何度も転職を繰り返していると、書類審査や面接でだんだん不利になって、次第に転職が難しくなっていくイメージがありますよね。
転職を考えている保育士さんや、すでになんどか転職経験のある保育士さんの中には、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
この記事では保育園の転職も繰り返すと不利になっていくのか、そして保育園の転職を繰り返すデメリットについて詳しく紹介していきます。
保育園での仕事がなかなか長続きしない時の原因と対処方についても解説しますので、ぜひ目を通してみてください。
目次
保育園は転職を繰り返しても比較的不利になりにくい
一般的に転職回数が多いとどんどん転職が不利になっていくイメージがありますよね。
しかし、実は保育業界は転職を繰り返しても比較的次の転職に影響しにくいという特徴があります。
転職回数による影響が少ない主な理由は下記の3つです。
- 保育園は慢性的な人手不足
- 転職を繰り返す保育士は多い
- 転職回数より経験とスキルが重視される
保育園は慢性的な人手不足
保育園は基本的に、慢性的な人手不足です。
そのため、どこの保育園でも転職回数に関わらず受け入れてもらいやすいのですね。
転職を繰り返しているという理由だけで判断して断るほど、人員に余裕のある保育園の方が珍しいと言えます。
転職を繰り返す保育士は多い
そもそも保育園を複数回移動している保育士は珍しくなく、保育士の転職回数が多いのは業界では周知されていること。
保育士の70%以上は過去に転職をしていて、そのうち約3割は3回以上の転職経験を持っているというデータもあります。
保育士に転職経験があるのは当たり前と言いいほどですから、転職先の保育園もそこまで大きな問題とは考えていないことが多いのです。
転職回数より経験とスキルが重視される
子供相手にはマニュアルが通用しないことも多く、たからこそ保育士には経験が特に重要視されます。
もちろん経歴も大切ですが、それ以上に重要な要素が保育士には多いということですね。
経験やスキルが十分に備わった人材であれば、転職回数はさほど大きな問題にはならないことがほとんどです。
保育園の転職を繰り返すことによるデメリット
保育園の転職回数は多くても不利になりにくいという事をお伝えしてきました。
しかし、一般職と並べた際比較的影響しにくいというだけで、全くデメリットがないわけではありません。
保育園の転職を繰り返すことによるデメリットについても、ここから確認しておきましょう。
- 応募者の多い求人では書類選考で落とされる要素に
- 転職理由や退職理由を事細かく質問される
- 保育業界以外では転職が難しくなっていく
応募者の多い求人では書類選考で落とされる要素に
保育業界で転職回数は不利になりにくいとはいえ、転職に全く影響しないわけではありません。
応募人数が多い求人の場合は、書類審査でふるいにかける際に早々に切られてしまう可能性があります。
もし転職回数以外が同じ条件で、初めての転職の人と3度の転職経験がある人なら、前者の方が選ばれやすい傾向にあるのですね。
転職理由や退職理由を事細かく質問される
転職回数が多いほど、面接で転職理由や退職理由を事細かく質問されることが増えるでしょう。
転職先の保育園としては、これまで転職を繰り返してきたように、今回もまたすぐに辞めてしまうのでは?という不安があるからです。
採用担当が納得できる退職理由を説明できるようにしておくことと、今後も長く勤めていく意志があることを、うまく伝えられるように準備しましょう。
保育業界以外では転職が難しくなっていく
保育業界は確かに比較的転職回数を気にしないことが多いです。
しかしもし、保育業界以外も検討しているなら、あまり転職を繰り返すと次第に不利になっていくことになるでしょう。
異業種や初めての業界への転職はもともとハードルが高いです。
そこへさらに「仕事が長続きしない人」というイメージを経歴から持たれてしまい、転職で不利になりやすいのですね。
保育園の仕事が続かない時に考えられる原因
保育士の仕事がなぜか長続きしないという時、考えられる主な原因を3つ紹介します。
- 自分の不満の原因を分析しきれていない
- 保育園選びの基準が曖昧
- 転職したい保育園についての下調べが十分でない
ここから詳しく解説していきます。
今の自分、これまでの自分に当てはまっているものがないか照らし合わせながら、目を通してみてくださいね。
自分の不満の原因を分析しきれていない
一度、自分の抱えている不満を具体的に説明できるか確認してみましょう。
例えば待遇が良くないから、という理由があったとして、これではまだ少しふわっとしていますよね。
待遇とは具体的に何のことなのか、勤務時間の事なのか給与の事なのか、それともその両方なのか。
勤務時間だとしたら、その中でも休日が少ない事、残業が多いこと、十分な休憩時間が取れないこと等、どんなところに不満を感じているのかをよく考えてみてください。
自分の不満のポイントを理解しきれていないために、転職はしてみるもののいつもピンとこない…という方は意外に多いのですね。
保育園選びの基準が曖昧
上記で説明したように、自分の不満のポイントを十分に理解していないと、保育園選びの基準も曖昧になってしまいがちです。
何となく休みが多く欲しい!と思って休日日数の少ない職場にしたのに、働いてみると残業が多くて全然休めている気がしない…
このように転職先選びの段階で条件は明確にしておかないと、後々後悔することも多いのです。
転職したい保育園についての下調べが十分でない
転職先の下調べが不十分な状態だと、せっかく内定をもらっても就業後にギャップを感じやすくなってしまいます。
「こんな職場環境だとは思わなかった」「業務範囲が予想と違っていた」なんてことにならないように、自分が気になっていること以外も詳しく調べるようにしましょう。
例えば給与面を一番に重視している人の場合でも、それだけでなく休日日数や交通の利便性、業務範囲などまで詳細に把握しておくことで、転職先とのミスマッチを防げる可能性が高まりますよ。
保育園の仕事が長続きしない時にすべき対処法
保育園の仕事が長続きしない時にすべき、具体的な対処法について紹介していきます。
- 基本給・手当・賞与等の給与面はあらかじめ細かく把握する
- 残業や休日出勤等の勤務時間の実態を把握する
- 人間関係が不安な場合はネットの口コミ等も参考にする
基本給・手当・賞与等の給与面はあらかじめ細かく把握する
保育士が転職を繰り返す理由として多いのが給与面の不満です。
保育士の給料は一般的な会社員よりも低いことが多く、それによってモチベーションを維持するのが難しくなって転職に踏み切る人も多いですね。
給与に不満がある人の転職先選びのポイントは、給与の内訳を把握することです。
保育士の給与は基本給+各種手当によって構成されている場合がほとんど。
賞与(ボーナス)は「基本給の何カ月分」のように計算されますから、手当が多く基本給が少ない給与体系の場合、もらえる賞与がすくなくなることが予想できるのです。
求人に記載されている「月給○○万」という表記だけを信じるのではなく、その内訳まで確認させてもらうようにしましょう。
残業や休日出勤等の勤務時間の実態を把握する
ワークライフバランスを特に重視する方は、転職先の残業や休日出勤等の勤務時間の実態をよく把握するようにしましょう。
とはいえ、これらの情報は求人に記載していないこともありますし、採用担当にストレートには聞きにくい内容でもあります。
そんな時は、子どもの受け入れ人数と保育士の配置人数を聞く方法がおすすめです。
子どもの任数に対して保育士の数が少ないようであれば、保育士一人当たりにかかる負担も当然大きくなります。
そうなれば、労働時間も必然的に多くなるだろうと予想することができるのですね。
人間関係が不安な場合はネットの口コミ等も参考にする
保育園での人間関係が不安な方の場合、転職先の人間関係が良好かどうかはとても気になりますよね。
しかし、採用担当に「職場の人間関係はどうですか?」と聞いたところで、悪いというはずはありません。
実際働いてみないとわからないというのが正直なところではありますが、少しでも情報が欲しいという時は保育園の名前で検索して口コミや評判を確認してみると良いでしょう。
運が良ければもともとそこで働いていた人が、退職後に残した口コミが見つかる可能性もあります。
また、例えば年齢の高いベテラン保育士に苦手意識がある方などは、面接で保育士の年齢層などを聞いてみても良いでしょう。
保育園の転職を繰り返した人が次の転職を成功させるコツ
保育園の転職を繰り返した人でも、次の転職を成功させるためのコツを4つ紹介します。
- 転職したい保育園は徹底的に情報収集する
- 履歴書・職務経歴書を完璧に仕上げる
- 事前にしっかり面接対策をする
- 保育士に必要なスキルとは何かをよく理解する
転職したい保育園は徹底的に情報収集する
ここまででもお伝えしてきたように、転職で失敗してしまう人の多くは事前の情報収集が不十分な傾向にあります。
給与、休日、業務範囲など、自分としてはそこまでこだわっていないようなことでも、徹底的に調べましょう。
情報が多いほど就業後のイメージも湧きやすく、働く前と後でのギャップが生まれにくくなります。
そうすることでミスマッチを防ぐことができ、仕事も長続きしやすくなるはずです。
履歴書・職務経歴書を完璧に仕上げる
保育業界は転職回数がそこまで問題ならないとはいえ、全く転職に影響しないわけではありません。
人気求人の場合は書類審査でふるいにかけられ落とされてしまうことも考えられます。
そのため経歴だけで判断されないためにも、履歴書の書き方は非常に重要です。
ネガティブな理由ではなく、前向きな理由からの転職であるということを、履歴書の時点で伝えられるよう、自己PR欄や志望理由欄を有効活用してアピールしましょう。
事前にしっかり面接対策をする
保育園の転職を繰り返していると、面接で退職理由や転職理由についてかなり細かく質問されるようになります。
採用担当に聞かれるだろうことを事前に予想して、スムーズに返答できるよう備えておきましょう。
採用担当に納得してもらえるような伝え方ができるよう、事前に回答をまとめておくことが重要ですよ。
保育士に必要なスキルとは何かをよく理解する
保育士に必要なスキルとは何かをよく理解し、自分のアピールポイントを再確認しましょう。
例えば視野の広さや観察力、コミュニケーションスキル等、保育士として必要な能力について改めて考え、その後自分が持っているスキルと照らし合わせてみてください。
前職の経験やこれまでに培ってきた力を再確認する機会にもなるはずです。
自分の保育士としての強みを把握することで、面接でもうまくアピールポイントを伝えられるようになるでしょう。
保育園の転職を繰り返さないためには情報を集めること!
保育園の転職も繰り返すと不利になっていくのかや、保育園の転職を繰り返すデメリット、そして保育園での仕事がなかなか長続きしない時の原因と対処方について紹介しました。
保育業界では転職を繰り返しても影響は比較的少ないです。
しかし全く関係ないということではなく、デメリットも確かにあるため、あまりに多く転職を繰り返すのはおすすめしません。
保育園の転職を繰り返さないためには、何より情報収集が大切です。
保育園とのミスマッチを起こさないためにも、徹底的に情報収集して転職を成功させましょう。
もし一人での転職活動や情報収集に自信がないという方には、転職エージェントの活用もおすすめです。
情報収集から書類の添削まで、転職活動を無料でトータルサポートしてくれますので、気になった方はぜひ検討してみてください。