「ドローンを仕事にしたい」「ドローンパイロットの将来性や年収が気になる」
そんな悩みを持っているそこのあなた。
この記事ではドローンの操縦士について、仕事内容や年収をまとめました。
ドローンの仕事と一口で言っても、業務内容は多岐に渡ります。
転職を有利に進めるためには資格の取得も考えましょう。
目次
ドローンを仕事にする2種類の方法
ドローンを仕事にする方法には以下の2種類があります。
- ドローンの操縦を担当する仕事
- システムを設計する仕事
方向性が異なりますがどちらもドローンに関わる仕事です。
業務内容によって必要なスキルや適性が異なるのでチェックしてください。
ドローンを操縦する仕事
ドローンを操縦する仕事は、ドローンパイロットともいわれる職種です。
無人航空機のドローンを操作して、依頼された仕事を担当します。
ドローンパイロットは専業で行っている人は非常に少なく、ダブルワークとして活躍している人材が多いです。
とくに多いのは、空からの撮影や農薬の散布などを、本業の一部として仕事にしている働き方です。
ドローンのシステムを設計する仕事
ドローンのシステムを設計する仕事は、エンジニアやプログラマーと呼ばれます。
システム設計は、ソフトウェア開発に使うプログラミング言語のテクニックは必須と考えてください。
ドローンの用途に合わせて機能を付け加えたり、カスタマイズしたり、高いスキルがあれば活躍できるでしょう。
ほかにも、エンジニアとして経験を積めば、企画立案から実装に技術が活かせます。
設計は航空工学・電子工学などの専門知識が必須
航空工学や電子工学などの専門知識は、ドローンパイロットの仕事に活かせます。
加えて、プログラミング技術だけでなく、完成後に操縦する技術も求められるでしょう。
依頼の内容に合わせて、企画から検証まで行う工学的な力が求められます。
ドローンパイロット・操縦士の仕事内容
ドローンを操縦する仕事は、インフラ関係から講師までさまざまなものがあります。
警備やセキュリティにも活用できるドローンのスキルを覚えれば、担当できる仕事の幅が広がるでしょう。
仕事で活躍するためにも、ドローンパイロットに必要な技術を積んでください。
空撮カメラマン
空撮カメラマンは、ドローンを使って被写体を空から撮影する仕事です。
建物や人物の写真などを空から撮影することで、見下ろすアングルで臨場感のある動画や写真が取れます。
テレビや映画でも空撮の映像が使われる場面がありますよね。
被写体を魅力的に撮影する技術だけでなく、作品の編集や公開などさまざまスキルが求められるでしょう。
ドローンを使った空撮カメラマンは、行政への撮影許可の申請も仕事で担当することがあります。
ドローン測量技術者
ドローンの測量技術者は、写真測量のソフトウェアを使う能力や航空測量の技術が求められます。
建物やダムなどの建設に必要な三次元測量の仕事になるので、業務は正確性が必須です。
データの処理能力や建設現場への知見も、仕事で生きることがあります。
ドローン操縦のほかに、ソフトを使った地形の検証やデータ解析のスキルが必要です。
農業用のドローン操縦士
農業専門のドローン操縦士は、畑や田んぼに農薬を散布することが主な業務です。
農業用ドローンを使って薬を撒く作業ですが、1年を通して仕事が続くわけではありません。
農薬散布専門のドローンパイロットは、安定した収入を得ることが厳しいです。
田んぼや畑に農薬を撒くドローンの操縦は、農家がダブルワークでしていることが多いです。
インフラ建物の点検ドローン操縦士
インフラ建物の点検をする操縦士は、赤外線カメラを搭載したドローンを使う仕事です。
建設物の構造診断や雨漏り、壁の剥がれやタイルの浮きなどを調査して指定建築基準法を守っています。
ドローンから動画や静止画を撮影し、不備や欠陥などがないかチェックを担当します。
法律や建設物の知識に強くなければ、仕事で活躍できる人材になれません。
水中でドローンを使う水質調査員
潜水・潜航できる水中ドローンを使って水質調査を行う仕事もあります。
水中ドローンは空に飛ばして使うドローンとは構造が異なり、スクリューが付いている箱型の本体です。
操作する場所は電波が届きにくい水中のため、思うように動かないこともあるでしょう。
取り付けられたカメラを見ながら操作して、水質操作や生物状況の確認をします。
水の検査や異物検索、水中撮影、船に問題がないか調査する業務が多く、それぞれ異なった技術が必要です。
警備・セキュリティ
ドローンを使って警備や監視を行う仕事です。
建物や施設内で警備員の代わりにドローンを使ってトラブルがないかチェックします。
効率的に問題を発見し、安全を守れる仕事です。
セキュリティだけでなく警備員が犯罪に巻き込まれるリスクを防ぐことも、業務の一環です。
警備用ドローンにはセンサーライトやスピーカーが搭載されており、パトロールが簡単に行える特徴があります。
ドローンの講師
ドローンの操縦を教える講師は、ドローンインストラクターとも呼ばれます。
実技的な技術の指導に座学の要素が入ってくるので、指導力がある人におすすめの仕事です。
ソフトウェアの使い方や関連機材のメンテナンスなど、ドローンに関わる知識が試されるでしょう。
ドローンの仕事は法律の知識が関わってくるので、最新の勉強をしなくてはなりません。
ドローンの開発者
ドローンの開発者とは、いわゆるエンジニアです。
ハードウェアやソフトウェアなどに関わる工学分野や、航空技術の基本的な知識が必須です。
AIを使ったドローンも増えているため、人工知能に関わるスキルも求められる可能性があります。
エンジニアに必要な資格はありませんが、プログラミング言語の理解や技術を高めましょう。
ドローンの操縦には資格が有利
ドローンの操縦を仕事にするためには、資格の取得が有利です。
就職するために資格は必須ではありませんが、客観的に見てもスキルの裏付けになるので取得をおすすめします。
ドローンに関わる仕事で有利な資格をまとめました。
ドローン検定
ドローン検定はパイロットの知識レベルを評価し、より高い操作技術を磨くための試験です。
事件や事故が発生しないように正しい対処法を勉強することで、基本的な知識が身につけられるでしょう。
運営団体のドローン検定協会は、国土交通省から認可を受けた登録講習機関です。
| 資格名 | ドローン検定 |
|---|---|
| 開催日程 | 年6回 |
| 出題範囲 | 基礎知識、物理学など |
| 合否判定 | 筆記試験 1問2点 全50問80点以上で合格 |
| 運営団体 | ドローン検定協会 |
ドローン操縦士回転翼3級認定資格
ドローン操縦士回転翼3級は、ドローン操縦士協会による民間試験です。
特定のスクールで学科や実技に合格した人が挑戦できます。
ドローンに関する日本で一番古い試験という特徴があり、活用と技術開発の基本知識が学べます。
安全なドローン操作を実現するために、2017年6月から資格認定がスタートしました。
| 資格名 | ドローン操縦士回転翼3級 |
|---|---|
| 開催日程 | 随時 |
| 出題範囲 | 実地を講習するための技能 基礎知識など |
| 合否判定 | 非公開 |
| 運営団体 | ドローン検定協会 |
JUIDA無人航空機操縦技能
JUIDA無人航空機操縦技能は、ドローンを安全に飛行させるための操作能力と知識を証明できる資格です。
合格後は操縦技能証明書が受け取れ、未成年でも親権者の同意があれば申し込みできます。
ただし、資格は特別な試験はおこなっておらず、認定スクールの修了が必須なので気をつけてください。
JUIDA無人航空機操縦技能を取ったあとは、飛行許可を受ける際に申請書類の一部を省略することが可能です。
2万件を超える資格取得者がおり、実績がある団体が運営しています。
| 資格名 | JUIDA無人航空機操縦技能 |
|---|---|
| 開催日程 | 随時 |
| 出題範囲 | – |
| 合否判定 | 認定スクールの修了が必須 |
| 運営団体 | 一般社団法人日本UAS産業振興協議会（JUIDA） |
ドローンパイロット養成講座「ドローン操縦士2級」
ドローンパイロット養成講座「ドローン操縦士2級」は、自宅で受験できる資格です。
通信制で教育が受けられるので自分のペースで勉強できるでしょう。
ドローン操縦士3級に合格している人向けのWeb活用を目指した受講プログラムです。
3級を取得していなければ受験できません。
| 資格名 | 「ドローン操縦士検定２級」取得コース（通信コース） |
|---|---|
| 開催日程 | 随時 |
| 出題範囲 | – |
| 合否判定 | 該当6か月の講座の受講が必須 |
| 運営団体 | 一般社団法人日本ドローン操縦士協会 |
【国家資格】無人航空機操縦者技能証明
無人航空機操縦者技能証明試験は、国が認めているドローンを操作するための国家資格です。
2022年12月から受付が始まり、実際に仕事でドローンを使っている人も積極的に資格を取得しています。
国土交通省の認定や指定期間での講習が必要なので、より業務に活かせる勉強が可能でしょう。
資格取得のためには、筆記試験とはべつに身体検査が必要です。
| 資格名 | 無人航空機操縦者技能証明 |
|---|---|
| 開催日程 | 随時 |
| 出題範囲 | CBT（Computer Based Testing）方式 国土交通省が発行する「無人航空機の飛行の安全に関する教則」に準拠 |
| 合否判定 | 一等 90% 二等 80% |
| 運営団体 | 無人航空機操縦士試験機関 |
ドローンに関わる仕事の年収は430万円程度
ドローンに関わる仕事の年収は令和3年賃金構造基本統計調査によると、432.8万円です。
(参考：職業情報提供サイト（日本版O-NET）)
ただし、この金額はプロフェッショナルとして活躍する人材の平均を弾き出したものです。
副業やダブルワークが多いドローンに関わる仕事は、この金額よりも少ない年収と考えましょう。
本業ではない場合は、実績やキャリアを重ねても年収が伸びない可能性が大きいです。
ドローンの仕事に転職する方法
ドローンの仕事に転職する方法は、以下があります。
- 求人サイトから仕事を見つける
- 転職エージェントに登録する
- ビジネスマッチングサービスを利用する
- フリーランスになる/起業する
- 副業として仕事をする
求人サイトから仕事を見つける
インターネットで「ドローン 仕事」と検索すると求人情報がヒットします。
ドローンパイロットの仕事やエンジニアの求人が見つかるので、チェックしましょう。
ただし正社員の仕事だけでなく、派遣社員や業務委託といった雇用形態の求人もあるため気をつけてください。
また、募集している地域やポジションが限られていることが多いので応募前に確認が必要です。
転職エージェントに登録する
転職エージェントを使って求人へ応募する場合は、専任のアドバイザーから自分に合ったアドバイスが受けられます。
ただし、ドローンに関わる仕事が豊富な転職サイトは、見つけにくいので注意してください。
転職エージェントはキャリアカウンセリングも受けられるため、転職の方向性も相談できます。
ドローンの仕事への転職に迷っている人も、転職エージェントを有効活用しましょう。
ビジネスマッチングサービスを利用する
ドローン技術者に向けたビジネスマッチングサービスがあります。
なかでも、農家に向けたドローンマッチングサービスは、操縦士も便利に使えるのではないでしょうか。
ドローンパイロットのスキルがあれば、農業だけでなくインフラ点検や測量などの案件が担当できる可能性がアップします。
ドローンの仕事を依頼したい人とパイロットがマッチングするサイトを使って、効率的に仕事を探しましょう。
フリーランスになる/起業する
ドローンの仕事に就きたい人は、フリーランスになったり事業を起こしたりしてもいいですね。
ドローンパイロットとしてフリーランスになると、自由な働き方ができます。
ただし、法律が絡んだ手続きや、起業のための資料作りもすべて自分で行う必要があります。
ドローンを飛ばす際は地方自治体への申請を行い、許可をもらわなくてはなりません。
【番外編】副業として仕事をする
ドローンの仕事を副業にする方法もあります。
副業やダブルワークは業務委託で案件を獲得し、ドローンにかかわる業務を行いましょう。
本業とは別に仕事をすることで、副収入が得られます。
加えて、ドローンの仕事が安定しなくても経済的に不安になることがありません。
ドローンに関わる仕事へのキャリアチェンジに迷っている人も、まずは副業から始めてもいいですね。
ドローンに関わる仕事の将来性！ないって本当？
ドローンに関わる仕事の将来性を紹介します。
これからドローンの発展が期待できれば、操縦士やエンジニアの活躍も考えられるでしょう。
業務内容によって需要は異なりますが、ドローンの仕事自体が急激になくなる可能性は低いです。
活用事例に比例して求人数が増える可能性がある
ドローンの活用事例に比例して、求人が増える可能性があります。
そうすると人材の需要がアップし、能力が発揮できる場も増加するでしょう。
消費者や企業どちらにもマーケットを展開できるドローン技術者は、多様な成長性が考えられる職種です。
これからは、地方創生や荷物宅配などの分野でもドローンが活躍することが見込めます。
現在はドローンパイロットだけで食べていくのは厳しい
現在は、ドローンパイロットの仕事として空撮や農薬散布が多い傾向です。
ドローンに関わる仕事でも、エンジニアやプログラマーの方が求人数が多いことは確かです。
ドローン開発の仕事は専門的な知識とスキルが求められるため、すぐに始められるものではありません。
転職を考える場合は、今後のキャリアや自分が今から身につけられるスキルを考えましょう。
仕事で使うおすすめのドローンを紹介
仕事で使うおすすめのドローンを職種ごとにまとめました。
今回紹介するのは個人で購入できるドローンです。
ただし、企業に勤める場合は、自分でドローンを用意する必要はありません。
| 空撮カメラマン | INSPIRE 2 |
|---|---|
| 農薬散布 | AGRAS MG-1 |
| 測量・点検 | MAVIC 2 ENTERPRISE |
| 水中ドローン | BlueROV2 |
| 警備・セキュリティ | IBIS |
ドローンに関わる仕事の疑問を解決
ドローンに関わる仕事やキャリアの疑問を解決します。
- ドローンを使って海外で仕事できる？
- ドローンの資格がなくても仕事はできる？
- ドローンの操縦士は女性もなれる？
- 仕事はどの地方に住んでいても見つけられる？
以上の疑問とその回答をくわしくまとめたので確認しましょう。
ドローンを使って海外で仕事できる？
ドローンを使って海外で仕事する場合は、国やビジネスによって難易度が変わります。
企業に勤めて海外へ出張する方法であれば、比較的難しくありません。
フリーランスとして海外でドローンを使って仕事する場合、ビザの取得や案件獲得のハードルが高いことに注意しましょう。
海外ではドローンビジネスが発展しているため、活躍の場を広げたい気持ちはよくわかります。
ただし、計画をおろそかにしてしまうと、今後のキャリアに悪影響が出てしまうので気をつけてください。
ドローンの資格がなくても仕事はできる？
ドローンの資格がなくても仕事はできます。
ただし対応できる業務に限りがあることに注意しましょう。
農薬散布や空撮であれば、自治体の許可をもらうことで業務は可能です。
ただし、インフラに関わるドローンの仕事や、人が多い都会での空撮などは多くの場合資格が必要です。
2022年から国家資格である無人航空機操縦者技能証明制度ができました。
仕事でも有利になる可能性が高いので、無人航空機操縦者技能証明の取得をおすすめします。
ドローンの操縦士は女性もなれる？
ドローンの操縦士は、女性でもなれます。
操縦自体は男女の差によるテクニックの違いは現れにくいです。
空撮では、ドローン操縦のテクニックだけでなく被写体を綺麗に撮るスキルが求められるでしょう。
中には、女性ならではの視点やセンスが活かせる仕事もあります。
ドローン自体はコントローラから手を離しても墜落しないので、学生も簡単に操縦できることが魅力です。
仕事はどの地方に住んでいても見つけられる？
ドローンの仕事は地域によって求人数がかたよっています。
ただし、地方に住んでいるからと言ってドローンの仕事ができないわけではありません。
田舎では農薬散布や農業に関わるドローンのパイロット業務が可能です。
空撮カメラマンや建物点検ドローン操縦士などは、働く地域が決められていないことがあります。
ドローンの仕事は勤める企業によって、勤務先が変わる可能性が高い職種です。
ドローンの仕事は資格取得がおすすめ
ドローンの仕事につくためには、資格取得をおすすめします。
資格を持っていれば基本的な知識があることの裏付けになります。
転職で有利になるので、積極的に資格を取りましょう。
仕事では即戦力が求められる可能性が高いので、スキルの勉強も欠かさずに行なってください。
