フリーランスの後悔にはさまざまな原因があります。
「フリーランスになるため会社を辞めて後悔しないか」「独立後に生活できない場合はどうする？」
このような悩みを持っている人は、フリーランス転身で悩む原因と対処法を確認しましょう。
結論からいうと、フリーランスは後悔ばかりの仕事ではありません。
独立で悩んでいる人は、この記事を読んで後悔しないための方法をチェックしてください。
目次
フリーランスが後悔する10の原因
フリーランスが後悔する原因には、確定申告の処理やお金の問題などさまざまなものがあります。
後悔する原因をあらかじめ知っておけば、自分がその事態になっても冷静に対処できるでしょう。
フリーランスで後悔する原因や悩みで、多いものをまとめました。
1.フリーランスは収入が不安定
フリーランスは収入が安定しているとは言えません。
毎月の給与が決まっておらず、自己都合や体調不良が原因で働けなかった期間があると、そのぶん月収が低くなってしまいます。
くわえて、新型コロナ感染症の流行や対策は、社会全体の景気に大きな打撃を与えました。
フリーランスは給料が景気に左右されやすく「収入が減ってしまい貯金が足りない」といった悩みができる可能性はあります。
2.フリーランスは確定申告や営業がつらい
フリーランスは、確定申告や営業、事務などを全てひとりで行う必要があります。
事業計画を考えたり広告の効果を考えたり、経営に関する仕事は全て自分の責任です。
好きな仕事だけをするわけではなく、収益を上げるための策を練ったり、クライアントを増やすために営業したりしなくてはなりません。
経営に関わる施策や税務、事務作業に抵抗がある人は、フリーランスへの転身を後悔する可能性があります。
3.フリーランスは賃貸やローンの審査に通りにくい
フリーランスは収入が安定しないため、賃貸やローンの審査に通りにくい傾向があります。
賃貸や金融ローンの審査は、年収だけでなく職業の安定性も重視されます。
フリーランスはいつ仕事がなくなるかわからないため、安定しているとは言い切れません。
ローン審査に通ったとしても、返済能力に疑問を持たれると高い金利で融資が行われる可能性があります。
4.フリーランスはスキルアップの勉強がはかどりにくい
フリーランスはスキルアップの勉強のため、個人で講座や研修に申し込まなくてはなりません。
フリーランスの仕事が忙しいと講座への参加が難しく、思うようにスキルアップできない可能性があります。
個人事業主やフリーランス向けの講座や研修は、参加費が高めに設定されている場合があるので、申し込みに戸惑ってしまうことも考えられます。
5.フリーランスはひとりの作業に苦痛を感じる
フリーランスの仕事はひとりの作業が基本です。
すぐに質問ができない仕事環境や、チームで助け合う業務に慣れている人は、苦痛を感じる可能性があるでしょう。
複数の人数で働く機会がないと、協調性が減ったり、マネジメント経験が積めなかったり、コミュニケーションに関わるスキルが低下するおそれがあります。
仕事の愚痴を共有できる相手がいないので、悩みの解消が難しいことも考えられます。
孤独な環境で仕事を続けると、世間と常識感覚がズレやすいことがあるため、注意しましょう。
6.フリーランスは精神的なストレスが大きい
フリーランスは、精神面のケアが大切な仕事です。
収入の不安定さや孤独感から精神的なストレスを感じやすい傾向があり、メンタルが傷つく人も多数います。
社会保障に傷病手当がなく、病気の発症は収入に大きな打撃を与えます。
フリーランスは精神面をコントロールするために、定期的に人と会う機会を作りましょう。
7.フリーランスは周囲から理解されないことがある
フリーランスのデメリットは、仕事の環境や雇用形態が周りの人から理解されにくい可能性があることです。
フリーランスとして働くことは、会社勤めをしないということです。
社会人は会社勤めが当然という考え方の人から、理解を得ることは難しいでしょう。
家にいながら働くフリーランスは家族からの理解がなければ、仕事しにくい環境と考えられます。
結婚を考えたときもパートナーの理解が得られないと、フリーランスを続けることは難しいでしょう。
8.フリーランスは福利厚生がうすい
フリーランスは社会保険料を全額自己負担する必要があります。
くわえて、福利厚生が手厚い会社員と比較すると、受けられる保障が少ない傾向です。
会社員のように福利厚生がなく、厚生年金や雇用保険などの制度の対象にはなりません。
福利厚生について、フリーランスになる前によく確認してください。
9.フリーランスはコミュニケーション能力が求められる
フリーランスはクライアントとの交渉ややりとりに、コミュニケーション能力が求められます。
個人でコツコツと仕事を進めるイメージのフリーランスですが、実際は高い傾聴力や協調性が必要です。
安定して案件を獲得するためには、相手の気持ちを読み取る能力を鍛えましょう。
10.フリーランスは現役後の計画が立てにくい
フリーランスは収入が安定しないと、現役後や老後など中長期の計画が立てにくいことがデメリットです。
年を重ねると働く体力や思考力は低下することがあり、働き盛りのように仕事ができるとは限りません。
いつまで現役で働けるのか、フリーランスをリタイアした後はどうするのか、人生設計についてきちんと決められない可能性があります。
フリーランスで後悔したときの対処法3選
フリーランスとして活躍している人も、多かれ少なかれ仕事への後悔は避けられないでしょう。
フリーランスとして働き始めてから後悔したときに、どのような対処法があるか確認しましょう。
1.フリーランスになった動機を再確認する
フリーランスへの転身に後悔したら、独立した動機を再確認してください。
なぜフリーランスになろうと思ったのか、仕事の目標といっしょにくわしく思い出しましょう。
「これまでの仕事でつらいことがあったから」といったネガティブなきっかけは、意外なことにモチベーションの維持につながります。
フリーランスへの転身を選んだことに「苦しい環境から脱却するため」という理由があれば現状に納得しやすいでしょう。
2.単価を上げるスキルアップを定期的に行う
案件のレベルが高かったり単価が低かったりして苦しい人は、スキルアップの時間を確保してください。
仕事が忙しくて勉強できない状況は、フリーランスにとってよくありません。
担当案件の整理や、報酬アップのための勉強に時間を使うことをおすすめします。
もし、一時的に収入が減ってもスキルアップをすれば単価が上がるので、長期的な視野を持って活動しましょう。
3.フリーランス仲間に相談してモチベーションにつなげる
自分よりもフリーランス歴が長い仲間がいると、その人の経験と悩みの解決策を教えてもらえることがあります。
フリーランスのレベルの高さと、これまでの仕事で経験した失敗数は比例する傾向です。
高い報酬の案件が多いフリーランスは、大きな失敗と大量の挫折を乗り越えてきた猛者と考えられます。
仕事で悩んだときはベテランのフリーランスに相談することで、モチベーションが取り戻せるでしょう。
フリーランスが後悔を避けるための考え方
フリーランスが、仕事で後悔しないためのスタンスや考え方を紹介します。
フリーランスを続けるという意思やスキルアップはもちろん大切ですが、基本的な意気込みはどのように保つべきか具体的にまとめました。
フリーランスは継続すると楽になる
独立後すぐの頃はさまざまな壁があり、やめてしまう人も多く見られます。
フリーランスは続けるほど楽に稼げるようになるため、駆け出しのころに辞めると損をしてしまいます。
始めたばかりの時期は初期投資や講座を受けるための料金など支出が多い傾向ですが、軌道に乗ると定期的な収入が期待できます。
「フリーランスは続けると軌道に乗る」という考え方を忘れずに、仕事を続けてください。
新しい情報や知識に敏感になる
フリーランスは常に新しい情報の吸収が必要です。
業界の最新の情報を取り入れて、うまく知識に変えましょう。
フリーランスが新しい情報を吸収する方法には、以下のものがあります。
- 有料のマガジンやニュースサイトに登録する
- 新しいソフトやアプリ、スキルをすぐに試す
- フリーランス特化のオンラインコミュニティへの参加
知識のインプット後はアウトプットを必ず行い、仕事への投資を惜しまない考えが重要です。
知識をアップデートしないフリーランスは、スキルに進化がなく収入アップにつながりません。
クライアントとは対等な立場でいる
クライアントからの提案や変更をなんでも聞き入れていると、都合のいい存在として扱われてしまいます。
クライアントとは、仕事相手として対等な立場を心がけてください。
フリーランスの提案を聞かないクライアントとは、仕事をすることはおすすめしません。
「仕事を与える立場だ」という自分勝手な考えのクライアントは少なからず存在し、フリーランスは下に見られる場合があります。
仕事や事業契約の考えとして、フリーランスは自分の身は自分で守るというスタンスが大切です。
お互いが問題なく仕事ができる関係はビジネスにおいて大前提なので、その基礎が守られていないクライアントには注意してください。
上のレベルのフリーランスと比較しない
フリーランスが自分より上のレベルの個人事業主と比較したり、インフルエンサーの実績と比べることは危険です。
自分とは方向性が違ったり、極端に高いレベルを目指したり、目標にならない上級者との比較は意味がありません。
成果を上級者並みにしようとすると、受け持っている案件の単価や作業時間に見合わない仕事になります。
フリーランスに上昇志向は必須ですが、自分のスキルや目標を見つめて、ベストな働き方を見つけましょう。
フリーランスで後悔しないために準備を徹底しよう
フリーランスへの転身で後悔しないためには、準備を徹底する必要があります。
とくに、以下の準備には力を入れてください。
- 1年間は生き延びるためのお金を貯める
- フリーランスの人脈を作る
- 月15万円以上の副収入を用意する
それぞれのポイントをくわしく紹介します。
1年間は生き延びるためのお金を貯める
フリーランスとして収入が望めないことを考え、1年間は生活できるお金を用意しておきましょう。
転身後は家賃や光熱費、通信費などの固定費をできるだけ抑え、生活レベルを下げることが重要です。
引っ越しをする人は賃貸契約はフリーランスへの転身前に行い、会社員として審査に通りやすい状況で、入居まで完了しましょう。
フリーランスになった後の1年間は収入が変動し、月収0円という可能性も考えられます。
収入がないのに貯金が減っていくことは、大きなストレスです。
フリーランスは心に余裕を持つために、転身後1年間は生活できる程度の貯金の準備をおすすめします。
フリーランスの人脈を作る
フリーランス転身のために、会社員のころから仲間を作っておきましょう。
同じ仕事について話せる仲間がいると、モチベーションがアップします。
すでに独立している人だけでなく、フリーランスを目指している人とも積極的に関わってください。
オンラインコミュニティやコワーキングスペースで仲間を探すと、業界の最新情報が得られたり仕事につながる人脈が作れたりします。
フリーランス転身は月15万円以上の副収入ができてから
収入ゼロの状態で独立することはおすすめしません。
会社員をしながら副業に取り組み、収入が伸びてきたころを見計らって、フリーランスに転身しましょう。
目安として月15万円以上の副収入ができたら、フリーランスへの転身にベストなタイミングです。
15万円は、フルタイムで働いている人が頑張れば、副業として達成できる金額です。
副業として15万円を稼げるスキルがあれば、フリーランスになって作業時間を増やすことで収入はさらに伸びるでしょう。
フリーランスは後悔だけじゃない！独立のメリット
フリーランスは、仕事の環境や進め方に大きなメリットがあります。
スキルがすぐに収入に直結したり、仕事相手を自分で選べたりすることは、会社員は難しいでしょう。
ここからは、フリーランスならではのメリットを紹介します。
スキルに比例して市場価値がアップする
フリーランスは、スキルアップが市場価値や給料にすぐ反映されます。
高い技術や能力を発揮すれば、仕事の単価が上がり新しい案件が依頼され、収入がアップする傾向です。
自分のスキルに比例して業界の市場価値が高くなるので、努力が結果に結びつきやすい仕事といえるでしょう。
仕事の付き合いを自分で選べる
仕事の付き合いを自分で選べることは、フリーランスの大きなメリットです。
取引先やクライアントとの顔合わせで方向性が合わないときは、契約しなければ仕事をする必要がありません。
フリーランスは同僚や上司がいないため、職場での人間関係のトラブルにも巻き込まれないでしょう。
会社員は避けて通れない接待や、仕事場での人間関係もフリーランスは必要ありません。
フリーランスで後悔しにくい人
フリーランスで後悔しにくい人の適性をまとめました。
自分はフリーランスに向いているのか、くわしい内容を確認しましょう。
新しい知識に貪欲な人
フリーランスとしてWeb業界で活躍するためには、新しい知識の習得を続ける必要があります。
現状に満足せずスキルを磨き続けられる人は、フリーランスに向いている傾向です。
エンジニアやマーケターは最新情報を勉強しないと、一瞬で取り残されてしまうでしょう。
フリーランスとして活躍するためには、世の中のトレンドを常に把握し、情報を更新しましょう。
自己管理能力が人一倍高い
自己管理能力が人一倍高い人は、フリーランスに向いているでしょう。
フリーランスはスケジュールやタスクの管理を全て自分ひとりで行います。
自由度が高い働き方ですが、自己管理能力は必須です。
納期管理を徹底しないとクライアントに迷惑がかかり、案件の継続につながりません。
体調管理やモチベーションの維持も不可欠で、フリーランスだからといって規則正しい生活をしないと仕事の質に影響します。
変化や挑戦に抵抗がない人
現状維持より変化が好きな人は、フリーランスの適性があります。
フリーランスは関わる案件や契約先によって、仕事の内容が大きく変わります。
スキルがあれば動画編集やプログラミングの案件を同時に受け持つことができるため、さまざまな仕事ができる可能性があります。
仕事に変化を求め、新しい業務に挑戦することが好きな人は、フリーランスに向いています。
責任感やプレッシャーにストレスを感じない人
フリーランスは仕事の責任をすべて自分ひとりで負うため、プレッシャーに強い人ほどおすすめです。
不安定な収入や社会保障にストレスを感じず、自分のスキルを発揮することに集中できる人は独立が向いているでしょう。
収入がいきなり低くなっても大きいプレッシャーを感じない精神があれば、フリーランスとして長く活躍できます。
フリーランスで後悔しがちな人
フリーランスへの転身後に後悔しがちな人の特徴をまとめました。
後悔は誰にでも起こりうることですが、ネガティブな気持ちの切り替えが難しいと仕事にも影響します。
現状維持や安定を求める人
仕事や生活の現状維持や安定を求める人は、フリーランスへの転身はおすすめしません。
会社員のように毎月の給料が保証されており、仕事がなくなったときも失業保険がもらえるといった安定性はフリーランスにはありません。
パートナーや家族が仕事の安定を望む人も、フリーランスとして働き続けることが難しいので要注意です。
好きなことしかしたくない人
自分が好きな仕事しかしたくない人は、フリーランスに向いていません。
フリーランスは好きなことだけを仕事にできる働き方ではないうえに、営業や事務処理など幅広いスキルが求められます。
好きなことのためなら嫌な作業やたいへんな努力に耐えられる人でなければ、フリーランスとしての成功は難しいです。
タスク管理や優先順位をつけることが苦手な人
タスクの管理や仕事に優先順位をつけることが苦手な人は、フリーランスに転身しても思うように収入が伸びない可能性があります。
どれが案件継続や高い収入につながるか仕事に優先順位をつけ、ほかの案件も納期に間に合うように調整する力は必須です。
スキルの配分も仕事によって変える必要があるため、能力の調整が難しい人もフリーランスとして活躍することは難しいでしょう。
フリーランスで後悔しないために会社員と比較しよう
フリーランスの後悔を避けるために、会社員との仕事環境や社会保障を比較しましょう。
会社員からフリーランスへの転身を考えている人は、どちらが自分に向いているかよく確認しましょう。
| フリーランス | 会社員 | |
|---|---|---|
| 収入 | ・毎月の給料が決まっていない ・上限がない |
・毎月の給料が安定している ・伸びが少ない |
| 契約形態 | 業務委託契約 | 会社の雇用 |
| 人間関係 | 自由だが孤独を感じる場合がある | 固定される |
| 仕事 | 自分で決められる | 会社で決められた仕事を行う |
| 仕事の時間・場所 | 自分で選べる | 固定される |
| 社会的信用度 | 会社員より低い | フリーランスより高い |
フリーランスは後悔しないために事前の準備を徹底しよう
フリーランスが後悔しないためには、転身前の貯金や周囲の仕事への理解が必須です。
独立を考えている人は、自分のスキルはどんな分野で活躍できるのか、どれぐらいの収入を目指すのか、具体的な目標を確認しましょう。
フリーランスとして活躍するためには定期的なスキルアップの勉強や、仕事につながる人脈作りも大切です。
