病院薬剤師の中には、やりがいない仕事だと考える人もいるかもしれません。
勤務先によっては残業や夜勤があり、医師や看護師などほかの職種とのコミュニケーションが必須です。
プライベートの時間が思うように取れないと、やりがいを感じないことに拍車がかかります。
病院薬剤師のやりがいを感じられなくなったときの対処法と、その原因について紹介します。
病院薬剤師にやりがいを感じない場合の対処法7つ
病院薬剤師には、仕事のやりがいを感じなくなったときに、試してほしいことや覚えておいてほしいことがあります。
自分で行える簡単な対処法ですが、どれも仕事へのやりがいに影響する行動のため、行き詰まっている人はトライしてみましょう。
1.現場の雰囲気を変えてやりがいを作る
職場の雰囲気を変えるために、自分がムードメーカとなって上手に立ち回りましょう。
工夫して動くことで、結果として仕事に魅力が生まれます。
例えば、失敗を許さない空気をなくしたり、スタッフに結束力を作ったりすると、仕事がうまく回りトラブルが起きにくくなります。
職場の雰囲気は仕事の充実度にも影響するため、うまく変えることでやりがいを感じるきっかけになるでしょう。
2.患者さんのために働くことを再認識する
病院薬剤師は、そもそも患者さんの健康のために働いています。
やりがいを感じられず虚しいときは、何を目的として仕事をしているのか思い出してください。
日々忙しく働いていると、目の前の仕事や会議などに追われて、目的を見失ってしまいます。
面倒な仕事もすべて患者さんのために行っていると考えれば、やりがいを見出せますよ。
3.スキル取得や目標に向けて努力する
同じ仕事を同じ環境で続けていると、内容がマンネリ化してやりがいを感じなくなります。
その場合は、新しいスキル取得や目標に向けて進んでみましょう。
薬の知識を増やしたり、今後の仕事に有利な資格を取得したり、病院薬剤師はさまざまな方法でやりがいを自ら生み出せます。
勉強会や学会へ参加し、仕事の知識を深めることもおすすめです。
いい人脈を広げるためにも、仕事にかかわる新しい場所に飛び込んでみましょう。
4.信頼できる仲間や同僚に相談
仲間や学生時代の友人に、仕事のどんな内容にやりがいを感じるか尋ねましょう。
同じ分野の職業についている人から意見を聞くことで、自分だけでは気づかないやりがいを見つけられますよ。
自分の意見を伝えて、どう思うか聞いてみることもおすすめします。
マンネリ防止やモチベーションを保つためにしていることを具体的に聞いて、病院薬剤師の仕事をさらに充実させましょう。
5.患者さんと積極的にコミュニケーションを取る
患者さんと積極的にコミュニケーションを取り、仕事にやりがいを見つけましょう。
健康の悩みを聞いて仕事で解決すると、効率的に病院薬剤師として成功体験を積めます。
患者さんへ適切なコミュニケーションを取り、生活の深い部分を理解して、きめ細かい薬の指導を行いましょう。
薬の専門家として頼ってもらい、仕事への責任感と充実度を上げてください。
6.移動や配置転換を希望する
系列病院がある場合は、配置転換や移動について相談できます。
転職のように大きな負担なしで環境を変えられるため、今の仕事のやりがいの向上に期待できます。
ただし、病院薬剤師として受け持っている仕事の内容によっては、勤務先から認められるまでにそれなりに時間がかかることを覚えておきましょう。
7.薬剤師資格を生かした転職を検討する
薬剤師資格を持っていると、転職で幅広い薬剤師の職種に応募できます。
医療現場以外で活躍する薬剤師への転職も、病院薬剤師にやりがいを感じられないときの対処法です。
調剤薬局やドラッグストアで活躍する薬剤師や医薬品開発など、自分の希望に合った職種をピックアップしてください。
やりがいを見出せない仕事に強くこだわらずに、転職を考えるのは悪いことではありません。
病院薬剤師にやりがいを感じない場合は、自分に向いている仕事を探してみましょう。
病院薬剤師がやりがいを感じない原因
病院薬剤師がやりがいを感じない原因には、仕事内容から職場の環境まで、さまざまな理由があります。
自分ひとりで解決できない場合は、上司に相談し改善を求めましょう。
仕事が単調
病院薬剤師の仕事のうち、調剤業務の割合が多いと単調だと感じてしまうのではないでしょうか。
調剤業務で単調な繰り返す作業が多いと仕事に意味がないと感じてしまい、やりがいや成長につながらないことに悩んでしまいます。
処方箋をもとに薬剤を選んで鑑査する流れ作業や、かんたんな服薬指導にも慣れてしまうと、やりがいを感じにくいでしょう。
仕事が単調でマンネリになった場合は、自分で目標を立ててやりがいを見つけることをおすすめします。
職場のメンバーが変わらない
同じ職場で働くメンバーが変わらないと、つまらないと感じる人もいるようです。
また、病院薬剤師は仕事で接する人が限られるため、職場でのストレスや人間関係トラブルが発生する危険性があります。
閉鎖的で変化が少ない職場環境は、仕事のやりがいを奪ってしまうので注意しましょう。
成長やスキルアップの実感がない
仕事に明確な目標を持っていたり、自己成長意欲が高かったりする人は、スキルアップに恵まれないと、やりがいを感じにくいかもしれませんね。
仕事に慣れてくると、こなせる業務が増えるため成長できる機会が見つけにくくなります。
今の環境でスキルアップが難しい病院薬剤師は、自発的に成長のチャンスを作りましょう。
認定・専門薬剤師を目指すといった、今の仕事に役立つ技術の向上を狙うとやりがいを見出せるでしょう。
周囲からの感謝を感じにくい
医者や看護師と比べ、薬剤師の仕事に必要性を感じないという人もいるようです。
患者さんのなかには、院内処方薬を受け取るまでに時間がかかると不機嫌になる人がいますし、クレームを入れられる可能性もあります。
病院薬剤師の仕事は患者さんから見えにくいことも、周囲からの感謝を感じにくい原因と判断できます。
医師優先で仕事の裁量が少ない
薬剤師は医師の診察をもとに調剤を行い、患者さんに処方します。
医師の意見が最優先のため、仕事の裁量が少ないと感じる病院薬剤師もいるようです。
とくに医薬品の情報をもとに医師に相談しても、薬剤師の裁量だけでは調剤を変更できないケースは仕事に憤りを感じてしまう原因となるでしょう。
業務や組織の体制に不満を感じる
業務や組織の体制に満足していないと、仕事のやりがいも感じにくいです。
管理職が従来の方法から変えようとしない場合、改善の要望を出しても聞き入れてもらえない可能性があります。
体制に不安や不満があると、仕事も充実しなくなりやりがいを失ってしまうでしょう。
待遇や給料が希望通りではない
年収が低いのに責任が重い、業務が忙しくて給料と見合っていないというお金に関する不満は、やりがいの喪失に直結します。
また、昇給に関する待遇が期待通りでないことは、仕事への積極性が削られる原因です。
頑張ったぶん給料として返ってこないと、モチベーションが下がって病院薬剤師の仕事に価値を見出せない場合があります。
病院薬剤師のやりがいとは？
病院薬剤師のやりがいとは具体的にどういったものでしょうか。
やりがいを見失ったときに、この仕事ならではの面白さを確認することは、長く務めるうえで重要です。
病院薬剤師が感じるやりがいをまとめました。
専門性を高められて技術が上がる
病院薬剤師は高度な知識を求められるため、専門性を高められて技術が上がります。
対応する領域によって異なりますが、総合病院なら扱っている薬と診療科ごとの知識が必要です。
循環器疾患専門病院やがん専門病院の場合は、病院薬剤師は専門診療科について詳しくなければいけません。
医療の一環として治療に参加できる
緩和ケアのチームやICT(院内感染対策チーム)など、ほかの職種と連携してスキルが発揮できます。
チームのメンバーとして医師や看護師とコミュニケーションを取り、医療に携われることは病院薬剤師の強みです。
それぞれの職種と連携し、専門性が高い技術を学べるため、モチベーションの向上も期待できますね。
誤投薬や処方ミスを防げる
誤投薬や処方ミスといった医療事故を防ぐことも、病院薬剤師の重要な仕事です。
仕事で大切なポジションを任されると、やりがいにつながりますね。
誤投薬や処方ミスを防ぐことは、患者さんの健康を守るということです。
病院薬剤師は数値の記録や薬の飲み合わせなどを確認し、医療事故の防止に努めています。
病院薬剤師におすすめの転職先を紹介
病院薬剤師から転職を考える場合は、今感じているやりがいの不足が解決できる職種を選びましょう。
コミュニケーション能力に自信がある人や、安定した勤務時間を望む人など、仕事に臨むことは一人ひとり異なります。
ここからは、病院薬剤師におすすめの転職先を紹介するので、チェックしてみましょう。
ドラッグストア
ドラッグストアで需要がある薬剤師は、調剤なしの店舗、調剤併設、調剤専門の店舗スタッフに分かれています。
今回は調剤なしのドラッグストアについて、薬剤師の業務とメリットを紹介します。
OTC薬品(市販薬)の販売や健康相談、レジ打ちや品出しなど業務は多岐に渡りますが、接客スキルは必須です。
店舗運営に関する工夫やアイデアも求められる仕事のため、作業的な仕事だけではありません。
販売に関する創意工夫や接客スキルの向上が望めるといった点で、大きなやりがいを感じられるでしょう。
調剤薬局
調剤薬局で勤務する薬剤師は、医師が発行した処方箋をもとに薬の調剤を行います。
鑑査や服薬指導は病院薬剤師との差は大きくありませんが、おおよその勤務時間と休日が決まっています。
病院のように夜勤がある調剤薬局はほぼないため、福利厚生にやりがいを求める人におすすめです。
通院する患者さんとの長期的な付き合いをすることで、地域医療の担い手として活躍できます。
病院薬剤師のやりがいは自分で見つけられる
病院薬剤師の仕事に充実感がない場合は、目標の設定や資格取得など自分でやりがいを作ることが重要です。
患者さんの健康サポートのためにプライドを持って仕事をしていることを再確認しましょう。
