「プログラマーの仕事内容をわかりやすく知りたい」
「プログラマーの仕事に就きたい」という人に向けて、幅広く紹介します。
IT人材不足のニュースや、小学校の授業でのプログラミング必修化により、プログラマーの仕事に興味を持った人は多いのではないでしょうか。
プログラミングの仕事内容だけでなく、年収や仕事で活躍するためのコツもわかりやすくまとめました。
目次
プログラマーの仕事内容をわかりやすく解説
プログラマーの仕事を一言で表すと「コンピューターを動かす専用の言語を使ってプログラムを書き、システムやソフトウェアを開発すること」です。
システムの仕様書をもとに、プログラマーがコンピューターを動かす専用の言葉である、プログラミング言語を使ってシステムを作ります。
IT化が進んだ現代ではコンピュータープログラムの普及が進み、プログラマーが活躍する場も増えました。
スマートフォンやタブレット端末で使うアプリケーション制作、冷蔵庫や洗濯機など家電のソフトウェア開発など、プログラマーの仕事内容は多岐にわたります。
IoT(Internet of Things)と呼ばれる、インターネットを使った相互情報交換システムの普及も、プログラマーの仕事のひとつです。
プログラマーの仕事内容の工程
システム開発の仕事内容には工程があり、システムエンジニアが担当する要件定義は上流工程といい、プログラマーの保守や点検の業務は下流工程と呼ばれます。
システム開発の仕事内容の流れは以下の通りです。
- 要件定義で運用方法や予算、開発期間などお客様と必要な条件を決める
- 基本設計で要件定義をもとにユーザーから見える箇所のインターフェースを決める
- 基本設計書をもとにエンジニア向けの詳細設計書を作成
- 開発会社や社内の担当部署で詳細設計書をもとにプログラマーがプログラミングを行う
- プログラマーが要件定義通りの動きをするかテストし、開発システムを移行する
- システムが問題なく稼働を続けるようにプログラマーが保守・点検する
システムエンジニア(SE)との違い
プログラマーとシステムエンジニアの仕事は同じように考えられがちですが、プロジェクト内の担当工程と役割が違います。
プログラマーがプログラミングで使用するシステムの仕様書を作成することは、システムエンジニアの仕事です。
システムエンジニアは、クライアントからの要求に対して、開発プロジェクトやチームの管理も担当しています。
プログラマーの年収を紹介
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」を参考にすると、プログラマーの平均年収は373万円です。 (参考:令和3年厚生労働省の賃金構造基本統計調査)
賃金構造基本統計調査にボーナスである賞与は含まれないため、金額はあくまで目安と考えましょう。
大企業の方がプログラマーの給与水準が高い傾向にあるのは、扱う案件の規模が大きいことが原因です。
プログラマーの年収は職種によって差があるため、平均年収は企業によって異なります。
会社に属さないフリーランスの優秀なプログラマーは、年収がさらに上がる可能性があり、実力が評価されやすい仕事と言えるでしょう。
プログラマーの仕事をするためのスキル
プログラマーの仕事をするためには、プログラミングの技術に加えて実務的な能力も必要です。
これから解説するスキルを持っている人は、プログラマーの仕事に向いていると言えます。
プログラミングの技術
プログラミングの技術はプログラマーに必須のスキルです。
プログラミングの技術は希望する職種や会社によって異なるため、事前に確認しましょう。
自分が目標にする分野のプログラミング言語の習得からスタートすると、仕事に合った技術が磨けますよ。
情報収集のスキル
プログラマーとして仕事をするためには、情報収集のスキルも身につけましょう。
やみくもに情報を集めるのではなく、適切な方法で情報を探し当てるスキルが大切です。
プログラミングの学習で分からない箇所がある場合は、自分で調べて情報収集の技術を高めてください。
問題解決力
バグの原因を突き止めるための問題解決力は、プログラマーとして重要なスキルです。
システムエンジニアが作った仕様書をもとにシステムを作っても、エラーやトラブルがある場合は多々あります。
バグの原因を洗い出し修正行うことも、プログラマーの仕事です。
プログラマーとして活躍するために、問題解決力を育てておきましょう。
コミュニケーション能力
黙々と作業しているイメージを持たれがちなプログラマーですが、プロジェクト単位での仕事がほとんどです。
システムエンジニアやチームメンバー、お客様であるクライアントと連携を取り作業する、コミュニケーション能力が仕事を進めるうえで重要です。
システム開発には自分の発想やアイデア、考えを伝えるスキルも必須なため、コミュニケーションなしではプログラマーの仕事は成り立ちません。
忍耐力と根気
プログラマーの仕事で大切なことは、忍耐力と根気と言ってもいいでしょう。
システムやソフトウェアを開発するためには数カ月から年単位の長い期間が必要で、何度もテストを繰り返して完成させます。
開発後も不具合の修正に追われる可能性があり、折れない心と粘り強さが試される仕事です。
論理的な思考力
問題解決のための方法と手順のことを「アルゴリズム」といいます。
論理的な思考力でアルゴリズムを考えることも、プログラマーの仕事で重要なスキルです。
プログラムを組むための仕様書には、手順が細かく載っているわけではありません。
仕様書をもとにプログラムを組む手順を考えるのは、プログラマーの仕事です。
プログラマーの仕事を進めるためには、論理的な思考力が大切と考えましょう。
プログラマーの仕事内容には種類がある
プログラマーの仕事内容には種類があり、使用するプログラミング言語も異なります。
自分が望む業界のプログラマーになるには、仕事で使うプログラミング言語にも注目してください。
WEBプログラマー
WEBプログラマーは、Java、JavaScript、PHP、Ruby、Perlというプログラミング言語を中心に使用します。
ショッピングサイトやSNSなど、WEBサイトやアプリケーションのプログラミングのために、幅広い知識が必要です。
ゲームプログラマー
ゲームプログラマーが使用するプログラミング言語は、JavaScript、Unity、C++、C#、Swift、Ruby、Objective-C、HTML5などです。
開発するゲームの種類やハードウェアによって必要な言語が異なります。
組み込み系・制御系プログラマー
組み込み系・制御系プログラマーは、Java、C、C ++、C#などのプログラミング言語を使用します。
家電製品や電子機器、自動車などを制御するプログラムに必須な言語です。
アプリプログラマー
ゲームプログラマーが使用するプログラミング言語は、PHP、Java、C、C#、Swift、Kotlinなど多種にわたります。
アプリケーションを使用する端末によって、使用するプログラミング言語が異なるため、常に最新の技術を取得しなくてはいけません。
プログラマーの仕事に有利な資格
プログラマーの仕事に就くためには、情報処理系の資格取得がおすすめです。
資格はプログラマーになった後のキャリアパスでも有利に働くため、確認しましょう。
情報セキュリティマネジメント試験
組織を守る情報セキュリティのため、マネジメントの計画と運用、評価や改善を行うための資格です。
より安全で踏み込んだIT利用のため、トラブル発生時の対応や情報漏えい防止などの知識が必須です。
| 試験実施日程 | 2023年4月より通年試験 過去は年2回 (春期試験4月の第3日曜日と秋期試験10月の第3日曜日) |
|---|---|
| 難易度 | 午前試験と午後試験の試験がありどちらも100点満点中60点が合格点 2019年の合格率は47％ CBT方式 |
情報システム試験
情報システム試験はシステム開発を目指す人なら、早い段階で取っておきたい資格です。
ソフトウェア開発の技法やプロジェクトマネジメント、基盤となる情報の表現や開発の基礎知識が評価されます。
| 試験実施日程 | 通年試験 |
|---|---|
| 難易度 | プログラミングスキルは100点満点中65点が合格点 2021年の合格率は４1.3％ CBT方式 |
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの基礎が学べる資格です。
情報技術を活用した基本戦略の立案や、システム開発と移行後の保守など、プログラマーの応用力が広がります。
| 試験実施日程 | 年2回 |
|---|---|
| 難易度 | 100点満点中60点が合格点 2022年5月分の合格率は38.3％ CBT方式 |
応用情報技術者試験
プログラマーのレベルアップには、応用情報技術者試験をおすすめします。
経営戦略・情報戦略の幅広いスキルが身に付き、システム開発でも高いパフォーマンスが発揮できるでしょう。
| 試験実施日程 | 年2回 春期試験4月と秋期試験10月 |
|---|---|
| 難易度 | 100点満点中60点が合格点 2022年春期の合格率は24.3％ 多肢選択式（四肢択一）・記述式 |
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、IT業界に進む学生や社会人が、基礎的な知識を証明できる資格です。
ITの基礎知識と、業務に効率的な利活用方法を学ぶことで、社会で通用するIT人材の能力が示せます。
| 試験実施日程 | 通年試験 |
|---|---|
| 難易度 | 総合評価点1000点中600点以上、分野別評価点1000点中300点以上が合格点 合格率は平均50％前後 CBT方式 |
プログラマーのキャリアパス
プログラマーのキャリアパスの例には以下のものがあります。
- プログラマーとして経験を積む
- 設計工程を担当するシステムエンジニア
- プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとしてメンバーやプロジェクトのマネジメントを担当する
自分がどのような専門性を目標とするかによって、キャリアパスの方法が異なります。
最終的な目標も視野に入れて、プログラマーの仕事について考えましょう。
プログラマーの仕事内容できついこと
プログラマーの仕事内容できついことには、時間の余裕がなくなる場合や精神的なストレスがあげられます。
プログラマーの仕事でつらいと思うことをチェックしましょう。
システム開発の納期に追われる
システムを納品するための納期は厳守しなくてはなりません。
とくに受託開発の場合は、納期を守ることが大前提です。
早朝や深夜の労働や、泊まり込みでの仕事など、ライフワークバランスが崩れる可能性があります。
責任の重さとトラブル発生時の対処
プログラマーの仕事には責任の重さに加え、緊急対応が必要な場合があります。
環境変更のミスやバグの発生など、失敗は責任感不足と捉えられてしまうでしょう。
責任の重さに耐えるためには、メンタルが強いだけでなくケアが必要です。
バグの修正や障害の対応など、勤務時間外や休日を問わずに出勤を求められる可能性も避けられません。
お客様からの追加要望やアクセス集中によるサーバーダウンなど、仕事の負担が増えることも多い傾向です。
常に新しい技術を覚えなくてはならない
プログラマーは常に新しい技術を覚える必要があり、勉強が欠かせません。
IT業界は常に新しいシステムやツールが生まれ、対応する技術の習得が必須です。
プログラマーが求められるシステム開発のスキルには、新しい技術が必須と考えましょう。
仕事を継続するために、新しい技術を得る勉強を続けることがツライと感じるプログラマーもいるようです。
プログラマーの仕事に関するQ&A
プログラマーの仕事に関する質問と回答をまとめました。
疑問を解決するために確認しましょう。
独学だけではプログラミングのスキル習得は難しい?
独学だけでプログラミングのスキル習得は可能ですが、基礎的な技術に偏ってしまう危険性があります。
トラブルの適切な対処や便利なスキルの勉強は、独学だけだと時間がかかるかもしれません。
実践的な技術を身に着けたい人には、プログラミングスクールや講座に通うことをおすすめします。
文系出身でプログラマーになれる?
文系出身者もプログラマーになれますが、それなりの努力が必要です。
基本的なスキルの取得が難しかったり、システムの基礎構造に理解がなかったりする場合は、問題がたくさんあります。
プログラマーを目指す文系出身の人は、就職支援付きのプログラミングスクールへ通うことを視野に入れてもいいでしょう。
エラーの解決方法や、ポートフォリオの作り方など、自力では解決できない場合に講師からアドバイスを受けられます。
プログラマーの仕事は無くなる可能性がある?
プログラマーの仕事は無くなる可能性は、まったくないとは言い切れません。
AI(人工知能)やデザインツールの発展によってコードを書く必要性が低くなった場合は、プログラマーの仕事自体なくなる恐れがあります。
システム開発の仕事を続けるためには、ジョブチェンジやスキルチェンジを考えましょう。
システム開発の上流工程を担当するシステムエンジニアを目指したり、社内で他の業務も担当できるように資格を取ったり、戦略的に動いてくださいね。
プログラマーの仕事は自己学習も大切
プログラマーの仕事内容は、主にシステムエンジニアが作った仕様書通りにプログラムを組むことです。
スキルには最新技術のキャッチアップが必須のため、自己学習が欠かせません。
自分で問題を解決できる力がある人には、プログラマーはおすすめの仕事です。
