シンガポールは世界各地の富裕層が集まる国として有名です。
1人あたりのGDPは世界トップクラスということもあり、「シンガポールの平均年収はいくら?」と気になっている方は多いのではないでしょうか?
この記事ではシンガポールの平均年収について解説します。
世界各地の富裕層が集まる理由やシンガポールに転職する方法もご紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
シンガポールの平均年収
シンガポールの平均年収は360万円~380万円と言われています。
1人あたりのGDPは日本よりも高い数値を誇るのですが、平均年収は日本よりも少ないです。
その理由はシンガポールが抱える経済格差が問題になっています。
シンガポールでは大きく「富裕層」「中間層」「貧困層」に分けられます。
シンガポールは富裕層の年収によって平均が引き上げられています。
平均年収が日本よりも少ない理由は人口の20%を占めている貧困層の存在です。
貧困層の年収は100万円にも満たないことが多く、家を借りることができないホームレスも多いです。
そのため世界各地の富裕層が集まっているにも関わらず、平均年収は日本より少なくなります。
シンガポールで働く日本人の平均年収
日本人がシンガポールで働くためには「就労ビザ」を取得しなくてはいけません。
シンガポールで働くための就労ビザは「エンプロイメントパス」「エスパス」「ディペンデントパス」の3種類が存在します。
人によって取得できるビザは異なるのですが、どのビザにも「最低支給月給」が決められています。就労ビザごとの最低支給月給は下記の通りです。
エンプロイメントパス | 30万円~31万円 |
---|---|
エスパス | 19万円~20万円 |
ディペンデントパス | 47万円~48万円 |
シンガポールの平均年収は360万円~380万円とお伝えしましたが、取得する就労ビザによっては平均年収を大きく上回る給与が保証されます。
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シンガポールと日本の物価の違い
シンガポールは日本よりも少し物価が高いです。
ただし交通費や食費は日本の方が高いです。
タクシーの初乗りは約240円・600mmの水は約40円と、日本よりも圧倒的に安いと思います。
シンガポールで日本よりも物価が高いのが、家賃と嗜好品(アルコール・タバコなど)です。
シンガポールで1人暮らしをしようとすると家賃は最低でも15万円以上は必要となり、地域によっては20万円~30万円は必要です。
そのためシンガポールではシェアハウスや共同生活が多いです。
そしてレストランやバーではビール1杯が約1,300円で売られていて、タバコ1箱が約1,200円~1,400円で売られています。
シンガポールに住む日本人が困るのが、家賃と嗜好品にかかる費用です。
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シンガポールに富裕層が集まる理由
何度もお伝えしていますが、シンガポールには富裕層が多く集まっています。
その理由は大きく「支払う税金が少ない」「富裕層が居住している」の2つが挙げられます。
シンガポールに富裕層が集まる理由についてさらに詳しくご紹介します。
支払う税金が少ない
シンガポールは日本よりも支払う税金が圧倒的に少ないです。
年収にかかる税金は所得税だけで、日本のように県民税や地方税などは存在しません。
またキャピタルゲイン税や相続税もないため、年収にかかる税金は「最高22%」です。
日本では所得税だけで「最高45%」になり、住民税などを加えると支払う税金は増える一方です。
日本以外の国と比較してもシンガポールは税金の少ない国になるため、富裕層は税金対策として居住します。
そしてシンガポールの住んでいても、年金など国外で発生した所得には税金がかかりません。
これほど税金が少ない国はそう多くありません。
多くの富裕層が居住している
シンガポールでは各国の富裕層が集まってコミュニティを作っています。
富裕層同士でビジネスを始めたりプライベートを満喫したり、そのコミュニティに参加することを目的にシンガポールに居住する富裕層が多いです。
現在は人口の20%が富裕層になっていますが、税金対策やコミュニティに参加することを考えると割合は今後も増えることが推測できます。
シンガポールのGDPが成長し続けている理由
シンガポールの平均年収は日本よりも少なかったですが、1人あたりのGDPは世界でもトップクラスの数値を誇ります。
その理由はシンガポールの経済が成長し続けているからです。
シンガポールのGDPが成長し続けている理由をご紹介します。
外資誘致
1つ目の理由が「外資誘致」です。
シンガポールは1965年にマレーシアから分離してできた国です。
独立当初は外資企業を排除することで国内企業の育成を図ったのですが、国内マーケットの小ささが原因で経済規模の成長はストップしました。
そこでとった方針が、「外資誘致」です。
シンガポール西部の島を埋め立て工業地帯を整備して、外資企業への優遇処置をとりました。
その結果、シンガポールの産業規模が大きくなり、経済的にも著しく成長しました。
実際に1980年~2010年の間で平均GDP成長率は7%以上となり、現在のシンガポールが形成されました。
GLCの存在
2つ目の理由が「GLCの存在」です。
GLCとは「Government linked company」の略で、日本で例えると国策会社のようなものです。
シンガポールでは「テマセクホールディングス」という政府の株式保有率100%の持株会社が管理していて、政府の方針に沿って策定していきます。
GLCの幹部には幼き頃からエリート教育を受けている人材のみが就任して、どんどん業績を上げていきました。
その結果、シンガポールのGDPは成長し続けました。
シンガポールに転職する方法
日本よりも平均年収は少なかったですが、年収にかかる税金が少ないうえに多くの富裕層が集まることから、「シンガポールで仕事をしてみたい」と感じられた方は多いと思います。
そこで日本の企業からシンガポールの企業に転職する方法をご紹介します。
簡単なことではありませんので、下記の方法を参考にしてみてください。
英語スキルを身に付ける
シンガポールの企業へ転職するためには、英語スキルを身に付ける必要があります。
「シンガポールで英語?」と思われたかもしれませんが、公用語はマレー語ではなく英語です。
そのため英語スキルを身に付けていると、ビジネスの場でも困ることはありません。
英語を話せなくても転職することは可能なのですが、選択肢はグンと狭まってしまいます。
ビジネスの場で困らない程度の英語スキルで良いので、身に付けるようにしてください。
転職したい職種を日本で経験しておく
シンガポールで働きたい職種がある場合は、先に日本で経験しておくことが大切です。
日本の中途採用同様に、未経験者は採用されにくいです。そのため日本で経験している実績があると、シンガポール企業への転職成功率が高まります。
もし「希望する職種がない」という方は、経験したことがある職種への転職を希望することをおすすめします。
1年間でも実績を積んでいると、成功率は上がります。
転職エージェントを活用する
日本企業からシンガポールに転職するためには、求人を探す必要があります。
転職サイトや知人を介して求人を探しても良いのですが、最も効率的な方法は「転職エージェント」を活用することです。
転職エージェントとは無料で求人を紹介してくれるサービスです。
その他にも面接対策・書類添削・条件交渉など転職に関することは幅広くサポートしてくれるため、転職エージェントを活用することで成功率を高められます。
しかし、シンガポールの求人を取り扱っている転職エージェントは限られています。
そこでシンガポールへの転職におすすめの転職エージェントを2社ご紹介します。
JACリクルートメント
JACリクルートメントはアジアで最大級のネットワークを持つ転職エージェントです。
1987年にシンガポールに進出していて、シンガポールの日系人材紹介会社の中では最も歴史があります。
そんなJACリクルートメントは海外への転職にとにかく強いです。
日本でもサービスを展開しているのですが、海外への転職サポートに定評があります。
日本にある支店からシンガポールの求人を紹介してくれるため、利便性にも長けています。
doda
dodaは業界最大級の転職支援サイトで、転職サイトと転職エージェントのサービスが1つになっています。
両方のサービスが受けられることもあり、登録者数が550万人を超えています。
そんなdodaは海外の転職に特化していません。
日本での人材紹介を中心にサービスを展開しているのですが、業界最大級の転職支援サイトになるためシンガポールの求人を約50件~70件ほど取り扱っています。
「少ない…」と思われるかもしれませんが、100件以上の求人を取り扱っている転職エージェントはそう多くありません。
ABROADERS CAREER
ABROADERS CAREERは、東南アジアへの転職に強い転職エージェントです。
シンガポールの求人も取り扱っており、エンジニアやサービス業などをメインで求人を紹介しています。
就労ビザの取得などもサポートしてくれるので、初めての海外就職にもおすすめの転職サービスです。
シンガポールは税金がかからないため富裕層になりやすい
この記事ではシンガポールの平均年収をお伝えしましたが、日本よりも少ないです。
平均年収は360万円~380万円で物価は日本よりも少し高いため、「シンガポールで働くメリットはない」と思われるかもしれませんが、シンガポールは年収にかかる税金が少ないです。
そのこともありシンガポールには世界各国の富裕層が居住しています。
「日本の企業には興味がない」「富裕層と知り合いたい」「税金を少なくしたい」という方は、シンガポールへ転職してみてはいかがでしょうか。