20代女性は転職するチャンスが多く、成功する確率も高い傾向です。
『人手不足』と言われて久しい日本。少子化に伴う労働人口の減少などもあり、人手が足りない状態はまだまだ続きそうです。
…となれば、転職市場において転職者にとっては売り手の状態。
有効求人倍率は1.6倍以上(2019年6月現在)を維持しており、企業が人を欲している状態が続いています。
そんな中でも特に売り手の状態が続いているのが、『20代の女性』です。
転職市場において、20代の若手は最も採用難易度が高いと言われています。
それはどの企業も将来にわたって長く働いてくれる若手を求めているから。20代であればまだ凝り固まった考え方もなく、教育の仕方によっては自社の中核社員に育てやすいといえます。
そして女性は転職市場において、コミュニケーション能力が高く、真面目に仕事に取り組むという評価をされています。
ゆえに企業からの人気が高く、売り手が続いているというワケです。
そこで今回は、世の中の20代女性たちは転職活動をする際にどんなことを重視しているのか、転職活動においてどんな対策をしておくべきか、そして20代女性にオススメな転職エージェントなども紹介していきます。
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目次
20代女性は空前の売り手市場が続いている
少し言い方に語弊があるかもしれませんが、20代の若手女性は転職市場において売り手の状態が続いています。
男女を単純比較するのが良い事とは思いませんが、採用担当や経営者たちは『女性』へのイメージを持っており、それが転職市場にも反映されています。
「男性より女性のほうが、ガッツがあって長続きする」
「女性は、サボらずきちんと仕事に取り組む方が多い」
「コミュニケーション力が高く、顧客からの評価が高いのは女性」
もちろんこれら全てが正しいわけではありませんし、女性全員に当てはまるものでもありません。
しかしこうしたイメージが女性の市場価値を高めているともいえます。
20代前半の女性は企業からの需要が高い
20代前半の女性の場合、大卒でも社会人2年目のため、若手層の需要があります。
ポテンシャルの高さに注目している企業も多く、実績がなくても成長性が期待されるでしょう。
企業が「教育できる」と判断できる人材であれば、転職のハードルが低い可能性があります。
20代後半の女性は即戦力と判断されやすい
20代後半の女性は、社会人としてキャリアを積んできたことが期待できます。
ビジネスマナーがそろっているうえに、スキルもある程度持っている20代後半の人材も多いでしょう。
即戦力として活躍できると評価されれば、転職は思っているよりも難しくありません。
ポテンシャルを証明できる人材は、実務未経験の分野やほかの業種への転職も可能です。
女性は30代を過ぎると転職しづらくなる?
企業は、若手の女性を求めています。これも悩ましい話ではありますが、30代前後になってくると結婚や出産などを機に退職や産休に入ることも多く、企業としては避けたいというのが本音のようです。
女性の中でも、より長く会社に貢献してくれる20代の方を採用したい。
それが企業側の意図するところであり、結果として20代女性が転職市場において売り手である理由です。
もちろん結婚や出産だけが理由ではありません。男性も30代を過ぎると転職はしづらくなるので、性差はないともいえるでしょう。
しかし男性以上に様々な要因を検討されるのは、現代の日本の転職市場においては避けられません。
後悔しない転職には優先順位をつけておくことが大切
何かを叶えるために、また不満を解消するために転職をしても、後悔することはあります。
思っていた仕事・待遇と違ったり、新しい人間関係に悩んだり、覚えることが多くて落ち込んでしまったり…。
理想が高ければ高いほど、ギャップを感じたときの後悔は大きくなります。
そうならないためにも、転職する際には『優先順位』を付けておくことが大切です。
転職によって何を実現したいのかをハッキリさせておけば、それ以外のことにギャップを感じてもある程度は許容することができるでしょう。
では20代の女性たちは、何を最重要視して転職先を選んでいるのでしょうか?
20代女性が転職先に求める条件TOP3
【1位】プライベートを大切にできる
どんな仕事をするにしても、プライベートと両立できるかは大切です。
日々残業に追われ、休日も仕事をして、友人や家族との時間も取れない…。そんな生活では、充実した人生とはいえません。
過度な残業がなく、有給を含め休みもきちんと取れる。そんなプライベートを大切にできる仕事を、誰しも求めているのでしょう。
【2位】職場の人間関係がいい
退職理由で最も多いのは、人間関係への不満・悩みだと言われています。
どんな方でも、多かれ少なかれ人間関係への悩みはあるでしょう。
それが大きくなり、積もり積もっていくと退職へとつながってしまいます。
働くなら人間関係への不安が極力少ない職場がいいと思うのは、当たり前のことです。
【3位】仕事を通じて成長できる
仕事は、あなたの人生の多くの時間を占めるもの。
嫌々取り組むより、仕事を通じて人間として、ビジネスパーソンとして成長できたほうがいいですよね。
仕事における成長は、給与や役職などにも直結します。
豊かな人生を送るためにも、成長できる仕事を選びたいという女性はやはり多いようです。
女性が働きやすい会社ってどんな環境?
『働きやすい』という言葉の捉え方は人それぞれ。ですが共通して言えるのは、「働く上での不安が少ない」ということだと思います。
勤務時間や休日数、長期休暇の取得のしやすさ、スキル・キャリアアップ、人間関係など。不安が無ければ、安心して長く働くことができます。
つまりそれが『働きやすい』ということにもつながるのではないでしょうか。
働きやすい会社は、まず間違いなく離職率が低いです。面接などの場で、ぜひ離職率について聞いてみましょう。
20代前半女性の転職対策
では20代前半の女性は、転職活動において何に気を付けるべきなのでしょうか?
企業が求めるのは実績よりもポテンシャル
企業は、男女問わず20代前半の若手・第二新卒層に対しては、経験やスキルをほとんど求めていません。
経験やスキルが欲しいなら、自ずと30代、40代のベテラン層を採用します。
若手を採用するからには、企業が期待しているのは『ポテンシャル』です。
自社で勉強し、経験を積むことで、会社の中核となる人材に育ってほしい。そんな期待を込めて、企業は20代を採用しています。
未経験でも20代前半は採用されやすい
企業にとって、将来を担う人材になる可能性を秘めた若手は貴重な存在です。
特に20代前半の社員ならなおさら。そして転職市場には男性よりも女性のほうが少ないため、20代前半の女性は、非常に希少な人材です。
経験がなくとも、スキルに不安があっても、採用される可能性が高いといえるでしょう。
経験者募集の求人であっても前向きに検討してくれる可能性が高いため、興味がある求人なら積極的に応募し、意欲を伝えてみましょう。
20代前半女性が面接で聞かれやすい質問とは?
残念ながら、日本はまだまだ男性と女性の間に格差があります。
特に転職市場においては、女性は男性にはない苦労を強いられることもあるでしょう。
面接の場でも同じです。男性には聞かないような質問も、女性にはされるというケースも多々あります。
理不尽さを感じることもあるかもしれませんが、時には割り切って受け答えをすることも大切です。
では、面接で20代前半の女性が聞かれやすい質問とはどんなものがあるのでしょうか?
結婚や出産の意思を確認する質問
結婚後の退職、育児休暇の取得、子育て中の時短勤務。
こうしたライフイベントに伴う働き方の変化は、男性よりも女性に多い傾向にあります。
育休の取得や時短勤務などは男性の取得も増えてきましたが、まだまだごくわずか。やはり女性の負担が大きいというのは実情です。
ライフイベントによって女性社員が離脱してしまうことを、リスクと考える企業も少なくありません。
結果として面接で、「結婚の予定はありますか?」「出産は考えていますか?」「出産後も仕事を続けますか?」といった質問をされることにもつながっています。
一歩間違えればセクハラ・パワハラとも取られかねない質問ですが、内定をもらうために答えなければならない場面もあるでしょう。
そんなときは、本心かどうかは置いておいて、『結婚・出産もしたいが、ビジネスパーソンとしてキャリアを積み、会社にも貢献したい』という姿勢を伝えるようにしましょう。
退職理由についての質問
20代前半で転職活動をしているということは、何らかの理由で一度会社を退職している、または退職しようとしているということ。
採用した社員には長く働いてもらいたいのが、企業の本音。
そのため、なぜ前職を退職したのかという旨の質問をされるでしょう。
退職理由は人それぞれと思いますが、伝えるのであればネガティブに聞こえないように工夫する必要があります。
例えば「給料が上がらないのがイヤだった」という退職理由は「成果を報酬や役職できちんと評価してもらえる会社で働きたい」とポジティブに言い換えることで、面接官の印象も変わるでしょう。
20代前半の女性は企業に馴染む柔軟性が必須
ビジネスにおける柔軟性とは場面に応じたベストな対応を取れることです。
環境の変化によって固定概念を変えたり、働き方の多様性を認めたり、仕事をスムーズに進める柔軟性が求められるでしょう。
職場に馴染むためには、状況に合わせて多角的な視点を持つことが重要です。
転職後の変化を受け入れる体制を強めることや、職場の人と連携するためのコミュニケーション能力も鍛えましょう。
20代前半の女性は転職活動を早めに行う
転職活動は年齢が若いほど、有利な傾向です。
できるだけ早く行動を起こせば、転職に成功する確率は高いでしょう。
決まった職種で経験を長く積むと評価される企業もありますが、若年層はポテンシャルが肝心です。
しかし、現状に不満があるからという意識だけで転職を決めることは避けてください。
転職するか迷った人は、キャリア設計のプロであるエージェントへの相談をおすすめします。
20代後半女性の転職対策
続いては20代後半女性についてです。
20代前半の女性はポテンシャルを重視されますが、20代後半になると加えてスキルや実績も求められるようになります。
当然ながら転職活動に関する対策も変わってきます。
20代後半からスキルと実績も求められる
20代前半まではポテンシャルだけを見て採用されることが多いですが、20代後半になると、ある程度の社会人生活の中で培ったスキルや実績を見られるようになります。
20代後半ということは、少なくとも3年以上、長い方で7年近く社会人としての経験を積んでいるはずです。
それほどに仕事をしていながら、活かせるスキルや誇れる実績が無い方を、企業としては採用したがりません。
志望動機と自己PRでうまく自分を売り込もう
ではどのようにスキルや実績を伝えるべきでしょうか。
採用担当者は書類選考の段階である程度の人数に絞っていくため、まずは履歴書の志望動機や自己PR欄で自分を売り込みましょう。
前職で何を学び、どんなスキルを身に付けたのか、そしてそれを次の会社でどう活かせるのかを『具体的に』書くことが大切です。
また、これまでの実績についても数値を用いて記載するよう心がけてください。
もし履歴書に書ききれない場合は、職務経歴書に詳細をまとめて記載しても構いません。
20代後半の女性は実績に数字を使う
転職先への志望動機は、内定に直結する材料です。
20代後半の場合はポテンシャルだけでなく、実績や経験も重視される傾向があります。
志望動機を作る際は、以下のポイントに注意してください。
- 具体的なエピソードを紹介する
- 目標や達成したことを数字を交えて伝える
20代後半の女性は、吸収力や粘り強さなどもアピールするとベストです。
明るい印象になるように、ポジティブな言葉ややわらかい態度でのぞみましょう。
転職を成功に導く志望動機の書き方!面接のプロがポイントを解説!
20代後半女性が面接で聞かれやすい質問とは?
20代後半の女性も、20代前半の女性同様に、女性特有の質問を受けることもあります。
やはりこちらも割り切って受け答えをするようにしましょう。
結婚や出産の意思を確認する質問
これは20代前半の女性同様に聞かれやすい質問です。
特に20代後半の女性のほうが、結婚や出産が近くなりやすいため、聞かれる可能性は高いでしょう。
やはり本心かどうかはさておき、ライフイベントに関わらずキャリアを積んでいきたいことや、会社に貢献していきたいという意欲などを伝えるようにしましょう。
前職で学んだことや実績に関する質問
ある程度の社会人経験の中で何を学び、どんなスキルを身に付けてきたのかを質問されます。
20代後半ともなれば、何も活かせるものが無い方を採用するのはリスクも高くなります。
面接前には、スキルや経験について語れるように準備しておきましょう。
また実績についても質問されます。仕事を通じてどんな成果を残したのか、その成果を残すためにどんな努力をしてきたのか。
こうした質問から、自社で活躍できる社員かどうかを見られます。
前職での実績を、達成率や取り組み内容など細かに言語化しておきましょう。
20代後半の女性は面接で好印象を与える工夫が必要
自分を印象良くアピールするためには、事前の対策が必要です。
面接の前に伝えたい内容を洗い出し、採用担当者がイメージしやすいように一連の話にしてください。
面接官が聞きたいことを正確に把握するため、相手が何を求めているか読み解く力をきたえましょう。
好印象を持たれるためには、ハキハキとした話し方と適度な笑顔が重要です。
面接前に、鏡を使って話すときの表情や笑顔の練習をおすすめします。
20代女性で契約社員で妥協するって正直どうなの?
正社員ではなく、契約社員という働き方を選ぶ方もいます。
正社員と契約社員の違いはいくつかありますが、大きくは無期雇用か有期雇用かの違いです。
正社員は期間の定めなく長く働くことを前提としていて、契約社員は数年間という決められた期間の勤務を前提とした雇用形態です。
契約社員は正社員と比べると高い経験やスキルが求められますが、その分給与も高い傾向にあります。
また、残業時間や休日数なども正社員と比べるとゆとりがある会社が多いようです。
とはいえ有期契約なので、長期にわたってスキルを磨き、キャリアを形成していくような働き方はできません。
契約社員という働き方を『妥協』と捉えるかどうかは人それぞれ。
しかし20代ということは、これから先30年はビジネスパーソンとしてキャリアを歩んでいくということ。
スキルを磨きづらく、キャリア形成もしにくい契約社員を選ぶよりも、正社員を選んだほうがメリットは大きいでしょう。
産休・育休は正社員の方が取りやすい
派遣社員や契約社員は、育休を取れない可能性が高いです。
育休を許可しても企業にはメリットがないので、派遣社員の場合は契約を切られる可能性があるでしょう。
産休は労働基準法で決まっていますが、派遣社員の場合はやや取りにくい傾向です。
そもそも出産を控えた時点で、派遣切りに遭う可能性は否めません。
出産が決まってから正社員になることも難しく、転職にも不利になってしまいます。
正社員の場合は無期雇用で働き続けることが見込まれ、多くの企業では1年働けば育休や産休が取れます。
派遣社員は年齢を重ねるとデメリットが増える
20代の女性が派遣社員として働いても、デメリットを感じにくいのではないでしょうか。
給料が多くもらえることもあり、プライベートを充実させる働き方に魅力を感じている人もいるでしょう。
しかし、年齢を増すと、派遣会社から紹介される仕事が少なくなる傾向にあります。
昇給せず高い賞与ももらえないうえ、いつ契約を切られるかわからない不安を感じたまま、仕事を続けることはおすすめしません。
派遣社員のデメリットを感じる時期には、正社員への転職は難しい年代になっている可能性もあります。
【派遣社員のデメリットと実態】登録する前に知っておきたい派遣の知識
今後のライフプランに合わせて転職先を探そう
転職活動に当たって、ほとんどの方は自分のキャリアプランについて考えると思います。
しかしその反面、ライフプランについてきちんと考えて転職活動をしている方は少なかったりします。
結婚、出産、子育て、家庭と仕事との両立、マイホームの購入…。
これから先の人生を歩んでいく中で、仕事だけでなく様々なライフイベントと向き合っていくことになります。
男女問わず、仕事のことだけを考えて転職活動をするのではなく、ライフプランを踏まえた仕事選びが大切です。
とはいえ、「まだまだライフプランのことなんて考えられない…」という方もいるはずです。
そんなときは、女性の転職活動に関して詳しい方に相談をしながら仕事を探していくのがオススメです。
20代女性の転職には転職エージェントがおすすめ
転職活動を相談する相手として、転職エージェントのキャリアコンサルタントを有効活用してみましょう。
転職エージェントとは、転職者と企業との間に立って、仕事探しや選考活動のサポートをしてくれるサービスです。
登録すると選任のキャリアコンサルタントが担当に付いてくれて、転職活動におけるあらゆることをフォローしてくれます。
キャリアコンサルタントは、転職活動のプロです。
キャリアのことやライフプランのことなども相談できるため、孤独になりがちな転職活動において心強いパートナーです。
世の中には転職エージェントが数えきれないほどたくさんあるのですが、今回は20代の女性の方にオススメな転職エージェントを2つご紹介します。
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マイナビエージェント
人材業界大手のマイナビが運営する転職エージェントです。
男女問わず利用できるサービスですが、サイト内に女性向けの『女性の転職コラム』や女性コンサルタントの紹介ページなどもあり、女性が使いやすい設計になっています。
マイナビエージェントをオススメするもう一つの理由として、20代の若手向けサービスであることが挙げられます。
一般的な転職エージェントは経験者やハイクラスの求人が中心ですが、マイナビエージェントは20~30代の経験が浅い若手をメインターゲットにしたサービスです。
転職活動初心者でも利用できるように、転職活動をイチから手厚くフォローしてくれるのが特徴です。
20代女性の転職はポテンシャルをアピールしよう
20代女性が転職を考える原因には、職場の人間関係や働き方に対する不満などがあります。
転職成功のためには自分のポテンシャルを最大限にアピールしてください。
転職の軸を決めずに活動してしまうと、成功した場合でも早期退職につながるおそれがあるので注意しましょう。