リースバックとは?仕組みとメリット・デメリット・注意点をわかりやすく解説

リースバック 不動産を売る

最近不動産業界で話題なのがリースバックという新しいサービスです。

ハウスドゥや大和ハウスが中心となって展開しているサービスで、シニア層を中心に人気が爆発中。リリース当初は1万件近い問い合わせがあったそうです。

リースバックとはどんなサービスなのでしょうか?内容とメリット・デメリットを解説していきます。

家まもルーノの評判は?リースバック一括査定のメリット・デメリットと利用者の口コミを紹介

  1. リースバック(賃貸借契約付き売却)は2013年から始まった新サービス
    1. 賃貸借契約を結んだ後に再購入も可能
  2. リースバックの仕組みは業者買取と賃貸契約の組み合わせ
  3. リースバックが注目されている理由は主に2つ
  4. リースバックのメリット活用事例!シニアから借金に困る方まで幅広く人気
    1. リースバックはシニアに人気!老後の生活資金・相続対策におすすめ
    2. リースバックはローン・借金に苦しむ方にも人気!任意売却と組み合わせて引っ越さずに問題解決
  5. 起業家・個人事業主にリースバックの人気拡大中!赤字でも審査なしでお金が手に入る
    1. 資金繰りや資金調達・事業の整理にも有効
  6. リースバックの3つの利用条件
  7. リースバックのメリット
    1. ①まとまったお金をもらうことができる
    2. ②他人に知られることがない
    3. ③再購入ができる
    4. ④固定資産税がかからない
    5. ⑤仮住まいに引っ越す必要がない
    6. ⑥保証人が不要
    7. ⑦利用者の属性・信用情報に影響されない
    8. ⑧住宅ローンが残っていても売却可能
    9. ⑨お金の用途が限定されない
    10. ⑩不動産の運用・管理コストを削減できる
    11. ⑪不動産の所有リスクを免除にできる
  8. リースバックのデメリット
    1. ①買取価格が時価の6~8割まで下がる
    2. ②家賃相場が周辺物件よりも高い
    3. ③買い戻し価格が相場よりも高くなりやすい
      1. 買い戻し特約を結んだら必ず買い戻さないといけない
      2. 再売買の予約をすれば買い戻し期間を自由に設定できる
    4. ④リースバック業者が倒産したり早期退去を要求してきたりするリスクがある
    5. ⑤相続トラブルに発展する可能性がある
    6. ⑥意外と高額な費用がかかってしまう
    7. ⑦対応業者が少なく選択肢も限られている
  9. リースバックと任意売却の違い
  10. ローンが払えず競売へかけられる前にリースバックを依頼しよう!依頼の期限・タイミングを整理
  11. リバースモーゲージとは?リースバックとどこが違う?
    1. リースバックはリバースモーゲージより手軽に利用できる
  12. リースバックの注意点!事前に確認すべきポイントとは?
    1. 安定収入が今後も見込めるか
    2. 共有名義人・被相続人がリースバックに納得しているか
    3. 住宅ローンが買取価格を上回るか
    4. リースバック審査はローン残債付きの物件に対して厳しい
    5. 定期借家契約なので期限の融通が利かない
      1. 期限後にどうするかの取り決めを必ずおこなうべし
    6. リフォーム・建て替えは認められるがオーナーの確認が必要
    7. リースバックの価値算出は通常と異なる
      1. 買取スピードが早いリースバック業者ほど買取価格が低い傾向
  13. リースバックが向いている人の特徴
  14. リースバックのよくある質問
    1. 旧耐震基準の物件でもリースバック可能?
    2. ほぼ価値のない物件でもリースバック可能?
    3. 田舎の物件でもリースバック可能?
    4. リースバック実施時はどれくらいの日数で資金調達できる?
    5. リースバックで得たお金は何に利用できる?
  15. リースバックは得だけではない!リスクもしっかり考えよう

リースバック(賃貸借契約付き売却)は2013年から始まった新サービス

リースバックを正式に英語で言うと「sale and leaseback」といいます。

これを日本語に訳すと「賃貸借契約付き売却」となります。少々難しいですね。

不動産業界で言うリースバックは、自宅を不動産会社や投資家に売り、売った相手と賃貸借契約を結んで、そのまま住み続けるという仕組みになります。

この一連の流れをパッケージ化したサービスをハウスドゥなどが提供しており、人気を集めています。

ハウスドゥのハウス・リースバックはFC加盟店がそのまま物件を買い取り、店舗が貸主になって賃貸借契約を結びます。

その後、決められた期間住み続け、期限が切れたら店舗が再販するという仕組みになっています。

賃貸借契約を結んだ後に再購入も可能

賃貸借契約を結んでから期限が切れるまでの間に、再度家を購入することもできます。

これを買い戻しといいます。

買い戻し時の金額も最初に提示してくれるので、再購入に向けて計画が立てやすくなっています。

再購入者を自分の子どもに設定できることもできるので、老後資金を蓄えつつ、固定資産税や維持コストの支払いも回避しながら、円滑に物件を相続することもできます。

リースバックの仕組みは業者買取と賃貸契約の組み合わせ

リースバックの仕組みは、不動産買取と賃貸契約を組み合わせたものになります。

リースバックに出したい物件は、まず不動産会社によって直接買い取られます。

不動産会社は物件を査定した上で買取査定額や買取条件を提示します。

これに売主が納得したら、換金・引き渡しを進めていきます。

買い取られた物件は不動産会社の持ち物になります。

その上で、買い取った不動産会社が貸主、元の持ち主が貸主となって賃貸契約を結びます。

2つの全く違ったサービスを組み合わせることで、売主は買取代金をもらった後も住み続けることが可能なのです。

リースバックが注目されている理由は主に2つ

リースバックがここまで注目されている理由は、経済的な側面と精神的な側面の2パターンがあります。

経済的な側面で言えば、家という高額資産の権利を移転するだけで、ノーリスクでまとまったお金を手に入れられるのが大きな魅力です。

また、固定資産税や維持費などのコストを抑えられるのもメリットです。

また、傍目から見ると持ち家から借家に変わったことが全く分からないので、変な噂が立つこともありません。

借金返済が目的でリースバックを依頼した場合も、これまでと何ら変わらず近隣の付き合いを続けることができます。

リースバックのメリット活用事例!シニアから借金に困る方まで幅広く人気

リースバックは幅広い方に人気ですが、その中でも特に以下の2タイプの方へ高い需要があります。

  • シニア層
  • 経済的に苦しい人達

なぜこうした人に人気なのでしょうか?

リースバックはシニアに人気!老後の生活資金・相続対策におすすめ

リースバックは比較的新しいサービスですが、はじめにシニアを中心に人気を拡大しました。

大きな要因は、年金だけでは不安な老後の生活資金を得るために、リスクなくまとまったお金を得られる点です。

30~40代で建てた家なら60代では築20年前後ですから、築年数の経過で劣化する前に早めにリースバックをして高い利益を得たいという思惑も関係しているでしょう。

また、買取に出した時点で持ち主は不動産会社になるので、固定資産税などの維持費を払わなくて済むのもポイントです。

リースバック期限が過ぎた際は、優先的に子どもが買い戻せるようにする特約を結ぶこともあります。

直接の相続ではなくなるため、相続税対策にもなります。

リースバックはローン・借金に苦しむ方にも人気!任意売却と組み合わせて引っ越さずに問題解決

リースバックは借金に苦しむ方が手っ取り早く問題解決する方法としても人気です。

特に住宅ローンの支払いを滞納しており、差し押さえ間近の方は、リースバックと任意売却を組み合わせることで、滞納問題を解決することができます。

傍から見れば家を売った気配が全くなく、今まで通り住み続けているので、近隣住民もまさか差し押さえされそうだったなんて気づきません。

リースバックは債務者のプライバシー保護にもなるのです。

起業家・個人事業主にリースバックの人気拡大中!赤字でも審査なしでお金が手に入る

今まではシニアの生活資金補填や借金問題解決に利用されることが多かったリースバックですが、現在では起業家や個人事業主・法人経営者らにもシェアを拡大しています。

通常、法人・事業主が事業資金を準備する際は、事業用ローン(ビジネスローン)を借りるのが一般的です。

ただ、事業用ローンには審査があり、事業が赤字の方、すでにローン借入がある方などは借りれる見込みがほぼありません。

そこで注目されているのがリースバックです。

リースバックで得られるお金は物件を売ったお金ですから、事業の状況によってもらえないということがありません。

リースバック後に借りて所有できるのには期限がありますが、得た資金を使って短期で事業を拡大し、大きなオフィスへの移転を考えている方にとっては期限が大したリスクにはありません。

ローンとリースバックは全く違うサービスですが、「審査なしでお金をゲットできる!」として、注目を集めているのです。

資金繰りや資金調達・事業の整理にも有効

所有している不動産(工場などの生産ラインを含む)の見直しは、会社経営で重要です。

「○○社が不動産を売った」ということがニュースや噂になり、経営状況を訝しがられるケースも多々ありますが、リースバックにはその心配もありません。

また、無駄な工場・生産ラインの見直しにもリースバックは有効です。

リースバックの3つの利用条件

リースバックが利用できる条件は、大きくこちらの3つです。

  1. 毎月の家賃(リース料)が安定的に払えること
  2. 流動性の高い物件であること
  3. 担保割れの場合、債権者(金融機関)が売却に応じること

まず、賃貸借契約の後は家賃を期限まで払い続けることが前提です。

年間の家賃は売却代金の1割程度になるので、決して安くはありません。

また、リースバックは慈善事業ではないので、買い手にとって全く魅力のない物件だと売ることができません。

また、リースバックは住宅ローンが払えないときに任意売却と併用することもできますが、この場合は金融機関の許可が必要になります。

リースバックのメリット

リースバックはどんなメリットがあるのでしょうか?

通常の不動産売却と比較して、詳しいメリットを紹介していきます。

①まとまったお金をもらうことができる

リースした家の代金は、賃貸が始まる段階で一括で支払われるのが一般的です。

分割で少しずつ支払われることがないので、すぐまとまったお金が欲しい方におすすめです。

銀行や地方自治体にも高額の融資制度は準備されていますが、申し込みから融資まで、非常に手間がかかってしまいます。

また、普通に仲介売却で売る場合は3~6か月の期間がかかってしまいますが、リースバックの場合は1か月以内で換金することができます。

②他人に知られることがない

物件の売り出し情報が世に出回ることがないですし、外から見れば借家に変わったことはわかりません。

深刻な事情をかかえる方も、リースバックしたことを周囲に知られず住み続けることができます。

離婚、借金、ローン滞納などでお困りの方、今後の生活費が心配な方なども有効活用することができます。

また、不動産を所有している法人にもリースバックは有効です。

ある会社が不動産を売ったという情報でクライアントが提携を不安視したり、株価が下落したりする可能性も考えられます。

その点、リースバックなら周囲に売却を知られないので安心です。

③再購入ができる

一度リースした物件も、自分の好きなタイミングで買い戻すことができます。

通常は一度物件を売ってしまったら手元に戻すことはできませんが、リースバックならいつでも買い戻しが可能です。

リースバック物件の買い戻しを希望する際は、事前に買い戻し特約を結ぶ方法と、契約で優先的に買い戻せることを取り決める方法の2通りがあります。

ただ、買い戻し特約は効力の強い制度なので、期限までにリストラや入院などで経済的な打撃を受けた場合でも、買い戻しを実施しなければいけません。

将来のことは100%わからないので、買い戻し特約を結ぶのは出来るだけ避けたほうが良いでしょう。

④固定資産税がかからない

賃貸物件になることで、固定資産税がかからなくなります。

家を買ったは良いものの、固定資産税が思いのほか高額で支払いに悩む方も少なくなりません。

リースバックは固定資産税の支払いを避けるためにも使うことができます。

ただ、この時に注意したいのが固定資産税の支払いは1月1日時点で不動産を所有している方に対してかかるということです。

例えば、あなたがリースバックを実施して3月1日に引き渡した場合、その年の12月31日までは法的な支払い義務が発生し続けるのです。

この場合、2か月間の課税額を依頼者が、10か月間の課税額を業者が支払うように日割り精算するのが一般的ですが、これは法律などで明確に決められた制度ではないので、100%精算してもらえるかは分かりません。

固定資産税は非常に高額なので、リースバック後も納税し続けるのは非常にもったいないです。

固定資産税が精算できるかどうかは、事前にリースバック業者へ必ず確認しましょう。

⑤仮住まいに引っ越す必要がない

転勤や住み替えで新居に引っ越す際は、家を売ってから新居ができるまで仮の賃貸物件に住む必要があります。

この時は家賃や引っ越し代が無駄にかかってしまいますが、リースバックは仮住まいを準備することなく、そのまま借家に移行できます。

借家の場合は月ごとの支払いなので、そこから引っ越す場合でも出費を最低限に抑えることができます。

もうすでに現在の住まいに愛着がなく、引っ越しを検討している場合でも、急に子どもの学区を変えたりするのに抵抗がある方は、リースバックをすることで資金を手に入れられるだけでなく、新居の契約や建築が済むまでの時間稼ぎにもなります。

短期間のリースバックは特にリスクがなく、膨大な準備が必要になる訳でもありません。

そのため、引っ越し予定がズレた場合などに、柔軟に利用することも効果が見込めます。

⑥保証人が不要

住み替えの場合は保証人が必要になるケースが多いですが、リースバックなら住み続けることになるので、保証人を新たに立てる必要はありません。

ただ、リースバック物件の賃料は相場よりも割高になるため、賃貸契約時に連帯保証人が必要になるケースも稀にあります。

経済状況や契約者本人の年齢によって連帯保証人が必要になることもあるので、事前に条件を確認しておきましょう。

⑦利用者の属性・信用情報に影響されない

類似のリバースモーゲージなどと違い、リースバックは金融機関のローン商品が絡むサービスではありません。

そのため、利用者の年収の低さや年齢、信用情報の状況などを審査されることがありません。

銀行や自治体が提供しているローンを借りる際は、信用情報が傷つくリスクも重々考える必要があります。

生活費をカードローンで借りると、信用情報に借金履歴が登録され、履歴から削除されるまで各種ローンやクレジットカードなどの審査に通りにくくなってしまいます。

加えて、銀行が提供している住宅ローン、教育ローン、医療ローンなどは用途を限定している割に、同時に複数ローンの借入をおこなうのは推奨されていません。

借入ローンが増えることで返済リスクが上がることが大きな要因ですが、リースバックはローンよりもまとまったお金が一気に入るだけでなく、どのような割合で、どのような用途に利用してもOKです。

そのため、娯楽費、美容代といったローンで借りにくい費用に使えるだけでなく、3割を学費、2割を医療費…というように柔軟に利用することができます。

⑧住宅ローンが残っていても売却可能

任意売却と併用すれば、ローンが残っていても売却可能です。

通常の任意売却では家を売ってローンを返済した後、さらに引っ越しをしなければいけません。

一方、リースバックなら返済後のコストを抑えることができます。

ただ、「任意売却とリースバックを併用しよう」といっても、この2サービスの併用プランがリースバック業者のほうで準備されている訳ではありません。

住宅ローン滞納が進み、すでに督促状が自宅に届いている状態ではリースバックはおこなえないので、任意売却で残債を処理するようにしましょう。

⑨お金の用途が限定されない

銀行や自治体に低金利でお金を借りようと思ったら、審査に通る必要があったり、書類を集める手間が面倒だったりします。

特に公的機関が実施している給付制度は条件や用途を細かく限定していることが多く、また世間の目が厳しいこともあって気軽に利用できるものではありません。

一方でリースバックはお金を借りるのではなく不動産の所有権を換金する仕組みなので、もともと合った資産の形が変わっただけで自分が所有してきた資産なので、誰かに用途を限定されることは一切ありません。

学費、教育費、医療費など様々な用途で活用することができます。

⑩不動産の運用・管理コストを削減できる

リースバックをおこなうことで、固定資産税だけでなく事務手続きや人件費などの削減も可能になります。

個人だけでなく法人で、不動産の管理が負担になっている場合にも大きな影響が得られるでしょう。

企業が所有する不動産は自社ビル以外にも店舗や工場、倉庫、社員寮など様々あります。

不動産売却を周囲に気づかれることなく、経営のスリム化を図ることができます。

⑪不動産の所有リスクを免除にできる

不動産を所有するリスクは何も維持コストがかかるだけではありません。

少し目を離した隙に悪用されたり、放火されたりするリスクもありますし、災害の多い日本では投資した不動産が実害を受ける可能性も常にあります。

不動産の所有者には管理の義務がありますから、このようなことが起こったらイレギュラーの修繕費用を捻出しなければいけなくなります。

実際の使い方は変わらなくても、リースバックによって所有権を移すことでもしもの時のリスクを避けることができます。

特に法人企業はこうしたリスクを避けることがIR対策になり、企業価値を高めることにつながります。

リースバックのデメリット

リースバックは魅力的なサービスですが、一方でデメリットも存在します。

ここからは、主なデメリットを紹介します。

①買取価格が時価の6~8割まで下がる

時価とほぼ同じ金額で売れる仲介売却と異なり、リースバックの買取価格は時価の6~8割ほどまで落ち込んでしまいます。

これは、買取再販に必要なリフォーム代などを差し引くためですが、首都圏の一戸建ては平均2,000~3,000万円が相場なので、利益が1,000万円前後引かれるのは非常に大きいですよね。

業者が「リースバックは固定資産税や引っ越し代が浮くのでお得!」と宣伝していますが、1,000万円高く売れば、その利益を維持費などにあてても余りあるほどです。

家を売るのは一生に一度あるかどうかのイベントで、そこまで高額な臨時収入が得られることはなかなかありません。

利益を重視したいなら、仲介売却を得ることをおすすめします。

②家賃相場が周辺物件よりも高い

リースバックで済み続ける場合、家賃相場は似たような借家の賃料に比べて高くなりがちです。

リースバックは最初に大金がもらえることを前提としたサービスなので、純粋に賃料を比較すると損な部分が浮き彫りになってしまうからです。

通常、賃貸物件の家賃はそのエリアのブランド力や住む人の平均年収などを考慮した上で、適切な金額に設定されます。

しかしリースバック物件は家賃を買取価格を10年(120か月)で機械的に割り、賃料を設定するので家賃が収入を無視した金額になってしまうのです。

家賃が割高だとしてもリースバック業者からすれば「先にお金を支払っているじゃないか」という話になるので、最初に得た金額の何割かは必ず家賃の支払いに充てておく必要があります。

手間がかかっても、一度普通に物件を売って、その後に引っ越し手続きをしたほうがトータルではお得です。

③買い戻し価格が相場よりも高くなりやすい

買い戻しのタイミングだと、家の築年数は20年、30年ほどになっています。

このタイミングだと減価償却で家の価格はかなり安くなるのですが、買い戻しの場合は相場より高くなってしまいます。

「子どもが買い戻せば相続がスムーズ」と良く言いますが、相場より高い金額で古い家を買い戻させるべきか?という疑問が思い浮かびます。

もし子どもがいらないと思っていても、築古になった物件は買い戻し後に売っても、価格はあまり付きません。

買い戻し特約を結んだら必ず買い戻さないといけない

買い戻し特約を利用する上では、以下の4つの条件をクリアする必要があります。

  • 法律上、しっかり不動産と認められたものであること
  • 売買契約と同時に買い戻し特約を結ぶこと
  • 買い戻し代金はリースバックの代金+契約費用を必ず下回る
  • 買い戻しの期限は最長10年

買い戻し特約の期限は10年と定められており、逆に言えば10年以内に必ず買い戻さないと物件を手放すことになります。

無理をして買い戻しをおこなったことで、経済的な損失を受ける方も多くいます。

再売買の予約をすれば買い戻し期間を自由に設定できる

買い戻し期間は最長10年ですが、その中で自由に買い戻し期間を結ぶ方法があります。

再売買の予約といって、あくまで予約なので買い戻しの特約よりも法的拘束力が弱いです。

家を将来的に買い戻したいと思っていても、将来の経済状況がわからないという方は、買い戻し特約を結ばず再売買の予約をすることをおすすめします。

④リースバック業者が倒産したり早期退去を要求してきたりするリスクがある

リースバック制度を長期的に利用する場合、リースバックを運営している業者側の破産や収益減もリスクになってきます。

例えば2年間のリースバック契約をする場合、業者はまず依頼者にお金を支払い、賃料で少しずつ回収をしながら、期限が過ぎた後に再販をおこなうことで利益をあげます。

賃料の回収はコストの補填でしかなく、本格的にリースバックが利益化されるのは、期限が過ぎてからになります。

つまりリースバックは企業にとって、ある程度の我慢を強いる仕組みでもあるのです。

もし期限内にリースバック業者の経営状況が急激に悪化したなら、予定よりも早期の退去を要求される可能性は十分あります。

リースバックを安全に利用するためには、個人や中小企業が提供するリースバック制度を利用しないようにしましょう。

⑤相続トラブルに発展する可能性がある

リースバック制度を利用する場合、傍から見ると物件の所有者が変わったことが分かりません。

リースバックを活用していることを子どもに知らせなかった場合、相続トラブルに発展する可能性があるので注意しましょう。

リースバックを利用した物件は期限後に業者へ買い取られるので、子ども達に相続されることはありません。

内容的にもリースバックの活用は相続関係者への事前周知・意見の一致が必ず必要な制度だと言えます。

⑥意外と高額な費用がかかってしまう

リースバックは賃料の他にも以下のような費用がかかってきます。

  • 仲介手数料
  • 事務手数料
  • 印紙税
  • 抵当権抹消費用
  • 敷金
  • 礼金
  • 家賃保証料
  • 火災保険料

こうした費用だけで数十万~数百万になってしまうので、ある程度の自己資金を覚悟しなければいけません。

リースバックは買取価格の分だけ家賃を分割で支払う仕組みと説明されていますが、こうした費用を入れれば、確実に赤字になってしまうのです。

その他にもリースバックを利用する方は生活費の不足を補いたいといった別の目的があるため、自己資金を準備しておかないとリースバックが終わる頃には確実にリースバック前よりも経済的に苦しくなってしまうのです。

リースバックの利用が多いシニア層は、利用後に経済的な困窮に見舞われたとしても、働いて稼ぐことが難しくなります。

そこへ予想していない高額の医療費などがかかってくると自己破産の可能性も見えてきてしまうので十分注意しましょう。

⑦対応業者が少なく選択肢も限られている

リースバック対応業者はまだまだ一部の大手に限られており、大手リースバック業者は現在10に満たない状況です。

サービス内容も業者ごとに豊富という訳ではなく、逆にどこを利用すれば良いのか迷ってしまいがちです。

リースバック対応業者と過去にトラブルがあった場合などは、より利用できる業者が限られてしまうので注意しましょう。

最近では中小規模のリースバック業者が増えていますが、前述の通りリースバックを依頼する際は業者の経営規模も重要になってくるので、安易にこうした業者へ依頼するのはやめておきましょう。

リースバックと任意売却の違い

リースバックと任意売却の違いは、以下の通りです。

項目 リースバック 任意売却
仕組み ローン残債が支払えない時に第3者のサポートで債権者と調整し、売却 不動産を売却した後、賃貸契約をして住み続ける
住まいから離れる必要 なし あり
新たな借入の必要 なし なし
所有権移転 新しい入居者に移る 貸主の不動産会社に移る

リースバックは不動産売却後に賃貸契約を結んで住み続けるサービスであり、状況を選びません。

一方で任意売却はローンの支払いが滞ってしまった際や不動産を売ってもローンが完済できそうにない時に有効な方法です。

任意売却とリースバックを組み合わせたサービスもリリースされていますが、任意売却の代用としてリースバックが使える訳ではないので注意が必要です。

ローンが払えず競売へかけられる前にリースバックを依頼しよう!依頼の期限・タイミングを整理

起こる順番 内容 リールバック申込の可否 任意売却申込の可否
1 催促状・催促書が家に届く 可能 可能
2 期限の利益の喪失届が届く 可能 可能
3 代位弁済がおこなわれる 可能 可能
4 競売申立が実行される 可能 可能
5 競売開始決定の通知書が届く 不可 可能
6 現況調査の実施 不可 可能
7 競売の期間入札通知が家に届く 不可 可能
8 期間入札の公告が実施される 不可 可能
9 競売の実施開始 不可 可能
10 開札 不可 不可
11 売却許可決定・代金納付 不可 不可
12 引き渡し 不可 不可

ローンが払えずに競売へかけられる前にもリースバックを依頼することができます。

リースバックを依頼できる期限は、滞納の開始から競売入札が決定されるまでです。

滞納してから9~12か月まで依頼可能なので、余裕をもって申し込むことができます。

とはいっても、リースバックを依頼する際にどれくらいの時間がかかるか正確に予測することはできません。

手続きが滞る可能性も考慮して、できるだけ早くリースバック手続きを進めていきましょう。

リースバックを依頼できる期限が過ぎたら、早めに任意売却を依頼することをおすすめします。

リバースモーゲージとは?リースバックとどこが違う?

リースバックとよく似た名前のサービスにリバースモーゲージがあります。

これは自宅を担保にしてお金を借り、死後に自宅を売却することで一括完済する制度です。

存命中に支払い義務がないのでお得ですが、自宅の名義人は変わらないので固定資産税がかかり続けますし、相続税対策にはなりません。

リースバック リバースモーゲージ
所有権 不動産会社 本人
固定資産税の納税 不要 必要
利益の使い道 自由 投資・事業目的には利用できない
年齢条件 なし あり(不動産会社によって異なる)
対象物件 制限なし 一戸建て
家族の同居 制限なし 配偶者のみ
買戻し 可能 不可

その他にもリバースモーゲージには様々な負担があるので、基本的にはリースバックをおすすめしています。

一方で、独身で資産整理が煩わしいシニアの方などは、存命中にお金がもらえて死後は勝手に自宅を処理してもらえるリバースモーゲージもおすすめできます。

リースバックはリバースモーゲージより手軽に利用できる

リースバックもリバースモーゲージも内容的には一長一短です。

状況によってはリバースモーゲージのほうがおすすめできる方もいらっしゃいます。

ただ、リバースモーゲージは利用条件が厳しく、誰でも気軽に利用できるサービスではありません。

リバースモーゲージの主な利用条件は、以下の通りです。

  • 年齢が55歳以上
  • 資金の使い道が限定されている
  • 相続人の同意が必要
  • 利用できる物件のエリア・価格が限定されている

一方、リースバックは資金の使い道が自由で年齢制限もなく、気軽に利用しやすいのが魅力です。

特にこだわりのない方なら、リースバックの利用をおすすめします。

リースバックの注意点!事前に確認すべきポイントとは?

リースバックは便利なサービスですが、賃貸契約を結んだあとは家賃を払い続けなければいけません。

その時は良くても、継続して住む中で大きな問題が発生するケースは多々あります。

また、状況によっては、皆必ずしもリースバックを利用できるとは限りません。

条件を満たしていない利用者は、確認と改善をする必要があります。

本当にリースバックを利用しても大丈夫なのか、事前にチェックすべきポイントを解説していきます。

安定収入が今後も見込めるか

リースバックをおこなうと、相場としては少し高めの家賃を最大10年ほど払い続けなければいけません。

10年間毎月安定した収入が得られるかどうか、今一度考えてみましょう。

10年というのは非常に長い年月で、リストラ・入院・子どもの進学など予想外の高額出費がかかる可能性もあります。

こうしたリスクも考えてリースバックを利用しましょう。

共有名義人・被相続人がリースバックに納得しているか

兄弟が共同で相続した実家などは、1人が勝手に処分を決めることはできません。

これはリースバックも同様で、共有名義人全員の意見が一致している必要があります。

共有名義物件をリースバックに出す際は、必ず他の名義人と話し合う機会を設けましょう。

また、万が一リースバックの途中で死亡してしまった場合、その後の手続きは子どもなど被相続人に委ねられます。

子どもが知らない間にリースバックになっていたりすると手続きが面倒なので、利用前に必ず伝えるようにしましょう。

住宅ローンが買取価格を上回るか

リースバックを始める際は、住宅ローンの残債を全て返済した状態でなければいけません。

自己資金で完済できないのであえば、不動産業者からもらえる買取代金を使って一括返済する必要があります。

ほとんどの業者ではローンが残る物件のリースバックはNGになっています。

今のローン残高がいくらか分からない方は、銀行に問い合わせて確認しましょう。

リースバック審査はローン残債付きの物件に対して厳しい

リースバック審査はそこまで厳しい訳ではなく、築古の家でも通過できたケースは多いです。

ただ、例外として厳しく見られるのが、物件の住宅ローン残債が高額なケースです。

リースバック業者の中には「ローンの残る家でもOK!」というところもありますが、住宅ローンの契約は売主と金融機関で結ばれたものなので、銀行の許可が取れない可能性もあります。

ローン契約してすぐにリースバックに出す場合、審査に落とされる可能性は十分あります。残債が気になる方は事前に相談しておきましょう。

定期借家契約なので期限の融通が利かない

リースバックで住み続けられる期限が迫ってきた時、賃貸業者の不手際で引っ越し期限が延びてしまった時はどうなるのでしょうか?

基本的には、どんな理由であれ期限を過ぎれば、そのまま住み続けるのは1日たりとも認められません。

理由としては、リースバックをおこなう際は定期借家契約という圧倒的に所有者(貸主)優位の契約を結ぶためです。

いくらリースバック業者が事前に「融通利かせます!」などと言っていても、契約書への記載がなければ意味がありません。

調整可能の旨を言ってくるようなら、それを契約書に明記するよう依頼しましょう。

期限後にどうするかの取り決めを必ずおこなうべし

短期のリースバックなら住める期限は2年ほど、長期なら10年ほどになります。

リースバックを依頼する時はなかなか切羽詰まっていて、退去後の話なんて頭に浮かばないかもしれません。

ただ、一旦契約を結んでしまうと業者優位の関係性は崩れないので、住む中であれこれ疑問や不満を思っても、契約内容を変更させることはできません。

事前に必ず退去時のことも確認しておくことをおすすめします。

リフォーム・建て替えは認められるがオーナーの確認が必要

リースバックをおこなうと実質的な物件の持ち主はリースバック業者になります。

普通の賃貸物件なら、住んでいるマンションのリフォームや模様替えを勝手におこなうことはできません。

ただしリースバックであれば、ある程度は入居者主導での簡易修繕などが認められます。

※契約内容によっては認められない可能性もあります。

ただ、物件に対して何かする際は、必ずリースバック業者に確認する必要があります。

業者も特に入居者が好きにする分を禁止する訳ではないですが、いずれ再販することを考えると、現在の不動産価値を棄損するような行動は徹底的にやめさせてきます。

大規模なリフォーム・リノベーションは、リースバック後は認められない可能性が高いので注意しましょう。

リースバックの価値算出は通常と異なる

家を所有している方は毎年、固定資産税を支払っているかと思います。

こちらの金額は、国土交通省が定める基準地価によって決まっていきます。

他には不動産会社が実施する無料査定もありますが、こちらは主に住まいとしての価値を判断する方法になります。

対してリースバックの価値・価格は投資物件としてどうかというのが評価のポイントになります。

住みやすい人気のマイホームも、投資物件としての価値は高くない可能性が十分あります。

頑張って買った物件が高く買い取ってもらえるか分からないということは頭に入れておきましょう。

買取スピードが早いリースバック業者ほど買取価格が低い傾向

リースバック業者は最初に買取価格を算出し、その上で買取をおこないますよね?

一般論として、業者は本来なら高い物件を出来るだけ安く買いたいと思っています。

ただ、業者として誠意を持っていれば、簡単に値下げをすることはできません。ではどうするかと言うと、じっくり価格を決める項目を精査した上で、慎重に料金を設定するのです。

適正価格で買取をおこなうには、業者のほうも時間が必要になります。

これが「どんな物件でも即日買取」を標ぼうしている業者だと画一的に適正価格から○○%値下げといったルールを全物件に適用している可能性が高いです。

物件の魅力を見つけ、それを評価してくれる業者でないと最大限の高価買取はできないので注意しましょう。

リースバックが向いている人の特徴

リースバックが向いているのは、今すぐまとまった現金が必要な人です。

長期的にみると賃料も高くて損なので、とにかく現状をどうにかしたい人に向いているといえます。

長いスパンで見ると家賃も高額なので、結果的に損をするケースも多いです。

どうやって損失を防ぐのかの計画もしっかりしておく必要があります。

リースバックのよくある質問

リースバックは新しいサービスですし、周囲にも利用者がまだまだ少ないです。

気になる疑問があっても気軽に聞けず、悩むケースが多いと思います。

ここからはリースバック検討時のよくある疑問に、プロが回答していきます!

旧耐震基準の物件でもリースバック可能?

1981年5月までに建てられた物件は、震度6以上の地震を想定していない旧耐震基準で建てられた物件になります。

これらの物件がリースバックできるかどうかは、業者によって異なるというのが正直なところでしょう。

リースバック業者の中には、買い取った物件を別の不動産会社へ売るものもあれば、自社でリノベーションした後に自社物件として市場に出すところもあります。

前者であれば旧耐震物件でもリスクはないので、リースバックは可能でしょう。

一方、自社完結で買取をおこなう会社だと、旧耐震物件はリスクになるので買取・リースバックを拒否される可能性が高いです。

ほぼ価値のない物件でもリースバック可能?

業者によっては、一定以上の見積もり額が出ないとリースバックをNGにしているところもあります。

これも、前述のようにリース物件をどう扱う戦略なのかで変わってきます。

ハウスドゥやセンチュリー21といったフランチャイズ業者は、比較的低い査定額でもリースバックを利用しやすいです。

田舎の物件でもリースバック可能?

基本的に、不動産会社が実施するサービスは、その会社の営業エリア内なら利用可能です。

そのため、田舎の物件でも近くにリースバックを実施している業者があれば利用できます。

リースバックはフランチャイズ加盟店も実施しているサービスなので、地方都市レベルなら十分利用できます。

ただ、フランチャイズ業者も地方の郊外までは進出していないケースが多く、まだまだ田舎の物件のリースバック利用は難しい現状があります。

リースバック実施時はどれくらいの日数で資金調達できる?

リースバックを利用する際は、まず不動産を買い取ってもらい、その代金を業者からもらいます。

お金が振り込まれる日数は業者によって異なりますが、だいたい20~40日ほどを考えておくと良いでしょう。

中には即換金できることをウリにする業者もいますが、それだけで選ぶと住み続ける上でリスクが発生する可能性も十分あります。

リースバック利用時は買取から退去までをトータルで見て、一番お得でリスクが少ないところに依頼することをおすすめします。

リースバックで得たお金は何に利用できる?

リースバックで得たお金は、借りたお金ではなく不動産を売った代金です。

そのため、用途の指定はありません。原則自由です。

自分の好きなことにお金を使うのも良いですが、住み続ける上で家賃がかかってくることを想定しましょう。

いくらかは家賃の支払いにあてるのが理想的です。

リースバックは得だけではない!リスクもしっかり考えよう

リースバックはメリットとデメリットの両方があり、どんな人にもメリットがあるものではありません。

利用を検討している際は、しっかり考えて申し込みましょう。

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