苦悩し気づいた伴走型リーダーシップ術。パッションとコミュニケーションでチームを牽引する転職4年目課長の挑戦

教師からIT業界に転職した児玉 雄大さん。初めて担当したプロジェクトで、困難を乗り越えながら業界トップの地位を獲得し、入社3年というスピードで課長に抜擢されました。しかし、マネジメントの壁にぶつかり苦悩と後悔の連続。プレイヤーとしてチャレンジを続けながら、チームでの成功にこだわる児玉さんに、過去と現在、そして未来について聞きました。


<プロフィール>
児玉 雄大さん(Yuta Kodama)
マーケティングプランニング事業部 第2 第2課 課長

東京福祉大学を卒業し教職に就く。2020年6月、東晶貿易に転職し、ジョブローテーション後にマーケティングプランニング事業部 第2に配属。現在は、同部第2課の課長としてメンバーのマネジメントをしながら、最前線でフロント業務やWEBメディアの制作・運営に携わる。

ITスキルを身に付け教育に携わりたい。転職のきっかけは小学校でのプログラミング授業導入

―教師からIT業界へ転職。きっかけと入社の決め手を教えてください。

小学校の先生になるために大学へ進学し、母校での教育実習も経験。教員採用試験を受けて合格し、2016年に夢だった教師生活がスタートしました。大変なこともありましたが楽しかったですし、やりがいも感じていましたね。でも、自身の未熟さや知識の乏しさに引け目を感じることもあって。もっといろいろな経験を積んでいたら、生徒たちに伝えられることがたくさんあったのではないか。もっと違った接し方ができたのではないかと、考えるようになりました。

転職を決意したのは、在籍していた小学校でICTの導入が進み、プログラミングの授業に力を入れ始めたことでした。当時の私はITに関する知識はほとんどなく、こんな状態で教えることができるのか?と。そして、ITスキルを身に付けて別の形で教育に携わりたいと思い、東晶貿易に入社しました。ITの知識もスキルもゼロ。不安もありましたが、面接を通して働く人や教育体制に惹かれましたし、未経験でも成長できると感じたのが入社を決めた理由です。現在携わっているプロジェクトの中には教育系WEBメディアもあるので、IT業界で教育に携われていることが嬉しいですね。

―入社後はどのような仕事を任されたんですか?

最初は、会社全体を見ることができる統括部に所属。バナーを作ったり営業をしたりと、タスクを与えてもらって実践形式で仕事を覚え、約2ヵ月をかけてITの基礎を学びました。
その後、ジョブローテーションでさまざまな部署の仕事を経験し、2020年12月にマーケティングプランニング事業部 第2に配属。既に公開されていた自社WEBメディアの運営サポートからスタートしました。幅広い仕事を任せてもらえるので、記事を書くことや分析は苦手、人の懐に入ったりコミュニケーションを取ったりすること、フロント業務(営業・クライアント交渉)は得意と、自分の長所・短所に気づくことができましたね。

新プロジェクトは挫折の連続。苦悩から導き出した成功の鍵

―入社して早いタイミングで新プロジェクトの立ち上げに携われるのは、東晶貿易の特長です。こうした環境にプレッシャーを感じることはありませんでしたか?

私も本配属から1ヵ月が経った頃、新しいプロジェクトを任せてもらったのですが、プレッシャーは感じませんでした。どちらかと言えば、新しいことを始めることもチャレンジすることも楽しめるタイプです。最初のプロジェクトは、キャリアの中でも最大級の成果を出したのですが、苦い経験もしましたし、失敗したな、もっと上手くできたはずだと感じることがたくさんありますね。

―どんな苦労があって、何を失敗したと感じているのですか?

新プロジェクトは、EC系情報メディアの立ち上げでした。コミュニケーション力が必要なフロント業務は得意だったので、掲載する企業への営業は概ねスムーズに進みました。でも、サイト制作にこだわりすぎて、公開までに相当な時間をかけてしまったんです。一概には言えませんが、1ヵ月ぐらいで公開して広告運用をスタートするのが通常だとすると、3ヵ月ほど費やしましたね。上司から「いつ公開できるのか?」と聞かれると、「ここを調整しているのでもう少し時間が必要……」と返答していたと思います。

今振り返ると、クオリティもデザインも重要ですが、情報メディアの場合は公開してPDCAをまわさないと成功か失敗かも分からず、売上も利益も生みません。それに気づかずに、時間だけを使っていました。

それでも何とか公開して、売上・利益が出るようになった時は嬉しかったですね。評価もしてもらえたので、どんどん楽しくなって、もっと上位へもっと利益を出したいという思いが強くなり、突っ走ってパソコンとだけ向き合う日々が続きました。そして、気づかないうちに視野が狭くなり、まわりとコミュニケーションを遮断して自分のことしか見えなくなっていましたね。そんな時、また壁にぶつかります。順調に成長していたメディアは停滞期に突入。分析結果を見てサイトの見直しを繰り返したのですが思うようにのびない。やっと、これでは駄目だと気づいたんです。

―そんな状況からどのように抜け出したのですか?

1つは、コミュニケーションです。もともと風通しが良い社風なので、上司に相談したり成功している他部署の人が実践していることを聞いたりして、うまくいかない理由を探り何が足りないかを考え、素直に受け入れ行動しました。2つ目は、自分の得意なフロント業務(営業・クライアント交渉)に改めて力を入れたことです。まわりの協力を得て思考錯誤しながら伸び悩んだ時期を脱出し、売上も利益も伸ばすことができました。

パッションで巻き込み、コミットして、成功を手に入れる

―積極的なコミュニケーションとフロント業務の見直し。具体的にどのような行動をとったのですか?

例えば、サイトを見て商品を購入してもらうためには、私が担当・運営している情報メディアのクオリティを高めると同時に、商品購入サイト、つまりクライアントが管理するサイトのユーザビリティも重要です。申込方法は分かりやすいか、決済方法はスムーズかなど、クライアントに改善策を提案してサイトを改修してもらったことがありました。コミュニケーションを取ることで良好な関係を築き、目標達成のために必要な施策だと説得できたら、クライアントはきっと協力してくださると。

―まさに、行動指針の実践ですね。

そうですね。クライアントをパッションで巻き込み、プロジェクトの成功を責任を持ってコミットした結果だと思っています。東晶貿易は、大きな裁量権を持って仕事に取り組めます。どんな施策を打つかもアイディア次第で、業務範囲にも制限はありません。もちろん、クライアント、ユーザー、私たち3者がWin‐Win‐Winになることが大前提ですが、成果を出すために必要ならどんな施策にもチャレンジできるので、その成果だと思います。

ただ、こうした成功体験を横展開してメンバーの成長をサポートし、課として成長・成功ができているかを考えると、まだまだ。会社の期待に応えられていないと思っているので、私自身には課題が山積みです。

メンバーと共に成長・成功するための伴走型マネジメントを実践中

―今後の目標を教えてください。

マネジメントスキルを磨きたいです。メンバーに寄り添い、プロジェクト1つひとつを一緒に成長させて、課全体の成功体験を増やしていきたいです。実は、行動指針の中でも「ロジカルに考える」は実践できていなくて、正直、苦手意識を持っていました。メンバーから「なぜ?」と問われた時に言葉を詰まらせてしまうことがありました。当たり前なのですが、成功体験や自分の実績から考えや施策を押し付けるのではなく、ロジカルな思考と共感力をもとにメンバーが納得し、主体的に行動できるような環境を築きたいと考えています。そして、メンバーの成長を支援することに長けた課長として評価されるようになりたいです。

プレイヤーとしては、教育関連の新メディア立ち上げや担当するWEBメディアに関連したオリジナル商品の開発にも挑戦したいと思っています。

(インタビュー日:2024年12月4日)