営業職にかかわらず、全ての転職の決め手となるのは「志望動機」です。
志望動機は今後の採用に大いに関わってきます。
「でも、どうやって志望動機を書けばよいかわからない!?」
と不安な方も多いのではないでしょうか。
今回は、どんな志望動機が企業に好まれやすいか、またNGな転職理由とは何かについて述べさせて頂き、今後の転職ライフの参考にして頂ければと思います。
目次
志望動機を考える前に・・・
そもそも、なぜ志望動機が重要なのでしょうか?
当たり前のことにはなりますが、企業は会社が必要と考えている人材を求めています。
その中で、判断基準の1つになるのが、志望動機なのです。
「職務経歴」も重要な判断基準の1つではありますが、それは過去のあなたがどのようなことを行ってきたのかを知るために必要なものであり、「志望動機」とは「将来のあなたが企業に就職した際にどのような利益を企業にもたらしてくれるか」を企業側が知るためのものなのです。
要するに、過去が「職務経歴」、未来が「志望動機」と考えて頂ければよいでしょう。
本来であれば、企業側も志望者1人1人に対して時間をかけて、あなたがどんな人なのかを知りたいというのが本音ですが、企業側もそこまで暇ではありません。
そこで面接時に志望動機を訊くことで、あなたがどんな人物でどんな考えを持っているのか評価したいのです。
そのため志望動機を答える際には、自分がどんな人物で、またどんな考えを持って仕事に取り組んでいるのかアピールすることが大切です。
そして企業が求める人物像・スキルを持っていることをアピールできれば、面接に成功する確率は高くなるでしょう。
転職を成功に導く志望動機の書き方!面接のプロがポイントを解説!
営業職に求められる必要なスキルとは?
営業職となるとクライアントに対して短時間で簡潔に企業や事業の概要等を説明し、納得して契約をもらわなければなりません。
そのため、企業側があなたに求める能力は主に次の5つが必要になってくると思います。
聞き上手であること
「営業職」と聞くと自分から話すことが好きな人がなる職業だと考える人が多いと思います。
そのため、自分から話すのが苦手な方は営業職を避ける傾向にあります。
もちろん、自分から話すことが好きな人はそれだけの知識を有しており、他者に対して有益な情報を提供できるメリットもあります。
しかし、実のところ、自分から話すことが得意な人が営業職に向いているとは限りません。
むしろ、それ以上に、相手の話を聞く、「聞き上手」かどうかが営業職には重要になってきます。
なぜなら、聞き上手ということは、相手の情報を引き出すのがうまいということなので、相手の情報をたくさん引き出すことができるからです。
これは、相手に好印象を与える話し方のテクニックでもあり、とある研究の報告によると、 話す時間を自分3割、相手7割で話を進めていくと相手から好印象を得やすいとされています。
また、相手の話を聞く際も、姿勢は相手に正面を向け、腕を開き、相手の目をしっかりとまっすぐ見ることを心がけるようにするとよいでしょう。
そして、相手の話には必ず相槌を打ちながら聞くことによって、相手は「ちゃんと話を聞いてくれている」と思ってくれるため、さらに会話を弾ませることができます。
なので、自分から話すことが苦手な方はこの3つのポイントに気を付けて話を進めていけばよいのです。
好奇心旺盛であること
好奇心旺盛ということは、それだけいろんなモノやヒト、コトに興味があるといえるでしょう。
「なぜ空は青いのだろう」とか「飛行機ってなんで飛べるんだろう」とか日常に常に疑問を持ち、それを解決するために常日頃、調べている人は、それだけで話題に事欠くことはないでしょうし、何より、クライアントの悩みや問題点にも気づき、解決に導きやすくなります。
「自分はできてないかも?」と思う方は、常にいろんなことに疑問を持ち、答えを導き出すというサイクルを心がけてみましょう。
PDCAのサイクルがうまいこと
以前、働いていた方はPDCAという言葉をよく耳にしていたかもしれません。
下記に説明するとこのようになります。
- Plan:計画を立てる
- Do:実行する
- Check:評価する
- Action:改善する
PDCAのサイクルを回す中で一番重要になってくるのは計画の段階で必ず数値を盛り込むということです。
数字を盛り込むことで計画に具体性が増し、さらに自分で評価をしやすくなるからです。
例えば、人との関わりを持つために毎日挨拶するということを決めたとしましょう。
その際、「毎日5人の人に挨拶する」と計画するのです。
そうすることで、評価の段階で、例えば3人にしか挨拶できなければその日の評価は60点ということになるのです。
計画の段階で「毎日挨拶する」を目標にしてしまうと1人挨拶しただけでも100点ですし100人挨拶しても100点と評価が曖昧になってしまうのです。
そのため、PDCAをうまく回すためには計画の段階で数字を盛り込むということが重要になってくるのです。
ポジティブ思考であること
新規営業で何十件、何百件回っても契約がとれないといったことや、既存営業で、クライアントに何回も提案したが通らないといったことはよくあります。
営業職を挫折してしまう多くの人の特徴として、ネガティブ志向であることがあげられます。
「どうせ、私なんか…」と思って仕事をしても、うまくいく可能性は限りなく低いです。
ネガティブ志向だと、発言も弱気になってしまったり、姿勢も前かがみになって悪くなったりといったケースが多いです。
断られても、自分の何が原因だったのかをしっかりと研究し、「次こそは、うまくやってやろう!」という前向きな心を持つことによって、営業に対する姿勢が自然と良くなり、笑顔も増えます。
そのため、営業職には前向きであるということは強みになるのです。
負けず嫌いであること
営業職とは、相手に提案が受け入れられて、初めて任務遂行という形になります。
そのために、クライアント先に何度も足を運んだり、企画書を作り直したりする必要性がでてきます。
その中で、「次こそは必ず納得させて見せる!」といった負けん気がないと、志半ばで諦めてしまう可能性もあります。
クライアントが納得する提案を作るためのモチベーションとして必要なスキルであると考えられます。
以上、企業側が必要としている営業職の主なスキルになります。
この5つのことから、企業が求める営業職の人材の特徴は「積極的にクライアントの悩みや問題をいち早く掴み、これを解決する能力・意識がある人」ということがわかります。
営業職の転職で好ましい志望動機
企業が求める人材像がわかった上で、志望動機を考えていきましょう。
先述した、企業が求める人物像の特徴の5点が志望動機に盛り込まれていれば、転職に有利に働くと考えられます。
今回は、一部、各業界別に実際に使える志望動機を紹介していきたいと思います。
【保険業界】
① 成し遂げたいこと
私は保険業界に入り、成し遂げたいことが1つあります。
それは「お客様の将来を本気で考えたライフプランニングの作成、提案」です。
② きっかけとなる経験
なぜ、そう思うきっかけになったのかといいますと、現代ではお金に対して関心がない人や興味がない人が増えてきていますが、お金はみんなが使うもので、お金の仕組みを知ることでたくさんの人たちが救われるため、しっかりとしたお客様に喜んでいただけるお金の知識を発信したいと思ったのがきっかけでした。
③ 企業選びの軸
今回、御社を選ばせて頂いたきっかけは、御社の理念ももちろん興味があったのですが、私が企業選びの軸としていることは、「今後の時代に合っているか、合っていないか」ということです。
現代はWebが普及している時代ですが、保険の営業となるとルートセールスばかりのイメージです。
その中で御社は、ルートセールスだけではなく、Web販売も行っている会社で、さらにWeb集客に力を入れている会社だと思い、ほかの会社と比べ将来性を感じたので志望致しました。
④ 業界比較
保険は証券と違い「保障」がしっかりしているため、お客様に本当にあった保障を選ぶことにより、お客様の幸せを叶えられることやなにかあったときの備えとしてお客様の家族を守ることができるので、そこは他の金融の業種ではなく、保険業界だからできると思い保険業界を志望させていただきました。
⑤ 取り組みたい仕事
私は、保険の良さやお客様のライフプランニングの設計を積極的に行っていきたいと思っております。
そのため、お客様と一番接することができる営業職をやっていきたいと思っております。一人でも多くのお客様に保険の良さを発信していきたいと思っております。
【Web業界】
①成し遂げたいこと
私が御社で成し遂げたいことはWebの強みを生かしてたくさんの人たちに自社の商品の良さを発信していきたいと思っております。
②きっかけとなる経験
私は、もともとルート営業や実際に人と会って営業することが多かったのですが、一つ強く思うことがあります。
ルート営業や提案営業などは、お客様のニーズが立っていないものを売らなくてはいけないということです。
無理矢理いらないものを売るよりも、Webだったら検索という行為自体がそもそもニーズなので、Webの特性をつかって本当に欲しいお客様にいいものを届けたいと思い、御社を志望しました。
③企業選びの軸
今回、御社を選ばせて頂いたきっかけは、御社の理念ももちろん興味があったのですが、私が企業選びの軸としていることは、「今後の時代に合っているか、合っていないか」ということです。
現代はWebが普及している時代です。
そのため、リアルの営業よりもWebの営業のほうが、効率よく数字を出していけるのと実際にニーズがあるものしか売らなくていいので、お客様にとっても自分にとっても気持ちの良い仕事ができると思い、御社を志望させていただきました。
④取り組みたい仕事
御社で取り組みたいことは、お客様のニーズを分析した上でWebでの営業を行っていきたいと思っております。
私のこだわりは、必要な人に必要なものを売るということなので、自社の商品を本当に必要としている人、これから必要になってくる人に対して営業をおこなっていきたいと思いますので、Web営業を志望します。
以上、2つの業界で例を出しましたが、どの企業にも共通して言えることは、
- なぜ、この業界を選んだのか?(成し遂げたいこと)
- その中でも、なぜ該当企業なのか?(きっかけとなる経験・企業選びの軸)
- 該当企業において、自分がどのような利益を生み出せるか?(取り組みたい仕事)
この3点が重要になって参ります。
志望動機を書く際は、こちらに注意して頂きながら書いて頂ければと思います。
志望動機NG集(よくあるNG集)
やりがいのある仕事だから
「御社はやりがいのある仕事で…」
一見、良さそうな文言に聞こえますが、やりがいとは自分で見つけていくものです。
「やりがいがなくなったら辞めるの?」と思われかねません。「やりがい」という言葉を使うのであれば、その企業でしか達しえないことに使うべきです。
企業をほめちぎる
面接で受ける企業の悪口を言うことは、さすがにないとは思いますが、逆にほめすぎるのもよくありません。
企業はあなたがどういう人か、どういうスキルを持っているのかを見極めようとしています。
褒められるために面接をしているわけではありません。
褒める時間があるのであれば、その時間を自己紹介の時間にあてたほうがよっぽど有益と言えます。
抽象的な志望動機
企業側はあなたがどのような利益をもたらしてくれるのかを見ています。
そのためには、企業側が想像しやすいように、志望動機も具体的に話す必要があります。
「企業名がかっこいいから!」「おもしろそうだから!」といった抽象的な内容だと、企業側は、その後のあなたの話を真剣に聞かなくなってしまうでしょう。
通勤時間が短いから
家と企業が近いのは通勤としては楽でよいことですが、その企業で積極的に働く理由にはならないでしょう。
転勤や事務所移転の際に辞めるのでは?と思われるため、採用に至らないケースが多いです。
成長できる企業だから
成長する環境は自分で見つけていく、作り出していくものです。
「環境がよいから」と言っている方は、自ら「自分では環境を変えることはできません」と言っているのと変わりません。
「自分が成長する過程で役に立つこともある」くらいにしておきましょう。
給与が高い・福利厚生がきちんとしている
確かに、給与や福利厚生は働きやすさに直結しますが、それが企業の求める志望動機にはなり得ません。
「他に良い条件の求人がでたら辞めてしまうのでは?」とかえって不安を煽ることもあります。志望動機に書くのは控えましょう。
過度な自信に満ち溢れている
自分ではいいと思っていても、他の人からしたらそこまですごいことではなかったということがあります。
志望動機も同じで、「自分だけは特別だ!」と思っている人は企業側から「協調性がない」「自分勝手」と決めつけられかねないのです。
志望動機を書く際は、友達などに見てもらい、客観的に判断してもらいましょう。
志望企業に採用されるためには…
志望企業に受かるために重要になってくるのは、きちんと調べているかということです。
自分の性格や行動パターンを調べているか、志望企業のことを調べているか、志望企業に就職した後のことを考えて調べているのか等、この下調べが、今後の営業職においても、非常に重要になってきます。
「とりあえず、受ければいいや」「何とかなるでしょ~」は絶対にうまくいきません。
志望企業に就職するまでは、最後まで気を緩ませず、強い想いで転職活動を乗り越えていきましょう。