう。
担当のエージェントに状況を伝えれば、自分に合った転職活動をサポートしてもらえます。
dodaチャレンジ
dodaチャレンジは、障がいを持つ人たちの転職を全面的にサポートするエージェントです。
経験豊富なカウンセラーがヒアリングを行い、ニーズや希望に合わせた転職先を提案してくれます。
信頼できるノウハウを活かした転職活動は、サービスの大きな魅力でしょう。
エージェントを利用することで、うつ病を持つ方もスムーズに転職活動を進められます。
自分の状況に合わせて、適切なサポートを受けることがおすすめです。
うつ病を転職で隠すリスクは大きい
転職時にうつ病を隠すことを選択する方も少なくありません。
しかし、うつ病を隠すことにはリスクが伴います。
メリット・デメリットを十分に理解し、自分にあった選択をすることが大切です。
隠すことで理解を得られず、職場環境に馴染みにくくなる可能性も覚悟する必要があります。
