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マンションを売る時にかかる税金はいくら?売却利益への課税額と計算方法・特例控除

【更新日】2023-11-24
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マンションを売る時にかかる税金
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マンションを売ると気になるのが、税金や費用がいくらかかるかですよね。

マンション売却は利益も大きいですが、その分発生する費用も高額になりがちです。

マンションを売る前に、どんな費用がいくらかかって、それぞれいつ頃支払う必要があるのかはチェックしておきたいものです。

今回は、マンションを売る時にかかる税金・費用・手数料の内容を徹底解説!後半に節税のコツや特例控除もまとめているので、参考にしてください!

マンションを売る方法!売却のコツ・注意点・よくある質問まとめ

マンション売却で利益が出ても税金で引かれてしまうので注意

マンション売却で利益が出ても、成約価格がそのまま手元に入る訳ではありません。

マンション売却では、売って得た利益に対して税金がかかってくるので、売却益が出た場合と売却損が出た場合の手残りは、売買価格よりも差が生じないということになります。

マンションの売却利益に対して税金が発生するのは、法律の世界で譲渡とみなされるためです。

前述の通り、マンション売却で利益が出るということは購入価格よりも売却価格が上回ることをさします。

例えば、1500万円で購入した物件を10年後に売って、2000万円で売却できたとします。

持ち主にとってはラッキーかもしれませんが、表面上は1500万円で物件を仕入れて2000万円で転売したケースと区別が付きません。

それが故意に転売をして利益を上げる行為であるなら、法律で制限をかけ、課税をしなければいけませんが、仕組み上、厳密に故意か・そうでないか区別をするのは難しいのです。

そのため、売却利益が出た場合は一律に税金がかかるようになっているという訳です。

課される税金の意味合いがそれぞれ違う

よく「マンション売却で利益が出た時に税金が発生する」ということを言われますが、実際には利益が出なくても課税はされます。

これはなぜかというと、マンション売却にかかる税金・費用はそれぞれ意味合いが異なるからです。

課税・費用発生の理由 あてはまる税金・費用
売却益が発生した時に課される 譲渡所得税(住民税)・復興特別税
住宅ローンの抵当権抹消に対して課される 登録免許税
印紙税 国・自治体に取引を担保してもらった報酬として支払う
仲介手数料 仲介業者に対して、成約の報酬として支払う

これを混同してしまうと、売却損が出てるから税金は発生しないと思い込んだり、「税金・費用を支払うことで安全な取引ができる」ということを理解できずに怒りばかりがこみ上げたりしてしまいます。

安全な取引を実現するためにも、手残りが引かれることを知らず後で後悔しないためにも、税金のかかる意味は把握しておくべきです。

マンション売却では税金を必要以上に恐れなくてOK

マンションを高く売ると税金がかかると強く言われたら、利益を調整しなければいけないのでは?と思う方も多いでしょう。

しかし、その心配はありません。たとえ税金が発生したとしても、マンションは少しでも高く売却したほうが絶対にお得なのです。

それもそのはず、譲渡所得税の計算式を見ると、以下の通りとなっています。

譲渡所得税=税率(約30~15%)×{譲渡価額-(取得費+売却費用)}

例えば購入価格が1500万円のマンションを2000万円で売った場合、利益から購入価格+購入時の費用+売却時の費用を差し引きます。

費用にいくらかかったかは購入・売却時の状況にもよりますが、2回の取引で支払った仲介手数料が合わせて100万円超。その他にも費用がトータルで100万円弱かかったとすると、短期譲渡でも30%×{2000万-(1500万+100万超+100万弱)}で課税額は100万円弱にしかなりません。

数十万円の単位で考えると、売却価格を調整したほうが手残りの増えるケースはありますが、当サイトでは、あえて税金の損得を考えずにまずは高く売ることに集中することをおすすめします。

その理由は、以下の2つです。

  • 特例控除で課税を減免することができるから
  • 高額利益を得られる絶好のチャンスだから

最初のポイントは詳しく後述するとして、注目したいのは後者です。

1500万円で購入したマンションの売却目標を1600~1700万円程度で考えているなら、税額を調整しなければいけないと思うかもしれません。

ただ、巷では一括査定サイトを使ったり、内覧準備を徹底的におこなったりして、査定額の3割増しで売れたという方は多くいます。

税金を怖がるのではなく、税金を支払っても余りあるほどの価格で売ることを目指していきましょう。

マンションを高く売るコツ11ヶ条!高値がつくマンションの条件とは?

マンション売却時にかかる税金・費用の納税・支払い時期と方法まとめ

マンション売却にかかる税金や費用の支払い時期と方法をまとめたものが、こちらになります。

税金・費用・手数料 納付・支払い時期 納税方法
譲渡所得税 引き渡しをした翌年の2月16~3月15日 確定申告をして納付
住民税※譲渡税が上乗せ 引き渡しをした翌年の5月ごろ~ 住民税に上乗せされた分割納付※一括納付も可能
復興特別税 確定申告時※譲渡所得税の納付と同じタイミング 納付書を使って納付
仲介手数料 売買契約時と引き渡し時 売買契約時に半金、引き渡し時に残りを支払う
登録免許税 引き渡し時 ローンを完済した後に抹消手続き※司法書士に依頼
印紙税 売買契約時 契約書に印紙を貼り付けて納付

こうしてみると、マンション売却でかかる税金・費用の支払いはそれぞれバラバラであることが分かります。

また、全ての税金・費用が売却代金を受け取ってから支払われるものではないということにも注意をしなければいけません。

税金の納付期限を過ぎると税務署から目を付けられる?

税金の納付期限を過ぎても支払いがおこなわれていないと、税務署からお尋ねが来ます。

これも無視し続ければ、脱税の罪に問われるリスクもあるので十分注意しましょう。

元来、税務署はマンション売却後の納付遅れに対しても、ある程度寛容でした。

しかし最近は、オリンピック特需によって不動産投資家の数が増えて、税金の知識がないのに気軽な気持ちで売却をするという方が増えているので、税務署の目は厳しくなっています。

売却時期によっては引き渡しから譲渡所得税の支払い(確定申告)まで1年ほどかかるケースもあって忘れがちですが、確実に期限内で納付をするように注意しましょう。

マンション売却にかかる税金は主に4種類!計算方法・内容を解説

マンション売却を行うと、売主は以下の税金を所定の期日までに納付しなければなりません。

マンション売却で発生する税金

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税含む)
  • 消費税(仲介手数料・司法書士への報酬などで発生)

ここからは、各税金の特徴や納税時期、税率について詳しく解説して行きます。

印紙税

印紙税は国や自治体が安全な不動産取引を担保してくれたことに対して支払われます。

印紙税は、売却価格に応じて以下のように決まっています。

契約金額 税額 軽減税率適用時の税額
1万円未満 非課税 非課税
1万円超・10万円以下 200円 200円
10万円超・50万円以下 400円 200円
50万円超・100万円以下 1000円 500円
100万円超・500万円以下 2000円 1000円
500万円超・1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超・5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超・1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超・5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超・10億円以下 200,000円 160,000円

参照:国税庁|印紙税額の一覧表より

また、印紙税は以下の場所で購入できます。

印紙税が購入できる場所

  • 郵便局
  • コンビニ
  • 電子マネー
  • 金券ショップ
  • ネットオークション
  • 法務局・市役所・区役所

不動産売買のように、高額印紙は、コンビニなどでは取り扱っていないケースが多いので郵便局や法務局、市役所、区役所で印紙を購入しましょう。

居住用のマンションは印紙税が半額になる

上記の課税額は、契約書(買主保管分)と領収書(売主保管分)の両方に印紙を貼る必要のあるケースに限定されます。

両方に印紙を貼るのは、賃貸経営していたマンションを売るケースや、法人・個人事業主が売主となるケースです。

個人が住まいとして利用していたマンションを売却する際は提出分にだけ印紙を貼るので課税額は上記の半額になります。

大きく分けると、マンションを売るのが営利目的か、非営利目的かによって課税額は変わるのです。

印紙税は売買契約時に納付!期限を過ぎると最大3倍払わないといけない

印紙税は、売買契約のタイミングで収める必要があります。

このタイミングで納付できないと、課税額が3倍になってしまいます。

もし納付が遅れてしまった場合は、早めに申告しましょう。申告が間に合えば、契約時の1.1倍を納付するだけで済みます。

不動産売却時の印紙税の金額と賢い節税方法

登録免許税

登録免許税は、マンションについている抵当権を抹消するときに発生する税金です。

抵当権を抹消するときや名義変更時にかかる登録免許税の税額は、不動産1件につき1,000円の税金が発生します。

よって、建物と土地が登記登録されている場合は、2,000円の登録免許税が発生します。

また抵当権の抹消手続きは、内容が複雑なため、司法書士に依頼する方が多いです。

そのため、登録免許税は、司法書士に所定の書類を作成してもらうための依頼報酬を支払うタイミングで税金を納めます。

また登録免許税は、不動産名義を変更するときにも発生しますが、こちらは売りに出されたマンションを購入した買主が支払います。

不動産売却における抵当権抹消登記のタイミング・流れ・費用相場を徹底解説

譲渡所得税

譲渡所得税とは、マンション売却を行って発生した利益に対してかけられる税金を指します。

譲渡所得税の中には、所得税と住民税、復興特別所得税の3つの税金が含まれています。

また、譲渡所得税は、以下の計算式を用いることで計上できます。

譲渡所得税の求め方

譲渡所得税=税率×{譲渡価額-(取得費+売却費用)}

上記式中で求められる用語について、簡単に説明すると以下のようになります。

譲渡所得税を計上するために必要な費用

  • 譲渡価額:マンションの売却代金
  • 取得費:マンションの購入代金・購入にかかった諸費用
  • 売却費用:売却にかかった費用

ここからは、譲渡所得税を算出するために必要な3つの費用について1つずつ解説します。

譲渡価額

譲渡価額とは、資産や物件を売却する際に得られる価格のことを指します。

たとえば、不動産や株式、車や家電製品など、さまざまな資産を売却する際の取引価格がこれに当たります。

この価格は市場の需給状況、物件の状態、時期、立地条件など多くの要因によって決まります。

譲渡価額を正確に算出することは、税金計算や利益の確認、次なる投資判断などにおいて非常に重要です。

特に、不動産取引における譲渡価額は、売却時の利益や損失を計算するための基礎となるため、正確な価格を把握しておくことが求められます。

取得費

取得費とは、資産や物件を取得する際にかかった費用の合計額のことを指します。

これには、物件の本体価格だけでなく、以下の費用を総計して算出します。

取得費にできる費用一覧
  • 設計変更費用
  • 増改築リフォーム費用
  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 免許登録税や登記手数料
  • 契約書の印紙代
  • ローン事務手数料
  • ローン保証事務手数料
  • 固定資産税・都市計画税の精算金
  • 抵当権設定の免許登録税や登記手数料
  • 建物に付属する設備費
  • 建築費や工事にかかった諸費用
  • ローン借入日~所有開始までにかかったローン金利
  • ローン借入日~所有開始までにかかったローン保証料
  • ローン借入日~所有開始までにかかった団体信用生命保険料

一方、こちらの費用は取得費として計上することができません。

取得費にできない費用一覧
  • 町会費
  • 引っ越しにかかった費用
  • つなぎローンの金利
  • つなぎローンの事務手数料
  • 家電・家具・カーテン代など
  • 管理準備金・管理費・修繕積立金など
  • 火災保険料
  • インターネット加入料・CATV利用料

取得費はそのままの額で計算するのではなく、築年数に応じて減価償却をおこないます。

【POINT】
減価償却:不動産のうち、建物の価値を築年数に応じて減らしていくこと

減価償却費は、以下の計算式で求めることができます。

減価償却費の求め方

減価償却費=建物の取得費(購入費)×0.9×償却率×経過年数(築年数)

※経過年数の6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は端数切り捨てで計算する

ちなみに、償却率は建物の構造によって以下のように決まっています。

建材 法的耐用年数 法的耐用年数×1.5 償却率
鉄骨鉄筋コンクリート造もしくは鉄筋コンクリート造 47 70 0.015%
れんが造、石造又はブロック造 38 57 0.018%
金属造
※骨格の肉厚が4mmを超える
34 51 0.02%
金属造
※骨格の肉厚が3mmを超え4mm以下
27 40 0.025%
金属造
※骨格の肉厚が3mm以下
19 28 0.036%
木造もしくは合成樹脂 22 33 0.031%
木造モルタル造 20 30 0.034%

例えば、購入費用が2000万円の鉄骨マンションと築40年で売る場合、減価償却費は以下のようになります。

2000万円×0.9×0.015×40=972万円

つまり、譲渡所得税を計算する際、取得費は2000万円-972万円=1028万円となります。

売却費用

売却費用とは、資産や物件を売却する際にかかる費用のことを言います。

売却費用に該当するもの

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 修繕費
  • 登記の変更費用
  • 立ち退き料など

売却費用は、売却時の利益や損失を計算する際に引かれるものであり、その額を考慮しなければ実際の利益や損失を正確に把握することができません。

特に、不動産などの大きな資産を売却する際には、売却費用が多額になることが多いため、十分な注意が必要です。

事前に詳細な計算をして、想定外の出費を防ぐことが重要となります。

譲渡所得税の税率はマンションの所有期間が5年を超えると減税される

譲渡所得税の税率は、売却するマンションの所有期間の長さによって変わってきます。

税率は、マンションの所有期間に準じ、マンションの取得日から売却した年の1月1日までを基準に、所有期間が5年以下か5年以上かどうかで適用される税率が決まってきます。

税区分 不動産の所有期間 所得税※ 住民税
短期譲渡所得 5年未満 30.63% 9%
長期譲渡所得 5年以上 15.315% 5%

※所得税に復興特別所得税2.1%を上乗せ

ただし、注意してほしいのが、所有期間はマンションの取得日から売却した年の1月1日までで計算するということです。

例えば2013年2月1日に買ったマンションを2018年3月1日に売却する場合、住んでいた期間は5年1ヵ月ですが、所有期間は2013年2月1日~2018年1月1日なので4年11か月となり、税率は軽減されません。

一度売り出してしまえば、いつ成約するか分からないので事前に知っておきたい知識です。

譲渡所得税が発生したら確定申告が必要

譲渡所得税が発生する場合は、売った翌年の2月半ばから3月半ばまでに管轄の税務署で確定申告をおこなう必要があります。

譲渡所得税発生時の確定申告は必須で、期限を過ぎても申告がないと遅延金が発生するので注意しましょう。

サラリーマン・公務員の方も確定申告は必要ですが、普段は会社が代わりにおこなってくれるので、手間取ることが多いと思います。

確定申告書の書き方はこちらにまとめているので、ぜひ参考にしてください。

不動産売却時は確定申告が必要!書類の書き方を完全ガイド【決定版】

住民税は売却後1年間増税される

不動産を売却すると、所得税の他に住民税にも課税額が上乗せされます。

確定申告をした後、5月頃に住民税納付書が家に届きます。ここに納付日と納付額が書かれているのでチェックしましょう。

住民税は、1年分の課税額を4期に分けて支払います。

住民税を納付するタイミング

  • 6月末日
  • 8月末日
  • 10月末日
  • 翌1月末日

※当該月の末日が休業日の時は、翌営業日が納付期限になります。

一部自治体では住民税の期限が異なる場合があります。必ずチェックしましょう。

また、4期に分けて払うのが面倒な方は、最初の6月に一括で納付することもできます。

消費税

原則として、居住用として使用していたマンションを売却しても消費税は発生しません。

同様に、免税事業者(非課税事業者)として認められている個人事業主や法人の方がマンションを売却しても消費税はかかりません。

しかし、賃貸経営していたマンションを売却した時や免税事業者ではない法人・個人事業主が売却した時は消費税が課せられます。

また、上の条件に当てはまる方も下の課税条件を満たしていなければ、消費税の支払い義務はありません。

消費税の納税が発生する条件

  • 【法人】2期前の事業年度の課税売上高が1000万円を超える場合
  • 【個人】2年前の事業年度の課税売上高が1000万円を超える場合

不動産売却で消費税はかかる?知っておくべき課税・免税の条件

マンション売却を行って利益が出た時に課せられる譲渡所得税の計算シミュレーション

ここでは、前節で紹介した「譲渡所得税」の計算方法に則って、譲渡所得税がいくらになるのかをシミュレーションしていきます。

今回は、以下の条件下でマンション売却を行ったという仮定で発生する税金を算出していきます。

売却するマンションの情報

  • 築年数:20年
  • マンションの構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
  • 購入価格:3,850万円(建物:2,000万円/土地:1,850万円)
  • 固定資産税清算金:7万円
  • 売却価格:2,460万円
  • 諸経費:150万円
  • 所有年数:10年以上

また今回、売却するマンションは所有期間が10年以上ということになるので、以下の税率で譲渡所得税を計算していきます。

税区分 不動産の所有期間 課税譲渡所得 所得税※ 住民税
長期譲渡所得 10年以上 6,000万円以下 10.21% 4%
6,000万円以上 15.315% 5%

※所得税に復興特別所得税2.1%を上乗せ

譲渡価額の計算方法

譲渡価額は、今回売却するマンションを購入した時にかかった費用と自治体から送付されてくる固定資産税精算金を合算した価格になります。

今回のシミュレーションでは、購入価格が3,850万円、固定資産税清算金が7万円になっているので、譲渡価額は、3,857万円になります。

減価償却費・取得費の計算方法

次に取得費を求めていきます。

取得費を求めるには、減価償却費を求める必要があります。

減価償却費の計算式は、以下のものとなっており、この式に従って減価償却費と取得費を計算していきます。

減価償却費の求め方

減価償却費=建物の取得費(購入費)×0.9×(法的耐用年数の1.5倍の年数の償却率)×経過年数※

2,000万円×0.9×0.015×20=540万円

減価償却費が540万円であることが分かったら、取得費を求める計算式に当てはめて計算していきます。

取得費の求め方

取得費=土地購入価額+(建物購入価額-減価償却費)

1,850万円+(2,000万円-540万円)=3,310万円

譲渡所得の計算方法

ここまでの計算で、譲渡所得を求めるために必要な譲渡価額と取得費、譲渡費用の3点が判明しました。

これら3つの値を、譲渡所得を求めるために使用する計算式に当てはめます。

なお、ここでは一度税率を外して計算していきます。

譲渡所得税の求め方

譲渡所得税=譲渡価額-(取得費+売却費用)

3,857万円-(3,310万円-540万円)=1,087万円

譲渡所得税の計算方法

ここまでの計算で譲渡所得税を求めるために必要な譲渡所得の値が判明しました。

ここからは、譲渡所得税を所得税(復興特別所得税込)・住民税の2つに振り分け、各税金がいくらになるのかを計算していきます。

なお、譲渡所得税は、所得税・住民税・復興特別所得税を足した値になります。

所得税の計算方法

所得税は、売却したマンションの所有期間の長さによって税率が変わります。

今回のシミュレーションでは、10年以上の所有期間を経ての売却になるので、所得税の税率は10.21%になります。

1,087万円×10.21%=110.9万円(※端数切捨て)

住民税の計算方法

住民税もまた、所得税同様、所有期間の長さによって税率が変わってきます。

今回は10年以上の所有期間を経た状態で売却しているので、4.0%が住民税に相当します。

1,087万円×4.0%=43.48万円

最終的に収める譲渡所得税は、154.38万円になります。

ただし、譲渡所得税には特別控除が用意されており、3000万円の特例控除(マイホーム特例)を利用すれば、譲渡所得税をゼロにすることができます。

特別控除については、「マンション売却で利用できる特例や控除」にて解説しています。

譲渡所得税は高額になりがち!特例控除を使って節税しよう

譲渡所得税の計算式を見ると、取得費が高額になるほど課税額が減る仕組みとなっています。

取得費に計上できる費用は意外に多いので、細かい費用も経費にすることでトータルの課税額を結構減らせます。

また、条件が合っていれば以下3つの特例控除を利用することができます。

  • 軽減税率の特例控除
  • 3000万円の特例控除
  • 買い換え特例

上手くいけば、高額な譲渡所得税を0にすることもできるので、必ず利用することをおすすめします。

では、それぞれの内容を見ていきましょう。

3000万円の特例控除はお住まいのマンションを売る際に使える

住まいとして利用していた分譲マンションを売る際に利用できるのが、3000万円の特例控除(マイホーム特例)です。

この特例は売主が実際に住んでいたマンションを売る際に利用できる特例です。相続物件や別荘、投資物件を売る際は利用できないので注意しましょう。

マイホーム特例を利用できる条件は、主に4つです。

  • 自分が家主として利用している自宅を売却した時
  • 家に住まなくなった日から最大3年後の12月31日までに売却が完了した時
  • 敷地のみを売る際は、建物の取り壊しから1年以内に敷地の売買契約が結ばれた場合(その間、別の用途に敷地を使った場合は利用不可)
  • 家主が単身赴任している場合は配偶者が住んでいる(いた)物件を売却した時

この特例を使うと最大3000万円分の譲渡所得税を控除できるので、かなりお得です!

複数人で共有していたマンションにも利用できる

兄弟で分割相続したマンションの売却や、夫婦でお金を出し合い購入したマンションを離婚で売る際にも、マイホーム特例を利用することができます。

マンションを売った利益はこの場合、各所有者に分配されますが、この時それぞれの人がマイホーム特例を利用することができます。

特に離婚後は引っ越しの準備金や新生活の費用が必要だったりするので、それぞれ特例利用できるのは魅力ですね。

離婚でローンが残ってる家を売却…手続きの流れや財産分与はどうなる?

所有期間が10年を過ぎると軽減税率の特例で税金が更に安くなる!

所有期間が5年を過ぎていると譲渡所得税の税率が安くなりますが、10年を過ぎたタイミングでは税率が更に下がります。

所有期間10年超のマンションを売った時の税率
譲渡所得(円) 住民税の税率 所得税の税率
6000万円以下 10% 4%
6000万円超 (譲渡所得-6000万円)×15%+600万円 (譲渡所得-6000万円)×5%+240万円

課税額を5年以内に売った時の3分の1以下にまで抑えることができるので、かなり負担が楽になりますよ!

買い換え特例を使えば納税を後回しにできる!

お住まいとして利用しているマンションを売り、新居に引っ越すことを住み替え(買い換え)と言います。

この時は、独自の買い換え特例を利用することで節税をおこないます。

買い換え特例は、3000万円控除の4条件に加えて以下の条件を満たしていることが必要になります。

  • 買い換えた住宅価格が売却価格よりも高い
  • 売った家の所有期間・居住期間がともに10年超
  • 売却価格が1.5億円以下
  • 買い換えた住宅が床面積50㎡以上・敷地面積500㎡以下
  • 築20年以内に買い換えをおこなっていること(マンションに限る)
  • 引き渡しの前年1月1日~翌年12月31日までに買い換え先を購入している
  • 買い換えた翌年末までに居住が完了していること(予定)

買換え特例を使えば、当面の税金の支払いを損益通算して0にし、買い換えた物件を売却する時まで納税を先送りにできます。

実際の損益通算の流れを、所得600万円の人がマンションを2500万円で売った時を例にみていきましょう。(所得収入は変化しないものとする)

売却してからの時間 所得 控除した結果
売却した当年 600万円 2500万-600万=1900万円→課税0
2年目 600万円 1900万-600万=1300万円→課税0
3年目 600万円 1300万円-600万=700万円→課税0
4年目 600万円 700万-600万=100万円→課税:100万円

このように売却損を他の所得と損益通算して、当面の支払いを0にできます。

家を売る時にかかる税金をわかりやすく解説!計算方法・節税対策

マンション売却で利用できる特例や控除

住宅ローン減税

住宅ローン減税は、自宅を購入するために借入れたローンの利子支払額に対して、一定期間、所得税及び住民税から一部が控除される制度です。

通常、住宅を売却するとこの減税の適用は停止されます。

ただし、売却後も継続して適用される特例として、「再取得特例」があります。

売却した自宅の代わりに新たな自宅を購入する場合、その購入資金の一部に売却益を充当した場合に適用されます。

3年ルール(特別控除)

所得税法では、自宅を購入してから3年以内に売却し、売却によって損失が発生した場合、その損失を他の所得から控除できる特例が設けられています。

この「3年ルール」は、新築の住宅を購入したものの、急な転勤や生活環境の変化などにより売却せざるを得なくなった場合などに利用できます。

譲渡所得の非課税制度

売却益(譲渡所得)が一定額までなら課税されないという特例があります。

自宅を売却し、その売却益を新たな自宅の取得資金に充当する「再投資特例」や、65歳以上の高齢者が自宅を売却した場合に適用される「高齢者譲渡所得非課税制度」などがあります。

これらの制度を利用することで、売却によって発生する所得税や住民税の負担を軽減することができます。

ただし、それぞれの制度には適用要件がありますので、売却を検討する際には専門家に相談しましょう。

3000万円で築30年の鉄骨マンションを売却した時にかかる費用をシミュレーション!

実際に、3000万円でマンションを売ったケースを例に費用をシミュレーションしていきましょう。

ただその前に、かかる費用は以下の2通りで大きく変わることを知るべきです。

  • 購入価格≧売却価格の場合
  • 売却価格>購入価格の場合

ここからは、それぞれのケースでかかる費用を算出していきましょう。

①購入価格≧売却価格の場合

売却価格よりも購入価格の方が大きい売却損の場合、譲渡所得税がかかりません。

この時にかかる最も高額な費用は仲介手数料になります。

では、売却損の出た価格3000万円のマンションの費用をシミュレーションしていきましょう。

売却損が出た時の費用
  • 仲介手数料:3000万円×4%+6万円=126万円
  • 印紙代:5000円
  • 抵当権抹消費用:15000円
  • 計:128万円

その他にも部屋のクリーニング費用や住宅ローンの一括返済手数料がかかると考えれば、総額で140万円弱くらいでしょう。

つまり、売却価格の5%くらいが費用で引かれてしまうことになります。

②購入価格<売却価格の場合

購入価格より売却価格が多いと、譲渡所得税が発生します。

建物は築年数が経つごとに価値が下がっていくので、売却益が発生するケースはあまり多くありません。ただ最近は東京オリンピック特需で首都圏の地価が高騰しているので、リーマンショックや東日本大震災の直後に安く買ったマンションは売却益が出る可能性もあります。

売却益が出た場合の費用を築30年の鉄骨マンションでシミュレーションしていきましょう。ちなみに、売ったマンションの購入価格は2500万円・購入にかかった費用は100万円だったと仮定します。

売却益が出た時の費用
  • 仲介手数料:3000万円×4%+6万円=126万円
  • 印紙代:5000円
  • 抵当権抹消費用:15000円
  • 譲渡所得税:30%×{3000万円【譲渡価額】-(2372万円【減価償却後の取得費】+128万円【売却費用】)}=30%×2500万円=750万円
  • 計:878万円

譲渡所得税が発生したことで、費用が一気に跳ね上がりました。譲渡所得税をそのまま払っているとコストがかかり過ぎるので、特例控除を必須で利用するようにしましょう。

マンション売却でかかる費用・手数料は大きく分けて4つ

マンション売却にかかる税金以外の費用は、大きく分けて以下の4つです。

  • 仲介手数料
  • 抵当権抹消登記費用
  • 司法書士への報酬
  • 住宅ローンの一括返済手数料

ここからは、それぞれの費用について解説していきます。

仲介手数料は売却損が出た時も高くつく!

仲介手数料は、販売活動を不動産会社に任せる代わりに成約の報酬として支払う手数料のことです。

仲介手数料は売却益が出たか売却損が出たかに関わらず支払う義務があるので注意しましょう。

仲介手数料は、マンションの売却価格に応じて以下のように決まっています。

取引額 仲介手数料(法定の上限額)
200万円以下 売却額×5%
200万円超400万円以下 売却額×4%+2万円
400万円超 売却額×3%+6万円

例えば、マンションを1000万円で売った時、仲介手数料は1000万円×3%+6万円=36万円となります。

上の表示は法定の上限額ですが、慣例上そのままの金額を請求されることが多いです。

ハードルは高い!ただし3つの方法で仲介手数料は値下げできる

仲介手数料は会社の収益になるので、値下げをするのは非常に難しいです。

ただ、以下の3つの方法を使えば値下げをすることは可能です。

  • 直接担当者に値下げ交渉をする
  • 大手不動産会社の値引き特典を使う
  • 季節ごとに実施している値下げキャンペーンを活用する

一番効果的なのは直接交渉をすることですが、成功率は高くありません。下手に交渉をして相手のやる気を沿いでしまったら意味がないので、「売出し前にリフォームをして高く売れそうなので、仲介手数料を○%下げてくれませんか?」というようにギブアンドテイクの提案をすることをおすすめします。

抵当権抹消登記費用(登録免許税)はローン残債がある時に支払う

マンションを売る時は住宅ローンが残っているケースが多いです。

住宅ローンは物件を担保にして借りますが、この時物件に抵当権という権利をつけます。

これは、ローンが期間内に返済できなかった時に担保物件を差し押さえて競売に出すことができるという権利です。抵当権はローンを返済しても残るので、売却前に取り外す手続きが必要です。

抵当権抹消にかかる費用は、不動産1件につき1,000円かかります。

マンションなら1000円で済むケースが多いですが、一戸建てのマイホームなら土地部分と建物部分にそれぞれ費用がかかるので、計2000円となります。

不動産売却は抵当権付き物件でも出来る?抹消登記の手続き・費用について解説

司法書士への報酬は素直に払ってしまうのがおすすめ!

抵当権抹消のような複雑な登記手続きは、基本的に司法書士に依頼するようになります。

司法書士は自分で探すこともできますが、大体は契約している仲介業者があっせんしてくれるので心配は入りません。

司法書士に支払う手数料は1万5000円ほどが相場となっています。

「費用を出すのがもったいないな…」という方は、司法書士に依頼せず自分で登記をすることも出来ないわけではありません。

ただ、手続きはネットを見て出来ても、どこかに記入漏れがあったりすると法的に罰則を受ける可能性も出てきます。費用を惜しまず、素直に専門家に依頼することをおすすめします。

不動産売却で司法書士は何をするの?役割と費用相場について

住宅ローンは残高をそのまま返済するだけではない!一括返済手数料を忘れずに

ローンの残るマンションを売る際は、売却代金を使って残債を一括返済します。

一括返済をする時は残高を返すだけでなく、別途で一括返済手数料がかかります。

一括返済手数料は、金融機関によっても価格が異なります。

【主要銀行住宅ローンの一括返済にかかる手数料】

金融機関 一括返済手数料
ARUHI 0円
イオン銀行 5万4000円
じぶん銀行 3万2400円(変動金利:0円)
新生銀行 0円
住信SBIネット銀行 3万2400円(変動金利:0円)
ソニー銀行 0円
楽天銀行 0円
みずほ銀行 3万2,400円
三井住友銀行 5400円
三菱UFJ銀行 1万800円
りそな銀行 1万800円
三菱UFJ信託銀行 3万2,400円
優良住宅ローン 0円
カブドットコム証券 1万800円

ただ、返済期限が残り少なくなると手数料が値上がりする可能性もあります。

ローン残債のあるマンションを売る際は、必ず銀行に連絡をして手数料額を確認しましょう。

マンション売却にローン残債はどうする?

固定資産税と管理費・修繕積立金は日割りで精算することができる

マンションを所有する際にリスクとなるのが固定資産税です。

固定資産税は1月1日時点の不動産所有者に対して1年間課税義務を負わせる税金です。そのため、年の途中で売却して権利が移ったあとも、その年は買主に課税され続けます。

ではどうするかというと、引き渡し日を起点として日割り精算するのが一般的です。

例えば、引き渡し日が6月1日だった場合、売主:買主=152日:213日(365-152)として、課税額を精算します。詳しい方法はこちらにまとめているので参考にしてください!

不動産売却後の固定資産税は誰が支払う?どう精算・納付する?

引き渡し月の管理費・修繕積立金は売主が払うのが一般的

分譲マンションの1室を売買する時は、管理会社に支払っている管理費・修繕積立金の支払いをどうするか迷ってしまうと思います。

例えば、管理費の納付期限が毎月20日のマンションを30日に支払ったら翌月の費用から買主が支払うのが自然なように感じます。ただ、家賃や管理費は早めに払うのが一般的なので、売主が既に翌月分を払っている可能性が高いです。

この時、買主に管理費を30日~翌20日分日割りした額を払い戻してもらうことも可能です。

とは言え、こうした細かい費用まで精算を求めると、買主に気分を悪くされるケースも考えられます。

中古マンションの売買では高額を支払ってくれる買主がどうしても有利で、契約もそこまでリスクなく解除することができます。

お金に余裕があるなら、スムーズな引き渡しを優先して売主が全額払ってしまうことをおすすめします。

分譲マンションを売却すると管理費・修繕積立金の支払いはどうなる?

火災保険料・地震保険料・銀行保証料は手元に戻って来る可能性大

マンション売却で支払う費用の中には、物件の引き渡し後に戻ってくるものもあります。

自動的に戻ってくるものだけでなく、手続きをしなければ返ってこないものもあるので、知っていれば確実に得をしますよ。

一度払っても戻ってくるものとして代表的なのは、以下の2つです。

  1. 火災保険料・地震保険料
  2. 銀行保証料

これらの他にも、前の住所で登録していたもの(会員サービスなど)は変更をしておかなければ気づかれない間にお金を取られてしまいますので、注意しましょう。

火災保険料・地震保険料はマンション購入時に長期一括でかけることがありますが、マンションを売るために解約をすると残り年数分の保険料が戻ってきます。

解約しなければ戻ってはこないので、注意をしておきましょう。

家の売却では火災保険をいつ解約する?残りの保険料は戻ってくる?

また、ローン借り入れ時に支払った銀行保証料も抹消手続きのときに戻ってきます。

こうしたお金の存在を知っているかどうかで、マンション売却時に余裕を持った費用の支払いができます。

税金・費用・手数料のポイントを抑えてお得にマンション売却をしよう

マンションを売る際は、必ず査定をしてだいたいの売却価格をイメージします。

マンション査定の方法ガイド!高く売るポイントと失敗しない注意点

この時、高い価格が出たからといって安易に喜んではいけません。

さまざまな費用で引かれてしまい、手取り額はもっと下がってしまう可能性が高いのです。

「マンション売却を成功させたい!」と思ったら、諸費用の対策をしていくことも重要です。

こちらの記事に書いてあることを参考に、売却を成功させましょう!

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