営業職と聞いて皆さまはどんなイメージを持ちますか?
悪いイメージを持たれがちな営業職ですが、どの業種に行っても営業ができる人材は重宝され、また人としてのスキルが高い人が多くいます。
またどこかの企業に転職をするにしても、営業ができる人であれば選択肢は多く、再就職に困ることは少ないでしょう。
そんな営業職ですが、悪いイメージを持たれるのには理由があります。
例えば「地方へ出張に行く頻度が高い」「就業時間が長く休みが少ない」「お客様の接待がなどのお酒の付き合いが多い」「経費が多くかかる」などと忙しい印象や、「押し売りされるのではないか?」等、マイナスな印象を持たれやすいのが営業職です。
そういった休む時間が少なく、肉体的、精神的に疲労を伴い、激務を要される企業や仕事のことをブラックと呼びます。
では、実際に営業職はブラックが多いのか、またブラックな営業職の見分け方について解説していきます。
目次
営業職はブラックが多いのか?
ブラックのイメージといえば営業職と言われてしまうほど、そのイメージは強く存在します。
しかし、会社で仕事をしている人の約10%以上の人が営業職に就き、日々仕事をしています。
年々、営業職の人口は減っているのが現状ですが、国の不況が原因であり、失業者が全体的に増えていったからだと言われています。
営業職といっても様々な働き方が存在しています。
また職種によっても働き方は異なります。
そのどれもがブラックであるとは限りません。
いくつか働き方を紹介しつつ、ブラックとはなんであるかという根本的なところから解説していきます。
ブラック企業とは?
「あの会社はブラックだ」「日本はブラック企業だらけだ」なんて言葉を良く耳にしますよね。
では、そもそもブラックとはどういったことを意味しているのでしょうか。
どのようなことをブラックと呼ぶかを解説していきたいと思います。
ブラック企業という言葉が生まれたきっかけ
ブラック企業という言葉が社会でよく耳にするようになったきっかけは何でしょうか。
それは、退職率の増加、会社での精神的ストレスによる、うつ患者の増加と自殺者の増加が原因とされています。
日本人は働き過ぎだと良く言われますが、海外と比較するとまさにその通りで、休みの少なさや就業時間の長さが問題になることが多くありました。
最近では、「ノー残業デー」を作っている会社が増え、社員を休ませる取り組みを心掛けている企業が増え、ブラックというマイナスなイメージを持たれないよう、各企業の努力がみられます。
ブラックの共通点
ブラックと言われる企業や職種には共通点が様々あります。いくつかご紹介しましょう。
長時間労働
1つ目は、長時間労働です。
労働基準法では、「1週間の内休憩時間を除く40時間以上の労働をさせてはいけない。また、1日に休憩時間を除く8時間以上の労働をさせてはいけない」とあります。
残業においても労働基準法での取り決めは存在し、そもそも残業をさせるために届け出をする必要があります。
この基準を守らずに、従業員に仕事をさせる企業が未だ存在しているのが現状です。
また、企業によっては、残業に見合った賃金の支給をしていない企業もあります。
休暇が取れない
2つ目は、休暇が取れない、希望休みを出せないことです。
休みが満足に取れないのもブラックの特徴と言えます。
また、希望休みを申請してもそれ通りに休みが取れることが少ないのも特徴です。
休みが少なく、仕事が大変であると「1日中寝ていた」「家にいて家事をやっていたら1日があっという間に終わってしまっていた」という経験をされている方は多いのではないでしょうか。
希望休みが取れないことから「友人の結婚式」「国内外の旅行」などに行ける機会が激減し、関わる交流関係が狭まりストレスを抱える人も少なくないでしょう。
賞与が少ない
3つ目は、給料が低い、賞与が少ない、昇給されない、残業が出ないなどの金銭面です。
労働時間が長いわりに給料が低く、時給換算をしてみると900円を下回っているなんてことは当たり前にあります。
その地域の最低賃金を下回っていては、働くモチベーションは上がりませんよね。
また、賞与が少ない、むしろ賞与の支給すらない企業も存在しています。
企業で仕事をしている人であれば、半年に2回、1年に1回の賞与を楽しみに日々頑張っている人もいます。
その賞与が少なかったり貰えなかったりとなると、企業に対しての不満が募り、結果的に世間ではブラックと呼ばれることになります。
退職率が高い
4つ目は、退職率が高いことです。
退職率が高いということは、その企業に対しての不満を抱く人が多くいることを示します。
理由は様々ありますが、退職率が高いという理由だけでブラックと呼ばれてしまうのが近年の傾向です。
パワハラが横行している
5つ目は、パワハラ、セクハラです。
数年前に大問題になったパワハラやセクハラ、これが原因で自殺者や退職者が増え、社会問題になりました。
ここ最近生まれたパワハラという言葉やセクハラは、いまや上司の立場の人間は常に気にかけなくてはいけないポイントになりました。
以上が主にブラックと言われる共通点になります。
細かく上げていけばまだまだ沢山出てきますが、代表的なものだけ今回はご紹介しました。
【怖すぎ】ブラック企業あるある!一つでも当てはまったら転職を!
営業職には様々なスタイルがある
手前では、ブラックと言われる企業の特徴について触れていきましたが実際に、営業職にも働き方の種類、スタイルが異なります。
営業職にはどのような営業スタイルが存在しているかを3つ紹介していきます。
外回り
1つ目は、会社の外に出てお客様の元へ直接営業に行く、外回りと言われる営業のスタイルです。
企業や個人に対してアポイントを取り、お客様の元に行き、営業を行ったり、アポイントなしで行う飛び込み営業を行ったりするのも外回りの人の業務です。
電話営業
2つ目は、会社にいながら、電話にて営業を行う電話営業です。
電話でアポイントを取るのではなく、営業そのものが電話で完結する営業スタイルになります。
最近多いのが、電話にてインターネット回線の新規契約や他社からの切り替えを営業する企業や代理店です。
店頭営業
3つ目は、店舗を構えている不動産会社などに来店されたお客様に対して営業をかける店頭営業です。
ニーズが既にあるお客様に対して、最適な商品を販売、営業するのが業務内容になり、外回りや電話営業と比べ、成約率は高くなるでしょう。
簡単に3つほどご紹介しましたが、どの営業スタイルにも法人向け、個人向けが存在しており、それによっても働き方や販売する商品は変わってきます。
ブラックと言われている職種
営業職はブラックが多いかどうか
ここまでで、ブラックの特徴や営業職の働くスタイルなどを紹介してきました。
それでは、激務のイメージが強い営業職は、実際のところブラックが多いのでしょうか?
答えを先に言うと「そんなことはない」と言えます。
その理由をこれから解説していきます。
「BtoB」の営業は比較的働きやすい
営業職と言っても業界によって相手にするお客様やサービスが異なります。
例えば、商品開発に力を入れやすいサービスが提供できる企業の営業は、サービス内容の説明が上手いかどうかというより、圧倒的なサービスの力で営業が成立してしまうからです。
それは、主に企業を相手に営業をするいわば「BtoB」の営業です。
「BtoB」の営業にはこんな業界が存在します。
「食品メーカー」「自動車メーカー」「自動車部品メーカー」「専門的な機器を販売するメーカー」「電気系メーカー」などがあります。
比較的「何々メーカー」といわれる業界の顧客ターゲットは絞られ、販売先や営業先がある程度決まってきます。
もちろん、メーカーですので、各商品の細かい要望に多少の無理があるものも要求されます。ですが、営業という視点では比較的サービスを提案しやすいでしょう。
金融関係・個人相手の営業には要注意
ブラックと言われる多くは、金融関係の営業職、更には個人のお客様をターゲットにしている人たちです。
不動産、保険、証券会社、銀行などお金を取り扱う営業職の人は、アポイントの予定が休日に入ることや勤務時間外のアポイントが入り、プライベートの時間を有効活用できなくなるケースがあります。
そういった仕事の人は、営業成績に応じてインセンティブが支給されることもあるため、自ら激務にしている人もいます。
働けば働くほど、結果が出れば出るほど、稼げる環境にあるからです。
業界やその人の働き方によって、ブラックになるかどうかが変わってくるので、一概に営業職全般がブラックであるかというと「そんなことはない」という答えになるでしょう。
ブラック企業の営業職を見極めるポイント
では、営業職を経験したいが、ブラックな職場にはいきたくないという人はどうするべきでしょうか。
就職をする会社を探す際に見るのが求人広告ですよね。
その求人広告を見る際に気を付けるべきポイントを紹介します。
ただし、企業によって異なりますので1つの参考として見ていただければと思います。
労働時間について
どの求人広告にも記載されているのが、労働時間についてです。
大体の企業は「残業ほぼなし」「1日就労8時間」と書かれています。
広告の段階で労働基準法を違反するわけにいきませんから当然です。
しかし、実際に働いてみたら、毎日残業する羽目になるケースもあります。
ですので、広告にある就労時間を当てにはせずに、面接の際にしっかりと確認するようにしましょう。
給与面
求人広告に記載されている基本給に関しては、概ね、その通りになるかと思います。
確認すべきは、残業代が働いた分支給されるのかどうか、中には「一部残業代支給」などと一見、よく分からない書き方をされています。
給与面において隠したいことがある企業はその時点でブラックの可能性が高まりますので、疑問に思うような文言があった際には必ず質問し、解決させておく必要があります。
実際にあったひどいブラック企業の実例
最後に、実際にあったブラック企業で働く、私の知人のエピソードをご紹介します。
27歳男性、機械系メーカーの営業、独身。
入社5年目、基本給26万円という方がいます。
1週間の内、6日間は地方出張に行き、その際の経費は、翌月に会社から支給されるため、それまでは自分の給料から立て替える必要が常にある状態です。
経費の前借はできず、毎月40万近くの経費がかかるようです。
給料の金額を超えていますよね。
また、1週間の内、1日のみ休みがありますが、顧客対応があれば、半日仕事に出なくてはいけないようで、それがまた出張になるため、実質、休み無しの状態が続きます。
その生活を5年続けていますが、給与は入社1年目から大きく変わることのない日々を送っています。
典型的な、長時間労働、低収入なブラック企業のエピソードと言えます。
まとめ
営業職は、人を成長させるやりがいのある仕事である反面、実際に激務をさせられている人もいます。
一概に営業職が全てブラックなのではなく、業界やその企業によっても異なります。
営業職を経験したい方は、自分がやりがいに感じられる業界やその企業に勤める人を見極めて入社される企業を選ぶと良いでしょう。
あなたに合った営業職は探せばきっと見つかります。
多少忙しい日々を過ごしたとしてもやりたいことを仕事にしていけば良いライフスタイルを手にできると思います。
間違ってブラック企業を選んでしまわないよう、少しでもお役に立てれば幸いです。