適応障害だと診断された人、もしくは適応障害かもしれないと思っている人は、現在の職場環境を変えたいと思っているのではないでしょうか？
ストレスの要因が職場にあると感じる場合、「環境を変えると改善する」と考えるのは間違いではありません。
転職によって状態が改善する余地は十分にあります。
しかし「適応障害でも転職は成功するの？」「面接では精神疾患があることを話した方がいい？」など不安もあるはず。
また環境を変えれば必ず治るというワケではないため、転職は慎重に行わなくてはなりません。
この記事では、適応障害であっても転職を成功させるポイントを説明していきたいと思います。
あなたが悩みを抱え込むタイプの性格なら、第三者に協力してもらいながら転職活動を進めていくことも、視野に入れてご覧下さい。
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目次
適応障害になるとどうなるの？
適応障害になると、精神面だけでなく、その症状が行動や身体にも表れる場合があります。
疑わしいけれど、まだ医師の診断を受けていないという人は、いくつか該当するものがあれば専門医に診てもらうことをお勧めします。
精神的に不安定になる
ストレスの原因が職場にある場合、会社に着くと動悸がしたり、仕事中にとつぜん不安になったりすることがあります。
また集中力や注意力がなくなり、気になることがあると他の業務が手につかないという状況に陥るケースもあり、症状は人によって異なります。
記憶力が曖昧になることも多く、仕事への自信がなくなってくるのも症状のひとつです。
生活習慣が悪化する
適応障害と、うつ病や不安障害といった精神疾患を持つ人との違う点が、「ストレスの要因が周囲にないときは症状が暖和される」というところです。
そのため、自宅に戻ると元気になって、趣味に没頭するということもあります。
「深夜まで頭が冴えている」「家での時間が幸せすぎて眠りたくない」という風に、夜眠れず生活習慣が乱れてくる点に注意しなくてはなりません。
また飲酒や喫煙の量が増える人も多いようです。そして生活習慣の乱れは、健康状態に直結します。
健康状態が悪化する
適応障害によくある症状として、動悸や冷や汗、疲労の蓄積などが生じやすくなります。
また吐き気を催したり、手先や唇が震えたりして、ひどくなると過呼吸を起こすケースも。
そうなると仕事を続けていくことが難しくなり、休職や退職を選択せざるを得ない状況に陥ってしまいます。
適応障害になったらまずは休職することを検討しよう
適応障害になってしまったらまずは、休職を検討しましょう。
適応障害になってしまう原因には、日ごろのストレスがかくされています。
日本はストレス社会ですから、毎日家庭だけではなく職場でもストレスを抱えて生活している方も多いです。
職場で抱えているストレスがあるのにも関わらずに、同じ環境で生活をしても症状が悪化してしまうだけです。
適応障害と診断されたらまずは、社内規則を確認して休職できないかをチェックしてみてください。
適応障害を放置しておくと、うつ病に変化してしまうこともあります。
医師から詳細な診断書をうけとって、労務課と休職手続きの交渉を早めのうちに行っておきましょう。
休職時には傷病手当金を申請すると収入を確保できる
「休職期間中の収入がないのが怖い…」と休職に踏み込めないそこのあなた、実は企業できちんと健康保険に加入して入れば傷病手当金が受け取れるってご存じですか？
通常働いていない分に対しては給与は支払われませんが、健康保険組合の決まりで、傷病手当金申請の申請要件に当てはまっていれば元の給与の2/3を支給してもらえます。
もちろん条件もきちんと決められているので、隔日に受け取れるとは断言できないのですが、気になる方は是非試してみてください。
受給するにはまず連続する3日間を同じ理由の病気で休んだ後、4日目以降も同様の理由で休むときに支給されます。
最長で1年6か月間支給されますので、復職するまでゆっくりと休養を取ることもできます。
適応障害で仕事に影響を出さないための6つのポイント
医師に適応障害であることを診断されたら、診断書をもらい上司や人事に相談することをお勧めします。
その上で、具体的に下記のような対策を取ってもらうのがベストです。
きちんと治るまで病院に通う
適応障害と診断された後には、定期的に病院に通院して薬を処方してもらいながら完治を目指していきます。
しかし自分で「体調がよくなってきたから」と、完治する目に通院を辞めてしまう人も多いです。
自己判断で通院を辞めてしまうことで、治りかけの症状が悪化してしまうこともあります。
服用を勝手にやめてしまうことで、中途半端な状態になってしまい、完治までに時間がさらにかかってしまいます。
仕事に復帰するまで時間がさらにかかってしまいますので、注意が必要です。
生活習慣を見直す
適応障害になってしまう原因の一つに、自立神経の不調があります。
転職前の仕事の影響で生活習慣が乱れている場合には、普段の生活習慣を見直してみましょう。
朝日を浴びたり適度な運動を行うことで、体の調子が整っていきます。
生活習慣を見直していくことで、仕事を通常通り出来るレベルになるまでに、回復する可能性もあります。
抱えている仕事の量を減らす
過労によるストレスや、適性ではない仕事の量を抱えている場合は、業務量を調整してもらえるようにお願いしてみましょう。
中には人手不足で、仕事を誰かに振るのが申し訳ないと思う人もいるかもしれません。
しかし業務で大きなミスをしてしまっては、元も子もありませんので、症状がきちんと改善されるまでは様子をみてもらいましょう。
仕事の量を減らすにあたって周りに迷惑をかけてしまうのでは…という心配は無用です。
人事異動を願い出る
特定の上司や先輩からハラスメント的な嫌がらせを受けているなら、人事異動を申し出るのが先決です。
その場合は、病気のことも上司には打ち明けず、まずは人事や社内の相談窓口を通す方がいいでしょう。
ただし、これは社員数が100名以上で、部署が変わるとほとんど顔を合わせなくても済むというのが条件です。
たとえ人事異動があったとしても、部署同士の席が近い、毎日顔を合わせる距離にいるという風なケースでは、仕事に支障がでてしまう可能性があります。
一時的に休職する
仕事をしながら改善される、もしくは仕事への影響がでないということであれば、仕事との両立が図れます。
しかし「会社自体がイヤ」「症状が悪化している」「仕事のことを考えると吐き気がしてくる」というような重い症状の場合は、いったん休職した方がいいかもしれません。
福利厚生が充実していれば、休職中も給与の何割かが手当として発生します。
一人暮らしや養っている家族がいる場合は、人事にしっかりと確認をとってみて下さい。
転職して環境を一新する
適応障害であることを相談しても、聞く耳を持たない上司や、環境がまったく改善されないケースもあります。
「自分の症状を上司に相談しても、何も改善されなかった。」
「適応障害に対しての知識が周りになかったため、ただのおかしい人と思われ、馬鹿にされて笑われていた。」
このような声も見受けられました。
その場合、残念ながら職場にいても状況が改善されることは難しいため、転職を考えなくてはなりません。
転職ですべてが解決できるとは限りませんが、悪化してうつ病にならないためにも、早期に転職活動を始める準備をした方がいいでしょう。
適応障害でも転職を成功させる5つのポイント
やみくもに転職活動をしても、新しい職場に馴染めなかったら意味がありませんよね。
あなたはまだ正常な健康状態でないため、転職先を選ぶのは慎重になるべきです。
適応障害でも働き続けられる仕事に応募する
適応障害の人は、ノルマがあり外出が多い営業職や総合職などは、仕事がハードでストレスが溜まりがちです。
まずは病気を治すことを第一に考えて、以下のような企業や仕事を選ぶのはいかがでしょうか？
定時退社・完全休日2日制の企業
業務量が一定していて、残業が発生しないような職場が望ましいです。
週末もしっかりと休みが取れて、仕事とプライベートがしっかり分けられる企業を選びましょう。
家でも業務が進められる仕事
最近では、在宅勤務を推奨する職場も増えてきましたね。
自宅で仕事ができれば、体調が悪い日があっても業務に支障をきたすこともありませんし、対人面でのストレスからも解放されます。
また都心勤めで満員電車での通勤をしている人も、ストレスの軽減が期待できるでしょう。
事務職など人と接しない仕事
事務職のような人との関わりが少ない仕事は、適応障害でも働きやすいです。
一方で、営業や接客業、サービス業などは、対人面でストレスを受けやすい職種ですので、避けることをお勧めします。
ほかにも、SEやデザイナーといった、一人でパソコンに向かって過ごすような仕事も最適です。
正社員として事務職に転職するのは難しい？採用を勝ち取る方法とは
転勤のない仕事
適応障害の人は環境への順応性が低いため、転勤や出張が多い仕事は向いていません。
商社や、支店があちこちにあり異動が多そうな企業、銀行の総合職なども避けた方がいいでしょう。
地方の公務員や、コールセンター、バックオフィス系の仕事は転勤もなく、穏やかな気持ちで働くことができます。
職場の雰囲気がいい仕事
アットホームで働きやすい職場を選ぶことも大切です。
しかし入社する前にどんな職場かを判断することは難しいですよね。
そんなときは企業の口コミサイトなどをチェックしてみるのがお勧めです。
求人票には「雰囲気のいい職場です！」などと書かれていても、人を集める決まり文句であることも多々あります。
実際の評判は「転職会議」や「Openwork」のような口コミサイトを見たり、SNSをチェックしたりして情報収集してみましょう。
転職できる状態にまでメンタルを回復させる
転職活動を始める上では、まずかかりつけの医師に相談することをお勧めします。
転職は緊張やプレッシャーなど精神的なものを感じやすくなるため、転職活動を始めても問題ない状態かを判断してもらって下さい。
無理だと診断された場合は、いったん転職活動をストップして状態が回復するのを待ちましょう。
なぜ転職をしたいのかを事前に洗い出しておく
転職をする上では、「病気であることを受け入れてくれる企業選びをする」という点を重視するべきです。
しかし目的を持った転職でなくては、転職する意味がありません。
面接でも、転職を決めた理由や志望動機は必ず聞かれますので、しっかりと自己分析を行いましょう。
企業の情報収集を念入りに行う
転職で失敗しないためには、適応障害の人に対する企業の取り組みや考え方を知ることです。
面談では、自身が適応障害であることを話し、会社がどんな取り組みをしているのかを面接官に聞いてみるのもお勧めです。
「適応障害であることを言ったら採用されないかもしれない」と思うかもしれませんが、隠して入社した場合、仕事がうまくいかないことを能力のせいにされてしまう可能性があります。
また隠していたことがのちのちバレるよりも、初めから正直に話し、受け入れてもらえる職場に入社した方が働きやすいと思いませんか？
まずは病気を治すことが何よりも大切です。
最初の段階で話しておけば、業務量や配属先を配慮してもらえるかもしれません。
就労移行支援制度を活用する
就労移行支援制度は、精神的な病を抱えている人も利用できる福祉サービスです。
適応障害を抱える方に理解のあるスタッフが自責しており、働く場所を探すためのサポートをしてくれます。
働くために必要なスキルの習得から、自分に合った求人の紹介まで包括的なサポートが得られます。
相談するか迷ったら、とりあえず見学に行ってみたり体験をしてみて、ならしてみるといいでしょう。
転職エージェントを活用してプロ目線のサポートを受ける
自分にはどんな職場があっているのか、どの企業なら病気を悪化させず働けそうか、そんな疑問に答えてくれるのが転職エージェントです。
転職のプロであるキャリアドバイザーが、一人ひとりに合った職場を、プロ目線で見つけてくれます。
アドバイザーは企業情報にも精通しているため、入社後のミスマッチも防げますし、あなたの悩みにも的確なアドバイスをしてくれるはずです。
面談の日程調整やフォローもありますし、アドバイザーを通して入社条件の交渉することもできます。
適応障害からの復職後に注意すべきポイント
適応障害の症状が緩和されて復職した後に、再発しないために以下のポイントを把握しておくことをおすすめします。
カラ元気で取り組まない
復職してから周りに迷惑をかけないために、カラ元気で仕事をしようとする人もいます。
しかし心が元気になっていないのにもかかわらずハツラツと仕事をしようとすると、知らないうちに精神的につらくなってしまいます。
カラ元気で仕事に取り組んでしまうことで、かえってまた適応障害を再発させてしまう恐れがあります。
転職後の環境になじめないことで再発する恐れもある
心機一転たのしく仕事をするために、転職をすることは確かにストレスの根本的な解決にはなります。
しかし転職後もストレスの原因になることが待ち受けています。
環境の変化に対応するために、周囲に気を配ったり考えることが増えていきますので、知らないうちに負荷がかかっていきます。
知らないうちに精神的負担になっていき、再度適応障害を再発させてしまう可能性もあります。
転職後の環境になじむために、焦らずにいったん休養を挟んでから復職するようにしましょう。
転職活動で適応障害の罹患歴はつたえるべき？
適応障害を発症してから他の企業に転職する際には、面接で転職理由を聞かれることもあります。
適応障害が原因で離職した場合には、転職理由として企業の採用担当に伝えるべきか迷う方も居ることでしょう。
結論から言うと、適応障害や休職をしたことはできるだけ面接で伝えておくことをおすすめします。
企業との面接は、参加者の人となりを知るためのものだけではなく、採用の条件にマッチングしているかを測るためのものです。
そのため面接官にきちんと伝えておくことで、企業側で自分の性質を認めてもらったうえで、仕事を振ってもらうことができるようになります。
また、伝えておくことで、下記のメリットも生まれます。
転職理由を組み立てやすい
適応障害を伝えることを前提に転職活動を進められるので、転職理由を組み立てやすいメリットがあります。
適応障害を原因に転職活動をしようとしている場合、転職理由にウソをつくために、いろんなエピソードを組み合わせて事実とは異なる転職理由を作らなくてはなりません。
しかし面接で掘り下げられた場合、ウソの内容を伝えていますからしどろもどろな回答になってしまいます。
一方しっかりと適応障害を踏まえた転職理由を作成することで、一貫性を持った受け答えができます。
説明する転職理由の文章を作成するときもスムーズに対応できますので、安心です。
適応障害をふまえて仕事を振ってもらえるようになる
適応障害を面接で伝えておくことで、もしも採用されたときに適応障害があったことを踏まえて仕事を振ってもらえる可能性があります。
適応障害があった背景も含めて採用してくれる企業は、皆さんの背景をよく理解したうえで、仕事を振ってくれる可能性もあるのです。
適応障害は職場を変えることで改善される可能性がありますが、転職先でも同じ状況や業務量になってしまうと、再発してしまう可能性があります。
適応障害を踏まえて仕事を振ってもらうことで、適応障害が再発する事態を防げるようになります。
面接に堂々と参加できる
適応障害を面接で伝えることを決めておけば、面接に堂々と参加することが可能です。
適応障害を隠して入職しようとすると、心のどこかでわだかまりができてしまいます。
適応障害を包み隠さず伝えることで、堂々と清々しい気持ちて面接に参加できるようになります。
適応障害からの転職で利用すべき転職エージェント
doda
dodaはあらゆる年代、職種、業界の方にもおすすめできる転職エージェントです。
未経験歓迎の求人も紹介しているので、新しい業界にチャレンジしたい方にもおすすめ。
適応障害の人におすすめする理由は、dodaのキャリアアドバイザーは、企業担当と転職者担当で分かれている点です。
企業側の要望ではなく、まずはあなたのニーズをしっかりとヒアリングして、最適な求人を探してくれるので、ストレスなく働ける環境を探しやすくなります。
実際に利用した人たちからの評判がよく、満足度も高いサービスなので、適応障害で悩む方におすすめです。
就職shop
20代の若者にお勧めしたいのが、フリーターのような社会経験が少ない人の転職に力を入れている就職shop。
面接前の「書類選考がない」のが大きな特徴です。
就職shopでは、営業が直接企業へ足を運んで取材した会社のみを紹介するため、職場の雰囲気がつかみやすく自分の理想に近い企業へ入社できます。
また「以前の会社ではどんな仕事をしていたのか？」「前職を辞めた理由は？」など、必ず聞かれるような質問の面接対策も行ってくれます。
転職サイトの適職診断も積極的に利用しよう
仕事で過剰なストレスが溜まる場合、あなたの適性にあった職業ではないのかもしれません。
転職サイトでは、敵職探しのツールとして、適職診断を無料で利用できます。
自分の意外な一面が見えたり、転職に活かせる強みや弱点が把握できたりする点もメリットです。ぜひ活用してみましょう。
適応障害にかかってもあきらめずに転職活動を進めよう
適応障害は、環境を変えることで改善が見込める病気です。
転職を成功させれば、症状も軽くなり本来の自分に戻ることができます。
先述したような、精神疾患の人たちを理解してくれる職場を選び、転職活動に励みましょう。
「新しい環境に不安がある」「再発したらどうしよう」など不安がある方は、アルバイトや派遣社員などの非正規社員からスタートするのもおすすめです。
無理をせず、自分自身を大切にして、適応障害を改善させていきましょう。
