介護職の平均年収は315万円!平均相場よりどれくらい低い?

介護の平均年収

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介護職という仕事は「ありがとう」と笑顔でお客様に言ってもらえるやりがいのある仕事です。

とても素敵な仕事ではあるのですが、

  • 他の仕事と比べて給料が安いのでは?
  • 介護職で生活していけるのかな…
  • 給料はどうやって上がるんだろう

と思う方も多いと思います。

そこでこの記事では介護職の平均年収や他業種との比較、収入の上げ方などについてまとめてみました。

介護職への転職を目指している方や、介護職で今後のキャリアアップを考えている方も参考にしてみてくださいね。

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介護職の平均年収はどれくらい?

疑問に思う看護師

介護職の平均年収・月収は実際どれくらいなのでしょう。

自分の給料と比べてみたい方もいるのではないでしょうか。

働き方や施設形態によっても給与形態はさまざま。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査を参考に統計とデータを徹底調査しました。

男性と女性で介護職の給料に違いがある

介護職の給料って男女によって違うのでしょうか?

まずはこの表を見てください。

男性の職種別給料

職種 平均年齢 勤続年数 年収
訪問介護員 37.5歳 4.3年 約315万円
福祉施設介護職員 37.3歳 5.9年 約340万円

女性の職種別給料

職種 平均年齢 勤続年数 年収
訪問介護員 47.6歳 7.2年 約301万円
福祉施設介護職員 41.0歳 6.1年 約303万円

男性と女性で、同じ職種で介護の仕事をしているのに給料は違ってきています。

特筆すべきは、女性の方が平均年齢も高く勤続年数も長いのに給料は低いというところ。

なぜなのでしょうか。

それはひとえに年齢や勤続年数にかかわらず「管理職」に就く割合が高いから。

確かに現場の職員だと男女の割合って半々か女性が少し多いくらいなのですが、施設長などのマネジメント職になると、一気に男性の割合が多くなるのは私も実感としてありますね。

ですが、介護という仕事は女性の気配りや細やかさがとても大事になってくる仕事です。

女性がキャリアアップを目指してリーダーとして活躍する人が増えてくれば、この業界はさらに活気づくはず。ぜひとも管理職を目指してほしいですね。

一番稼いでいる介護職の年代は?

介護職は様々な年代の人が働いている仕事です。

20代の新卒くんと一緒にベテランの60代の介護士さんが一緒に入浴介助をしているなんてザラにあります。

幅広い年齢の人たちとも知り合えるのが介護職のいいところです。

もちろん、中途入社もあるでしょうし一概には言えませんが、どの年代が一番稼いでいるかって興味ありますよね。
福祉施設で働く介護職員を例に表にしてまとめました。

福祉施設介護職員の年代別給料

年齢 平均年収(男女計)
10代 219万円
20代 298万円
30代 337万円
40代 341万円
50代 336万円
60代 258万円
70代 220万円

男女計の平均年収で最も年収が高い年齢は40代の341万円で、30代の337万円、50代の336万円が続く結果になりました。

10代から40代までは右肩上がりに収入が伸びていますね。

他の業界だと、役職者が多くなる50代が一番収入が高いので、介護業界は10年早く収入のアッパーがきています。

この原因は一目瞭然で雇用形態を変更するタイミングが介護業界では、50代以降に集中しているから。

介護職は体力的にハードなこともあり、50代以降から徐々に正職員から嘱託、パート職員への雇用形態を変えて働く方が多いということがデータから見て取れます。

介護従事者全体で理学療法士が一番給与が高い

厚生労働省が発表している資料によれば、令和2年時点で介護従事者の中で給与が高いのは、理学療法士や作業療法士です。

令和2年2月時点
介護職員 287,880円
看護職員 366,170円
生活相談員・支援相談員 316,570円
理学療法士・作業療法士 341,090円
介護支援専門員 339,410円
事務職員 307,600円
調理員 251,730円
管理栄養士・栄養士 310,670円

引用:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

難易度の高い資格を取得することで、給与を上げることが可能になりますので、介護職から給与をアップさせたいのであれば、難易度の高い資格取得も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

また常勤と非常勤でも給与に下記の通り、差がありますので稼ぎたいのであれば常勤を目指しましょう。

介護従事者の平均給与額

引用:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

平均相場と比べてどれくらい低い?

企画職の平均年収はどれぐらい?企画職として年収を高める方法とは?

介護職は他の業界の仕事の相場と比べると給料はどれくらいなのか気になりますよね。

介護職に転職を考えている人も、今自分が働いている業界と比較してみたくなるでしょう。

キツいと言われる介護業界。

せめて、給与水準が平均的なものであれば人が集まってくると思うのですが、現状そうなってはいません。

国税庁が発表している平成28年民間給与実態統計調査結果によると、全産業の平均の年収は約422万円。一方介護士の平均年収は約378万円。

全産業の平均を50万円近く下回っています。

このことがさらに人員が不足する原因となっています。

キツい上に給料が安いならなかなか人はこないですから。

ですが、同じ介護職であっても事業所の規模や職種などによって、給与水準などの待遇に差があることが最近見えてきました。

介護職と一口に言っても、働き方や場所によって収入アップを狙うのは可能なのです。

生涯年収でどれくらいの差が出る?

介護職の年収の平均は約378万円。

きつい仕事の割に、報酬が低い仕事であるということが浮き彫りになる数字です。

大学を卒業後就職して、38年間勤務したとすると生涯年収は1億4000万円。

ちなみに全産業の平均である422万円で算出すると、生涯年収は1億6000万円なので、2,000万円ほどの差がでます。

介護職でも高収入になれる?収入アップのための転職の秘訣

なぜ介護職は給料が安いのか

なぜ、他の職種に比べて介護士の給料水準は高くないのでしょう?

その理由は、介護業界ならではの給料の仕組みにあるんです。

介護職の賃金は国から支給される介護報酬でまかなわれていますが、この介護報酬は上限が決まっているんです。

介護報酬の上限が決まっているから

介護施設の収入源の多くは国からの介護報酬でまかなっています。

その介護報酬は利用者のサービス内容ごとに設定されており、更にそのうちの何割を人件費に充てるかということまで細かく定められてるんです。

なので、介護施設は一般企業のように、

「今年は売上が良かったからボーナスアップ」
「たくさん仕事を増やして売上を上げる」

といったような営利的な自由な運用ができないんです。

これがキャリアを積んでも昇給が低い大きな理由です。

介護職って底辺なの?介護職の実態と自信の持てる働き方

国民の平均年収ではなく中央値とも比較しよう

年収を比較しようとすると、中央値と比較したくなってしまいがちです。

しかし国民の平均年収ではなく、中央値と自分の年収を比較することをおすすめします。

平均年収は高所得世帯も加味したうえで計算されていますから、高くなってしまうことがほとんどです。

中央値の場合、全体の中でちょうど真ん中に位置する金額ですから、体感にも近い金額です。

年収の中央値に関しては下記の記事で紹介していますので、是非参考にしてみてください。

【2021年最新版】日本の年収の中央値は437万円!中央値と平均は何が違う?

介護職で全産業の平均を超えるくらい稼ぐには

30代女性の平均年収ってどれぐらい?年収を高める方法ご紹介

それでは、介護職で全産業の平均年収を超えるくらい稼いでいくことは、可能なのでしょうか。

介護職として現場の介護職員ではなく相談員やケアマネジャーへの職務に、キャリアアップしていくことで収入アップを目指していくことができます。

介護職は転職で年収を上げていく

介護職は業界ならでは給料が支払われる仕組みがあり、同じところに勤めていても、昇給があまり見込めません。

ということは、一つの施設にいて勤続年数を重ねて、年収アップをしていくやり方は効率が悪いと言えます。

資格を取得しつつ、福祉上級職と言われるケアマネジャーや、生活相談員・支援相談員への転職を目指してキャリアアップしていきましょう。

手当がもらえる事業所で働く

福利厚生のしっかりしている事業所で有れば、持っている資格や勤務する時間に応じて、手当がもらえることもあります。

今の職場の手当てと他の事業所の手当てを比較してみて、満足できる金額がもらえるかをチェックしてみてください。

本来労働力にプラスして何かしらの能力を持っているのであれば、給与にも反映されるべきです。

もし転職するまでもないなと思った場合には、事業所側に相談して給与を上げてもらえないか交渉をしてみましょう。

相談員やケアマネジャーへキャリアアップしよう

それでは相談員やケアマネジャーとはどのような仕事でしょうか。

ケアマネジャーの仕事

ケアマネジャーの主な仕事は介護を必要としている高齢者に対して、どんな介護サービスを受けるかという計画書(ケアプラン)を作成することです。

在宅サービスのケアマネであれば、訪問介護やデイサービスなどの利用を見極めて、週に何回利用するとか、何時に利用するとかなどを決定していきます。

ケアマネジャーの受験資格は少しハードルが高いです。

受験資格を満たす方法はいろいろ細かくあるのですが、基本的には介護福祉士の資格を保有していて5年の実務経験があると、受験資格を得られます。

生活相談員の仕事

生活相談員の主な仕事は、施設の窓口として、

  • 利用者の入所・退所の手続き
  • 利用者・利用者の家族からの相談・支援業務
  • 関連機関との調整

などがあります。

おもに

  • 特別養護老人ホーム
  • デイサービス
  • ショートステイ

で働くケースが多く、利用者と介護スタッフやケアマネ、主治医との折衝がメインです。

生活相談員というのは、資格ではなく職務になります。

生活相談員として認められるには、

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 社会福祉主事任用資格

の3つのうちのどれかを持っていなければならないと、社会福祉法によって定められています。

ですが、自治体によっては介護福祉士の資格のみで、生活相談員の要件をみたしているところもあるので、働く自治体に確認してみるのがいいでしょう。

ケアマネや相談員は専門性が高く付加価値がつく

どちらの職種も、介護サービスを受けたいと考えている高齢者や家族の相談役となり、その人らしい生活を送るためにサポートする仕事です。

むしろ利用者本人というよりは、利用者の家族や自治体、医療機関との連携をしていく仕事が多くなるので、対人折衝能力や介護保険の知識、スケジュール管理など現場とは少し違ったスキルが必要となってきます。

その分、付加価値がついて希少性の高い人材になり収入アップが可能なので、介護職を極めていきたいなら、ぜひ目指してほしい職種です。

ケアマネージャーへ転職するには?おすすめ転職サイト・転職エージェント

現場を続けたいなら派遣社員へ転職しよう

ケアマネジャーや生活相談員の仕事にあまり興味がわかず、現場の介護職員として、収入アップを目指していきたいという人は、派遣社員という働き方がおすすめです。

現場の介護主任や介護リーダーは枠が決まっている

正社員として現場で収入を上げていこうとすると、

  • 勤続年数で昇給していく
  • 介護主任や介護リーダーになり役職手当を得る

この2つのパターンが考えられます。

勤続年数での昇給というのは、介護業界の構造上の問題でなかなか難しいというのは前述したとおり。

もう1つの介護主任や介護リーダーへの昇格ですが、こちらもなれればそれに越したことはないですが、どうしても年功序列で決まってしまうことが多くなるのに時間がかかってしまいます。

派遣の介護職は単価が高い

介護職の派遣社員は、昨今の人手不足もあいまってか、とても単価が高く、日勤だと時給が1,600円以上、夜勤だと1回30,000円以上のところもザラにあり稼ぐことができます。

契約を終了しても、また別の施設から声がかかり引く手あまたの状態なので、仕事がないということはありえません。

現場の介護職として、もっとも効率よく収入アップできる働き方と言えるでしょう。

注意!未経験から介護職に転職すると収入ダウンすることもある

介護職間で転職するのではなく、完全に未経験の状態から転職することになると、収入がダウンすることもあります。

未経験から介護職に転職する際には、初任者研修を受けるなど働きながら資格を取得できることも多いです。

しかし資格を持っていない以上、任せられる業務にも制限があります。

そのため普通の介護職の人よりも、低い収入からスタートすることになります。

未経験から転職して採用してもらえるのはありがたいことですが、皆さんの現在の職種によっては、一時的に収入が低くなってしまうこともありますので注意が必要です。

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まとめ

いかがでしたか。

介護職の年収の実態について少しでも理解できたなら幸いです。

まとめていきますね。

  • 介護職の平均年収は他業種より50万弱低い
  • 介護職の給料は介護報酬でまかなっているのでなかなか上がらない
  • ケアマネジャーや生活相談員へキャリアアップするのが収入アップへの道
  • 現場を続けたいなら派遣社員が高収入

介護職の平均年収は確かに他業種に比べて低いのは本当です。

ですが他職種へのキャリアアップや雇用形態の見直しなどで、十分に収入を上げていくことができますので、相場が低いからと言ってあきらめるのではなく、収入アップを目指していきましょう。

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